この漫画と電子版誕生のわけ

 こんにちは
 この漫画を描いている千葉真弓です。
 『独眼竜政宗』は、2011年9月から新しく始まった河北新報日曜版「かほピョンこども新聞」に描きおろし連載中です。掲載は2週間に1回1頁。
 本当は4月から始まる予定だったのです。 

 こども新聞誕生直前に、あの震災が起きました。 
 食器や家具の破片、水浸しの本を片付ける日々のなかで、私はなんとか絵を描こうとし ましたが、なかなか描けません。沢山の人が死ぬ戦の絵をこども新聞に描いていいのか、考えがまとまりません。気づかないうちに歯を食いしばり、こぶしを 握っているらしく、鉛筆を握ると激しい痛みが走ります。ふと、かほピョンこども新聞は、生まれることなく消えてしまうのではないか、という思いがよぎりま す。

 ようやく河北新報を訪ねることができたのは、311からひと月以上経ってからです。被災下の編集部も制作部も、「こんな時だからこそ被災地のこどもたちに、こどものための新聞を」、と巻き返す準備をしています。私も連載の準備を続けることにしました。   
 連載開始が遅れた半年の間、震災後のこどものために、どんな漫画がいいのか考えました。当初の企画意図は、政宗を描くことでこども読者にもわかりやすく東北をざっと紹介しようというものでした。いまは、日本史年表に載らないような、地域の歴史も描いています。

 震災で、図書館が無くなったり、物語のある古木や大きな石、お寺や神社、町そのものが無くなったりして、歴史を思い出す手がかりが減ってしまいました。でも、歴史そのものが消えたわけではありません。
 カラー漫画だったら、町の歴史を生き生き描けるかもしれません。
 あれから2年たち、河北新報が届かない遠くに引っ越していかれた方もおいでです。それで、今度はデジタル編集部のみなさんがこのHPを作ってくれました。

 漫画ですから、ぜひ楽しく読んでもらいたいなあと思います。そして、できれば、少しでもみなさんの心のお役にたちますように、と、願っています。


2013年5月