シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)「ブラック・スワン」で開幕

2010/09/02

220902_03.jpg 第67回ヴェネチア国際映画祭が9月1日の夜の『ブラック・スワン』の上映から始まりました。
   日本では酷暑が続いているようですが、ヴェネチアでは最高気温が27,8度程度なので、連日35度を超える東京から来ると、ぐっと涼しく感じます。リド島の会場は、去年から開始された新しい映画宮殿の建設が2年目に入り、プレス・センターのあるカジノ前の広場も掘り返され、いよいよ手狭になってきた感があります。新宮殿の完成予定は2011年末から2012年初頭にかけてなので、来年の映画祭もまだ今のような状態で続けられるとのことです。写真上は開会式が行われる映画宮殿前の模様で、足場の悪さにもかかわらず、レッドカーペットを歩くゲストを一目見ようと、大勢のファンが集まっていました。

 去年はアメリカ映画が多い年でしたが、今年は例年になく日本映画の多い年になりました。その内訳は、コンペ部門にトラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』と三池崇史監督の『十三人の刺客』の2本、オリゾンティ部門に園子温監督の『冷たい熱帯魚』と和田淳監督の短編アニメ『春の仕組み』の2本がエントリーし、賞を競います。三池監督は、『ゼブラーマン』と『ゼブラーマンゼブラシティの逆襲』がコンペ外招待作品としてミッドナイト上映されますし、3Dアワードの審査員長に清水崇監督が選ばれ、『戦慄迷宮』が上映されることになっています。

220902_01.jpg オープニングを前にした9月1日の午後、審査員の記者会見が開かれました。今年の審査員は、クエンティン・タランティーノを長として、映画監督のアルノー・デプレシャン、ルカ・ガダニーノ、ガブリエーレ・サルバトーレス、脚本家のギジェルモ・アリアガ、作曲家のダニー・エルフマン、女優のインゲボルガ・ダプクナイテの7人です。写真中は、そのときの模様で、プレスに向かってVサインするタランティーノ審査員長。左が映画祭ディレクターのマルコ・ミュラー、右が作曲家ダニー・エルフマンです。

220902_02.jpg 写真下は、引き続き行われたオープニング作品の『ブラック・スワン』の記者会見の模様で、左から監督のダレン・アロノフスキー、右が主演のナタリー・ポートマンです。アロノフスキーは2年前に『レスラー』で金獅子賞を獲得しています。どさ回りのプロレスの世界から高尚なバレエの世界へ驚くような方向転換ですが、アロノフスキーは"両方ともパフォーマーが自己表現の手段に肉体を使うという点で似ている"と語っていました。

(齋藤敦子)