シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)メッセージは環境

2008/10/19

 18日から第21回東京国際映画祭(以下、TIFFと表記)が開幕した。今年は映画祭の総責任者であるチェアマンが、角川グループの角川歴彦氏からエイベックス元会長の依田巽氏に交替。新チェアマンの発案で環境問題というメッセージを掲げ、レッドカーペットを、ペットボトルをリサイクルしたグリーンカーペットに替えたり、クリーン・エネルギーを上映に活用したり、新たにエコロジーをテーマにした作品にアース・グランプリという賞を新設したり、という新機軸を打ち出した。

 カンヌ、ヴェネチア、ベルリンに比肩し、4大映画祭の一角を担うという大きな目標を掲げたTIFFだが、問題点の多い映画祭であることは昨年のレポートでも触れた通り。そのさまざまな問題を解決する方法がエコロジーの中にあるのかどうか。新たに映画祭に取り組もうとする新チェアマンが初めて打ち出したこのメッセージに、ちょっと肩透かしを喰った気になったのは私だけではないだろう。

 とはいえ、映画配給の"グローバル化"が進み、個性の強い、新進気鋭の配給業者が少なくなった昨今、TIFFは商業ベースではなかなか目に触れることのない、世界の映画を知る貴重な機会であることは確か。今年もまた、TIFFで上映される映画を通して、東京および日本の映画界の現状を考えていきたい。(斎藤敦子)