シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)開幕はディカプリオの「ギャツビー」

2013/05/16

cannes_p13_0100.jpg 5月15日夕、第66回カンヌ国際映画祭が開幕しました。開会式の司会を務めるのは、『アメリ』の大ヒットで日本でもお馴染みの女優オドレイ・トトゥ、開幕を飾る作品はバズ・ラーマン監督の『華麗なるギャツビー』です。

 『華麗なるギャツビー』は、誰もがその名を知りながら、誰も素性を知らない謎の男ギャツビーと、彼が一途に愛した人妻デイジーとの悲恋を描いたF・スコット・フィッツジェラルドの小説の6度目の映画化です。前回(74年)の映画化ではギャツビーをロバート・レッドフォード、デイジーをミア・ファロー、語り手のニックをサム・ウォーターストンが演じていましたが、今回はギャツビーにレオナルド・ディカプリオ、デイジーにキャリー・マリガン、ニックにトビー・マグワイアという顔ぶれ。何よりも『ロミオ&ジュリエット』や『ムーラン・ルージュ』といった華麗な映像テクニックで知られるラーマンが、フィッツジェラルドを(しかも3Dで!)映画化するというので、どんな変化球になるのか大いに注目されていたのですが、意外に原作の精神に沿った、けれども、映画というよりはスペクタクルのような作品になっていました。

 今年の審査員長はスティーヴン・スピルバーグ。それに女優ニコール・キッドマン、ヴィディア・バラン、俳優のダニエル・オートイユ、クリストフ・ヴァルツ、監督のアン・リー、クリスティアン・ムンジウ、リン・ラムジー、河瀬直美の9人です。こう見ると、監督と俳優ばかりで、作家や作曲家など、他ジャンルやスタッフの側から映画を判断する人がいないことに気づきます。このことが結果にどう響くのか、楽しみでもあり、心配でもありますが。

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 そして、今年のもう1つの大きな話題は、是枝裕和監督の『そして父になる』と三池崇史監督の『藁の楯』の2本がコンペティション部門に選ばれたことでしょう。去年はコンペに日本映画が1本もなかったのですから、びっくりするほどの変化です。


 三池監督は、昨年コンペ外招待作品として上映された『愛と誠』に続く登場で、期待の大きさが分かりますが、監督も俳優も現れずにファンを寂しがらせた昨年とは違って、監督を始め、主演俳優も揃ってカンヌ入りするそうですから、レッドカーペットを華やかに盛り上げてくれるでしょう。

 写真(上)は15日朝のプレス上映後、すぐに行われた記者会見の模様で、バズ・ラーマン監督(左)と主演のレオナルド・ディカプリオ。写真(下)は審査員記者会見の模様で、左からインドの女優ヴィディア・バラン、スピルバーグ監督、河瀬直美監督です。

(齋藤敦子)