シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)アジアの台風の目。チェン監督の「ILO ILO」/東京フィルメックス始まる。

2013/11/25

2013filmex_p_01_01.jpg 第14回東京フィルメックスが23日、有楽町の朝日ホールで開会式を迎え、オープニング作品のジャ・ジャンクー監督『罪の手ざわり』から12月1日まで9日間の上映が始まりました。『罪の手ざわり』は今年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した『タッチ・オブ・シン(天注定)』の日本語題名で、来春、日本公開が決定しています。

 今年はコンペティション部門、特別招待作品の他に、フランスの名匠ジャン・グレミヨン特集と中村登生誕100年祭の特集が組まれています。開会式で、ディレクターの林加奈子さんが宣言したところによれば、"映画人生をかけて選んだ、ただならぬフィルメックス"だそうです。

 審査員はイラン映画の巨匠モフセン・マフマルバフを長に、フランス人プロデューサーでユニフランス中国代表のイザベル・グラシャンさん、日本から女優の渡辺真起子さん、プロデューサーの松田広子さんの4名。実は昨年のフィルメックスで『私には言いたいことがある』が上映された中国の映画監督イン・リャンさんも審査員に決まっていたのですが、ビザの関係で来日できず、今年はいつもより少ない4名で審査が行われることになりました。

2013filmex_p_01_02.jpg 今年一番の話題作は、何といってもフィルメックスのタレント・キャンパス出身、アンソニー・チェン監督の『ILO ILO
』でしょう。5月のカンヌでカメラ・ドール(新人賞)を受賞したのを皮切りに、アカデミー賞外国語映画賞のシンガポール代表に決定した他、23日夜に行われた台湾金馬奨で、作品賞、新人監督賞、脚本賞、助演女優賞の4冠を達成したばかり。今年のアジア映画の台風の目といってもいい作品です。

 写真上は、開会宣言をする林加奈子ディレクター、写真下は、今年の審査員の顔ぶれで、左からイザベル・グラシャンさん、松田広子さん、マフマルバフ監督、渡辺真起子さん。映画製作を続けるために国外へ出ざるをえなかったマフマルバフ監督は、観客への挨拶で、"中国やイランなど、検閲の問題がある国のことを忘れないでください"と呼びかけました。

(齋藤敦子)