シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)小津、衣笠、山田・・。/日本映画を多様に楽しめる年に

2014/02/10


2014berlin_p_01_01.jpg 2月6日から第64回ベルリン国際映画祭が開催されています。今年のオープニングはウェス・アンダーソンの新作『グランド・ブタペスト・ホテル』。第二次大戦前の由緒ある豪華ホテルを舞台にした作品で、主演のレイフ・ファインズ始め、ティルダ・スウィントン、ジェフ・ゴールドブルムら豪華なキャストがレッドカーペットに登場し、会場を盛り上げたようです。

 今年はコンペティション部門に山田洋次監督の『小さいおうち』がエントリーし、話題になっていますが、他にも、短編コンペ部門で水江未来監督の『WONDER』と水尻自子監督の『かまくら』の2本のアニメ作品、パノラマ部門で久保田直監督の『家路』、フォーラム部門で坂本あゆみ監督の『FORMA』、ジェネレーションKplus部門で杉田真一監督の『人の望みの喜びよ』、ジェネレーション14plus短編部門で2014berlin_p_01_02.jpg平林勇監督の『SOLITON』と大須賀政裕監督の『リゾーム』が上映されます。

 今年は最新作ばかりでなく、日本映画の古典的名作も数多く紹介され、日本映画を幅広く楽しめる年になりました。まず、クラシック部門ではデジタル修復によって蘇った小津安二郎監督の『秋日和』がプレミア上映されますし、宮尾大輔氏がアメリカで出版した<Aesthetics of Shadow(陰の美学)>という日本映画に関する著作にヒントを得た回顧特集では衣笠貞之助監督の『十字路』や田坂具隆監督の『五人の斥候兵』といった歴史的名作が上映されます。また、フォーラム部門では、昨年11月に東京フィルメックスで上映された英語字幕付きの35ミリニュープリントで、『我が家は楽し』、『土砂降り』、『夜の片鱗』の3本が上映されます。

 写真上は主会場のベルリナーレ・パラスト。いつもはミュージカルを専門に上映する劇場ですが、映画祭期間中は会場に入るスターを見ようと、多くのファンが詰めかけます。
 写真下は8日夜、『土砂降り』の上映前に挨拶されるご子息の中村好夫氏。日本以外の国で中村登作品が3本同時に上映されるのは初めてとのことです。

ベルリン国際映画祭公式サイト

(齋藤敦子)