シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(3)若い世代と「震災」/杉田監督の「人の望みの喜びよ」

2014/02/14

2014berlin_p_03_01.jpg 映画祭の中日にあたる11日に、震災をテーマにした日本映画が2本上映されました。ジェネレーション部門の『人の望みの喜びよ』と、パノラマ部門の『家路』です。

 ジェネレーション部門というのは、青少年向けの作品を集めたセクションで、上映会場には学校参観の小学生が大勢詰めかけ、上映後のQ&Aにも積極的に参加しているのが微笑ましかったです。

 杉田真一監督の『人の望みの喜びよ』は、震災で両親を失った少女が、両親を救えなかった罪悪感と、何も知らない弟への責任感で悩む姿を描いた作品。主人公が観客と同年代であり、主人公の視点でシンプルに描かれていることがこの部門向きと評価されたようです。ただし、撮影は被災地ではなく雲仙で行われており、具体的な地域を特定するのを避けています。

2014berlin_p_03_02.jpg パノラマはコンペを補完する、カンヌのある視点にあたる部門です。久保田直監督の『家路』は、長い間失踪していた弟が、原発事故で立入禁止区域に指定された故郷の家に舞い戻り、見捨てられた田を耕し始めたことがきっかけで、バラバラになっていた家族が再生していくというストーリー。兄を内野聖陽、弟を松山ケンイチが演じています。上映後のQ&Aでの印象では、フクシマへの関心ももちろんですが、日本映画好きな観客が多く来ていたようで、昔から日本映画を数長く紹介してきたベルリンらしいと思いました。

 写真上は『人の望みの喜びよ』の上映後のQ&Aで観客の質問に答える杉田真一監督。
 写真下は『家路』の上映後に行われた取材の模様で、記者からの質問に答える久保田直監督と内野聖陽さんです。

(齋藤敦子)