シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(9)テーマ性に高い評価/深田監督の「淵に立つ」にある視点部門審査員賞

2016/05/24

2016_09_01cannes_photo.jpg 5月21日の夜、ある視点部門の授賞式が行われ、深田晃司監督の『淵に立つ』が見事2席の審査員賞を受賞しました。もう1本の日本映画『海よりもまだ深く』は、是枝裕和監督の抜群の知名度と、昨年ある視点のオープニング作品だった『あん』での名演がカンヌでも評判だった樹木希林さんの出演とあって、多くの観客を集めて大変な人気でしたが、女優のマルト・ケラーを長とする審査員は、地味ながら強いテーマを持った『淵に立つ』の方を高く評価してくれました。

 1席の『オリ・マキの人生で一番幸せな日』は、1962年の夏、ヘルシンキで行われるフェザー級タイトル・マッチを目前に、恋に落ちてしまうボクサーをモノクロームで描いた作品だそうですが、残念ながら未見。

 特別賞の『レッドタートル ある島の物語』はオランダのアニメーター、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督の10年に及ぶ努力の成果で、日本のスタジオジブリが制作にかかわっています。

 写真は、授賞式後の壇上で握手をかわす深田監督とデュドク・ドゥ・ヴィット監督。

●ある視点部門受賞結果

 ある視点賞:「オリ・マキの人生で一番幸せな日」ユホ・クオウスマネン
 審査員賞:「淵に立つ」深田晃司
 監督賞:マット・ロス「キャプテン・ファンタスティック」
 脚本賞:デルフィーヌ・クーラン&ミュリエル・クーラン「ストップオーバー」
 特別賞:「レッドタートル ある島の物語」マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット

(齋藤敦子)