番外 雑記 仙台、公園の情景4つ

災害のさなかにあったとき、どうすれば落ち着けるか色々ためしました。
それまでに見たきれいな情景を思い出すのはよかったです。
仙台で見てきたきれいな情景をお送りしましょう。


1983年かなあ。
シャンソン歌手のコラ・ヴォケールが仙台公演の時、聞きに行きました。
コラは多分65歳。コンサートでは『紅の豚』にも出てくる「サクランボの実るころ」も歌ったと思います。
次の朝、バスで西公園を通りかかったら、あ、コラがいる!
真っ白い髪は短いボブカット。
白い、あの長さであの軽さはカシミヤだろうな、長いコートを着て、落ち葉を拾って遊んでいる。
プラタナスの落ち葉に大きな穴が開いているのを拾って、ドミノみたいに目にあてて、くるくる回っている。白いコートが翻って、そのうえにくるくる落ち葉が舞い落ちる。
バスの運転手さんにお願いしてここで止めて降ろしてもらおうかと思いました。
昨日の唄がとても素敵だったと伝えようとおもった、けど、えーとフランス語はかなりさぼっていました。ちゃんと言えるかな。どうしよう。
バスはそのまま遠ざかってしまいました。
その夕方に、NHKのニュース番組で、シャンソンに字幕を付ける試みについて、コラのインタビューが出てきました。西公園で遊んでいる姿もありました。取材だったのか。
でも、コラは本当に遊んでいたように見えました。
金色の落ち葉の下、白いコートを翻して、大きな枯葉の穴から西公園をのぞいて、くるくる回っていた年取ったシャンソン歌手の姿。
仙台の晩秋の情景です。

次は、ある公園のお向かいのパン屋さん。
ガラスの陳列棚越しに公園が見え、お日様が差し込み、奥からはいい香りとともに次々にいろんなパンが運ばれてくる。
小さな男の子とお父さんがパンを選んでいる。奥からお店の主人が出てきて、「お久しぶり、今日は奥様は?」「病院なんです」「え?」「今日、生まれるんです。」みんなでにっこり。
いろんなパンは、お土産なのかな。待っている間に食べるのかな。

次は市役所前の広場の光景。大きめの公衆トイレがある。
赤ちゃんを抱っこしたお母さんが、幼稚園前くらいの男の子と手をつないでいる。
男の子が手を放して「ぼくは、おとこのトイレに行く」と決然と去る。
見送るお母さん。これも旅立ちですね。

最後は、朝の通勤時間。勾当台公園近くの横断歩道。
あっちから渡ってくるのは、出勤の若い男性に手を引かれた、ええ?ピンクの兎?
あーびっくりした。小さい子用には、全身着ぐるみみたいな服があるんですね。
すれ違う時に見えたのは、おでこに冷却シート、口にはマスク。涙目。
あー、熱出しちゃって、お父さんが出勤前に病院に連れて行くんですね。
かわいそう。だけど、涙目に冷却シートとマスクのピンクの兎はかわいらしかったです。

仙台の公園の情景を4つ、お届けしました。