シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(8)ガッツで平和を描く/サダト監督の「狼と羊」がアート・シネマ賞

2016/05/23

2016_08_01cannes_photo.jpg 監督週間で、アフガニスタンの『狼と羊』という映画を見ました。監督のシャフルバノー・サダトはアフガニスタン初の女性監督で、これが長編デビュー。まだ26歳の若さです。映画は戦争前のアフガニスタンの村を舞台に、子供たちの毎日をスケッチ風に描いたもので、特に大きなストーリーはありません。上映後の監督とのQ&Aによれば、戦争のない、平和な時代の人々の暮らしを描きたかったとのこと。それでも最後は戦火が迫って村を捨てて逃げ出すところで終わっています。20日に発表になった監督週間部門の賞で、『狼と羊』は見事1席にあたるアート・シネマ賞を受賞しました。

 写真は上映後のQ&Aの模様で、この映画をアフガニスタンの人は見たのかという質問に、以前は野外映画館があったが、今は駐車場になってしまい、映画館自体がないので、上映するとしたら大使館や集会所を使わせてもらうことになる。テレビで放映するにしても放映料を払わなければならないので不可能、とのことでした。困難な状況の下で映画を撮り続けようとするサダト監督は、体は小さいが大きなガッツを持った女性でした。

(齋藤敦子)