シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)仙台での上映もあるジェネレーション部門/ベルリン開幕

2013/02/11

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 第63回ベルリン国際映画祭が、2月7日の夜、今年の審査員長ウォン・カーウァイ監督の最新作で、トニー・レオン、チャン・ツィイー主演のアクション映画『グランドマスター』の上映で開幕しました。私にとってのベルリンは11年前に1度来ただけの縁遠い映画祭だったのですが、今回は早くからお誘いを受けたので、思い切って2度目の体験をしてみることにしました。

 最初に驚いたのは上映作品が格段に増えていること。16日の授賞式まで実質8日間の会期で(映画は17日まで上映)、コンペ作品が18本もあり、これは1日3本ずつ見ないと消化できない数です。そのうえ、パノラマ、フォーラムという有名なサブ部門が2つあり、それぞれ50本あまりの作品が上映されますし、3月に第1回ベルリン映画祭 in仙台として、仙台の2か所の会場で一部の作品が上映されることになったジェネレーション部門や、レトロスペクティヴ部門、少数民族の映画や食に関する映画を集めた部門などもあり、見る映画をよほどしっかり選択しないと"映画の森"で迷子になってしまいそうです。

 今年、金熊賞を競うコンペ作品は、ガス・ヴァン・サントの『約束の土地』、スティーヴン・ソダーバーグの『副作用』、3部作の最後を飾る、ウルリヒ・ザイドルの『パラダイス:希望』など。中でも一番の話題作は、テヘランで軟禁状態にあるジャファル・パナヒが、カンボズィヤ・パルトヴィと共同監督した『閉じたカーテン』です。

 パナヒが突然イラン当局に拘束され、長期の拘留の末にやっと解放されたものの、創作活動を禁止された事件とその経過については、この欄でも何度か触れました。『これは映画ではない』という"映画"を撮って抵抗したパナヒですが、今回の作品は、真正面から当局に逆らって作った映画なので、当然のことながらパナヒの出国が認められず、映画祭に出席できないことが大きなニュースになっています。

 写真、コンペ作品の上映が行われるメイン会場のベルリナーレ・パラストです。

(齋藤敦子)