シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(6完)最優秀は「バシールとワルツを」

2008/12/01

 最終日の11月30日夜、会場の有楽町朝日ホールで授賞式が行われた。最優秀作品賞には、カンヌ映画祭で高く評価されながら無冠に終わったイスラエルのアリ・フォルマン監督の「バシールとワルツを」に。審査員特別賞は、中国のユー・グァンイー監督のドキュメンタリー「サバイバル・ソング」と、アメリカに住む韓国人ソヨン・キム監督の「木のない山」の2本で、副賞のコダック社からの8000米ドル相当のフィルム・ストックを2つに分けての受賞となった。

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最優秀作品賞「バシールとワルツを」の
アニメーション監督ヨニ・グッドマン氏

 授賞式に先立って、昼過ぎに行われた審査員の記者会見によれば、5人の審査員の間で早くから3本に作品が絞られたとのことだった。戦場に赴いた元兵士たちの悪夢の記憶をドキュメンタリーではなく、アニメーションという手法で描いた「バシールとワルツを」の実験精神と完成度の高さ、「木のない山」のドキュメンタリーとフィクションの狭間の新鮮さ、「サバイバル・ソング」のユー監督のドキュメンタリストとしての確かな視線は、今回のコンペ作品の中で抜きん出ていたように思われ、納得の受賞結果だった。

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2008年の受賞者と審査員の記念撮影

【受賞結果】
◆最優秀作品賞
 「バシールとワルツを」監督アリ・フォルマン
◆審査員特別賞
 「木のない山」監督ソヨン・キム
 「サバイバル・ソング」監督ユー・グァンイー
◆観客賞
 「愛のむきだし」監督 園子温

(齋藤敦子)