シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)大統領選の影響も/モレッティ新審査委員長に期待

2012/05/18

1_1.jpg 第65回カンヌ国際映画祭が5月16日の夜、開会式を迎えました。司会を務めるのは、今年のアカデミー賞を制覇した『アーティスト』の主演女優ベレニス・ベジョ。オープニングを飾るのは、初めてのアメリカ映画でコンペ作品でもあるウェス・アンダーソン監督の『ムーンライズ・キングダム』。1965年、ボーイスカウトの少年と問題を抱えた少女の逃避行を、絵本のようなポップな色調と独特のアングルで描いたオフビート・コメディ。ボーイスカウトの隊長エドワード・ノートン、警察署長ブルース・ウィリス、少女の父親ビル・マーレイ、福祉委員ティルダ・スウィントンら、豪華な配役が開会式のレッドカーペットに登場し、待ち構えていたファンを喜ばせました。

 例年よりも開幕が遅いのは、5月7日が大統領選挙の最終投票日に当たり、政治的な混乱を配所したから。新大統領フランソワ・オランド氏の就任式が15日に行われましたが、その後、首相に指名されたのは、びっくり、この欄の三大陸映画祭レポートでもお馴染み、ナントのジャン=マルク・エロー市長。二十数年前、市長になったばかりのエローさんに、桂直之さんら日本人プレスの一員として市庁舎に招かれたことを懐かしく思い出しました。

1_2.jpg 開会式を夜に控えた16日の午後、審査員の記者会見が行われました。今年の審査員長は『息子の部屋』でパルム・ドールを受賞、昨年も『ローマ法王の休日』をコンペに出品した映画監督のナンニ・モレッティ。俳優でもあり、映画製作・配給も手がけて いる彼の審査員長は、まさに適任だと思います。審査員は他に監督のアンドレア・アーノルド、アレクサンダー・ペイン、ラウール・ペック、俳優のユワン・マクレガー、女優のダイアン・クルーガー、エマニュエル・ドヴォス、ヒアム・アッバス、デザイナーのジャン=ポール・ゴルチエで、合計9人で22本のコンペ作品を審査します。

 写真上は会場風景。今年はマリリン・モンローの没後50周年にあたり、会場は50年経っても未だに世界のアイドルであり続けるマリリンのイメージで埋め尽くされています。

 写真下は審査員記者会見の模様で、左からエマニュエル・ドヴォス、ナンニ・モレッティ、ダイアン・クルーガー、ジャン=ポール・ゴルチエです。

 

(齋藤敦子)