第127話について

『第127話 土の城 石の城』

これを描く前に小田原に行ってきました。
小田原市役所のお二方、ありがとうございました。
自分たちだけで回ったら、こんなにいろんなことが見えてはこなかったでしょう。
gaku127_1.jpg

小田原の土塁のスケールには本当に驚きました。
まず、南奥州の土塁と角度が違います。
こっちの土塁は山砂。小田原は関東ローム層の粘土です。
頂いた資料では角度は50度内外とありましたが、見上げた感じでは垂直にさえ感じます。
高さもある。しかも障子堀もあり。
これを越えて攻め込むのは無理だと実感します。

歩いた中で気がついたのは、粘土質の堀の中での音の反射です。
石垣山城と小田原城の間にあるスポーツ広場みたいなところで、イベントがあるとどの辺まで
音が聞こえているのかをおたずねしてみました。
その結果として、石垣山での石を割る音は小田原城まで聞こえている、
夜間の作業の焔は見えている、と考えて描いています。

 同時に、風が籠るのも感じました。

『小田原市史 通史編 原始 古代 中世』(平成10年3月 小田原市)913頁によると、
小田原城の籠城状態は、10平米あたり1,8人程度。これはきつい。
臭いもこもり、石垣山城の音も聞こえてくる。ひどいストレスでしょう。

早川を挟むこと三キロ。

過去最大、北条の土の城と東国最初の、
関白秀吉の石の城がにらみ合っている。




安宅船                                          gaku127-03.jpg                                                                                                    
安宅船です
また地図と図面から起こす難しい絵だ。
安宅船の航路と陸地からの
距離を、だいたいこんなかなーと
考えながら、カシミール3Dで地形
を確認してゆきます。
安宅船の周りには小早船を配した...
つもりです。
この、陸地の形を確認するので時間を取ってしまいました。
安宅船も、模型を見に行けたら良かったんだけれどできず、図面から描いています。
結果として、櫓が出ている穴の構造と、索縄のところが甘い。




船の図面ってよく見ますが、腹から見た図はなかなかないんですよね。

小田原北条氏が早くから小早舟を手配していた云々も、小田原市史からです。