シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)50年代日本映画の特集も

2010/11/21

 第11回東京フィルメックスが11月20日から始まりました。今年のオープニング作品は、5月のカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したタイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の「ブンミおじさんの森」で、来春日本公開が決定しました。

 ここ数年、日本では独立系の配給会社が倒産したり、規模が縮小されたりして、外国映画がなかなか配給されないという現状がありました。それには世界的な不況の影響に加えて、ネットの登場で映像をめぐる環境が劇的に変化しているという社会情勢の影響が大きいと思います。けれども、TIFFの矢田部プログラミング・ディレクターとのインタビューにもあるように、今年になって外国映画配給の低迷が底を打った感が出てきました。このことについては、次回掲載する市山ディレクターとのインタビューでも、フィルメックスの10年を振り返る形で面白いお話を沢山うかがいました。

firume123.jpg  さて、今年のアジア映画の収穫10本を審査するのは、ベルリン映画祭フォーラム部門の創設者ウルリッヒ・グレゴールさんを長とし、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督、中国のニン・イン監督、香港映画祭のアーティスティック・ディレクター、リー・チョクトーさんに日本からスクリプト・ディレクターの白鳥あかねさんが加わった5人の審査員です。写真はオープニングの模様で、左からリー・チョクトー、ニン・イン、ウルリッヒ・グレゴール、白鳥あかね、アピチャッポン・ウィーラセタクンの各氏です。 

 これから28日の授賞式までに、10本のコンペティション作品と10本の特別招待作品の上映に加えて、アモス・ギタイ監督特集と、1950年代の日本映画に焦点を当てたゴールデン・クラシック1950特集第1部として松竹の三巨匠、渋谷実、木下恵介、小津安二郎の作品が上映されます。

 また、今年から東京都の援助で、アジアから若手映画監督20人を招いて、大先輩の映画監督やプロデューサーが企画の立て方や発展のさせ方をレクチャーするネクスト・マスターズという試みも始まります。詳細については次回からのレポートをご覧ください。

(齋藤敦子)