シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

2.三者三様の東京

2008/05/17

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 開幕から2日目の15日夜、日本映画ではないものの、日本をテーマにした映画がある視点部門で上映されました。ミッシェル・ゴンドリー、レオス・カラックス、ポン・ジュノ監督のオムニバス「TOKYO!」です。

 田舎から東京に出てきて、同級生の狭い部屋に居候しながら、仕事と下宿を探すうち、ボーイフレンド(加瀬亮)との間がぎくしゃくし始めて、ついには椅子に変身してしまう、内気な娘(藤谷文子)を描いた幻想的なミッシェル・ゴンドリー監督の「インテリア・デザイン」、いつからか東京の下水に住みついた異形の怪人"ムッシュ・メルド(糞)"(ドゥニ・ラヴァン)の顛末を描いたレオス・カラックスの「メルド」、引きこもりの男(香川照之)が、可愛いピザのデリバリー係(蒼井優)のおかげで、社会との新たな接触の意欲を持つようになるボン・ジュノの「シェイキング・トーキョー」の3本で、3人3様の違った角度から東京という町をとらえていました。

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 写真上は上映前の挨拶で、左からレオス・カラックス、ミッシェル・ゴンドリー、一人おいて藤谷文子、ドゥニ・ラヴァン、ポン・ジュノ、香川照之の皆さんです。香川さんは暁星仕込みの見事なフランス語を披露し、会場から大喝采を浴びていました。

 今年は残念ながらコンペに日本映画が1本もなく、かろうじてある視点部門に黒沢清監督の「トウキョウソナタ」があるのみという寂しさですが、オープニングのフェルナンド・メイレレスの「ブライドネス」に伊勢谷友介、木村佳乃という2人の日本人俳優が出演していて、記者会見でも通訳を介さずに、流暢な英語を披露していて、日本映画界が本格的な国際化の時代を迎えたことを強く印象づけました。写真下は初日の会見終了後の模様で、左からガエル・ガルシア・ベルナル、木村佳乃、伊勢谷友介の皆さん。

(齋藤敦子)