第147話について

『第147話 鶺鴒(せきれい)の目』

gaku-0223.jpg 政宗は前田利家の家臣から一揆の発生を知らされました。
地元の有力大名の面目丸つぶれです。
この時期、大崎義隆は京で復領運動中で大崎にはいません。
かつて大崎合戦の時に大崎氏と対立した氏家弾正はもう亡くなっています。
もともと独立心が強くて離合集散を繰り返していた大崎衆が、リーダー不在のまま一揆に突入してしまいました。

蒲生氏郷が政宗を疑う

大崎旧臣には一揆を始めたものの困ってしまった城主もいます。
発生直後、11月の初旬から、彼らは政宗と留守政景を頼って伊達に降伏します。
最初から政宗を警戒して奥州に入ってきた蒲生氏郷は、政宗と一揆衆が通じているのではないかと疑って、名生城に籠城です。

政宗は木村救出に立て続けに城を抜きますが、これも激戦の果てでなく、一揆の城が降伏してきて(22日高清水城)、政宗が城主らに腹を切らせようとするもさらに詫びを入れ、籠城衆ごとすべて許されたりしています(高清水に続いて宮沢城)。
氏郷はさらに政宗を疑います。そりゃそうだよね。

現在よく言われる説に、大崎葛西一揆は「政宗が仕掛け、バレたから一揆衆を裏切った」という解釈があります。
政宗や秀吉、木村吉清を悪者にすれば、お話としては悲劇としてわかりやすくなりますが、その分真相から遠のく気がします。

こいつは困った、鶺鴒の目!

有名な鶺鴒の花押のお話です。
政宗が偽書状を警戒し、本物の書状にだけ鶺鴒の花押の目のところに針穴をあけていた、という逸話。
仙台市史編纂の中で、数千点調べられた政宗書状の中に、針穴の開いている花押が一つもない、という事実から、この逸話が事実とは違うことがわかりました。 でもこれ、まだそんなに広くは知れ渡ってはいないみたい。
で、一応マンガでもこれは触れておこうかな、と思いました。
この針孔の話が載っているのは前にも紹介しましたが、『氏郷記』です。
困ったというのは、『氏郷記』もずっと後、江戸時代の本なので、蒲生氏郷監修という訳じゃない。(...もし蒲生氏郷監修で、さらにサイン本だったらどんなに売れるだろう...と、ふと思う)花押の針孔の話は氏郷だって知らないと思った方がいいんじゃないか。
もちろん政宗だって知りやしないし、反発もしないでしょう。
...でもここで秘儀時代越えが発生し、マンガはこのような展開となったのでした。

氏郷は肖像画から描いたのですが、特徴のあるもみあげ、それから、目と目の間が離れているんですね。