最近出た本を3冊

・『粟の巣の変-伊達輝宗-と畠山義継の死』 武水しぎの
・『東北の名城を歩く 南東北編』 飯村仁 室野秀文 編 吉川弘文館 2017年9月
・『白石家戦陣略記 完―登米伊達戦国合戦録―登米家資料代3集』 野村紘一郎編集 日野廣生発行 2017年9月

性格の違う3冊を、順にご紹介、推薦します。


・『粟の巣の変-伊達輝宗-と畠山義継の死』武水しぎの
政宗のある特定の事件について、事件の名前は知っているけれど、gaku-0922-11.jpg
どういうことだったのかをできれば物語で知りたい。背景となる歴史情報に触れたい。できれば資料原文もちょっと見てみたい、という望みが、この1冊、216ページで全部かないます。
しかもテーマは独眼竜政宗の父、輝宗の横死。あの事件です。
最初に読んだのは伊達成実アンソロジー『余るも夢の』に掲載された小説と考察でした。その後、武水さんのあの「成実三昧」で輝宗の死についての考察が増えてゆくのを見ていて、どうにかしてこれが一冊にまとまった本が欲しいと熱望し、お願いもし、「地図はillustratorが便利ですよー」とか言ったり、ついに執筆が始まって図版でお困りの様子を側聞すると、通りすがりの旅の絵師に変装して「粟の巣の挿絵要らんかえ~」など売り声しつつ電子的に通りかかったりしていました。
それほど読みたかった本です。
資料から立ち上る物語、そこから現代に立ち返ったときに、断ち切られたような激しいショックを感じます。そういう迫力の本です。これは読まないとわからない。
内容は、望んだ以上です。世に勧めずにおくべきかは。
小説で全体像をつかむと資料まで持っていかれます。

ライトノベルではないので、ページ数に比べてゆっくり、しかも繰り返し読みたい本です。
ですので、これは買ってお手元に置くのがよろしいかと。ぜひぜひお買い求めを。

「粟の巣の変 伊達輝宗と畠山義継の死」新書版216p ¥1000
通販は、メールアドレス info@o-yasan.jp  武水しぎの まで。送料は1冊の場合¥164、クリックポストでの発送です。
BOOTH https://kashigen.booth.pm/ からもお申し込みできます。


・『東北の名城を歩く 南東北編』
飯村仁 室野秀文 編 吉川弘文館 2017年9月
マンガや小説を読むうちに、中世城郭に行ってみたくなる人、gaku-0922-2.jpg
あるいは、城郭史のデータを入れなおしたい人におすすめです。
A5版で、表紙が柔らかいので現場に持って行って頁をめくりながら動けます。
ハードカバーって、現場向きではないので。
サイズのわりに縄張り図、地図、写真が大きく、読んで楽しく使って便利、資料としては買っておけ、という3拍子。
2500円プラス税です。


城そのものの情報に加え、周辺の歴史、近隣の歴史施設の紹介もあります。
それぞれの城に執筆者の名前と資料名があるのも、その先を調べたい人にも有難い構成です。
こういうところが吉川弘文館だなあ。
10月には北東北編が出る予定とあります。

※クマ、イノシシ、猿、ダニ、ヒルのよけかたなどちょこっとあったらうれしいです。あ、これ感想のお葉書出そうかな。



・『白石家戦陣略記 完―登米伊達戦国合戦録―登米家資料代3集』
野村紘一郎編集 日野廣生発行 2017年9月
登米伊達家に伝わっている『白石家先陣略記』の翻刻と解説、gaku-0922-3.jpg
付編として登米伊達家臣録、別刷りの大型カラー絵図が宝永年間登米伊達家居館並びに家中屋敷です。
伊達治家記録とは異同のある白石家文書を、過去翻刻の史料と照らし合わせて精査して、読み下し、他の史料との比較、意味も解説してあります。
大坂の陣での覚書や、宇和島城受け取りの記録もあって、初めて南国を見たときの記述などは新鮮です。

さらに言うと、フォントと文字組がとても読みやすいです。
これってとても大事なことです。

これは入門編ではなく、資料を楽しんだり使ったりする人におすすめです。

頒価6000円は手軽な値段ではありませんが、価格の後ろの※本書の売上金は続巻費用に充てさせていただきます。にもご注目ください。
問い合わせ先
株式会社とよま振興公社
987ー0702
宮城県登米市登米町寺池桜小路6番地 ℡(0220)52-2496