シネマに包まれて-映画祭報告

presented by 河北新報

(1)オープニングは「ジャンゴ」/ベルリン開幕

2017/02/11

berlin_opening.jpg 第67回ベルリン国際映画祭が2月8日夜、オープニング作品のフランス映画『ジャンゴ』の上映から始まりました。世界的に有名なスウィング・ジャズのギタリストで作曲家ジャンゴ・ラインハルトの生涯を第二次大戦下、ナチによる民族迫害の時代に焦点を当てて描いた作品です。

 今年の審査員長は、昨年のカンヌに久々の新作『エル』を出品し、過激な内容で話題を呼び、主演のイザベル・ユペールがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、意気軒昂なポール・ヴァーホーヴェン。それにアメリカの女優マギー・ギレンホール、メキシコの俳優ディエゴ・ルナ、『トゥヤーの結婚』の監督ワン・シュアンアンら6名の審査員を合わせた7名で審査が行われます。

 日本からは、コンペ部門にSABUの『ミスター・ロン』、パノラマ部門に荻上直子の『彼らが本気で編むときは、』、フォーラム部門に石井裕也の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』と吉田光希の『三つの光』、批評家週間部門に行定勲の『ジムノペディに乱れる』が出品されるなど、各部門で日本映画が紹介されています。

 オープニングの夜、ベルリンに着いてホテルのニュースを見たところ、今年の映画祭は"ポリティカルな年"だとか。詳しい内容はドイツ語なので分かりませんでしたが、東側からの影響にさらされやすいベルリン映画祭は、成り立ちも含めて政治問題で揺れ動いてきた過去があります。特に、今年は新年早々のドナルド・トランプ氏のアメリカ大統領就任から、世界がいっそう激しく揺れ出したように思えます。とりわけヨーロッパ社会は、5月のフランス大統領選挙を控えて、波乱含みの様相。映像作家が自分の思想や考察を映像を使って表現したものが映画。時代の動きに敏感な作家たちがどんな作品を生み出しているのか、じっくり見ていきたいと思います。

 

(齋藤敦子)