2011年2月アーカイブ

 <施設に入所してから数年を経て、摂食ができなくなると病院で胃ろうを増設され、また施設に戻る繰り返しです。胃ろうの方ばかりのケア介護に追われ、そのほかの利用者に手が回らなくなっています>
 <施設に戻るために胃ろうの増設にサインするご家族の気持ちもよく分かります。でも、人としてそれでいいのでしょうか?>
 河北新報社と広南病院(仙台市太白区)が実施した遷延(せんえん)性意識障害に関する調査の用紙に、介護老人保健施設の看護師がチューブで栄養物を胃に送る「胃ろう」について正直な思いを記していた。

(2011/02/09)

 河北新報社と広南病院(仙台市太白区)が行った遷延(せんえん)性意識障害の実態調査で、在宅で療養している患者は105人、全体の1割だった。
 在宅の患者を地域で支えるのが「在宅療養支援診療所」。往診や訪問介護を実施する診療所で、2006年度の医療制度改革で新設された。病床の削減や入院日数短縮を進める国が、患者の受け皿として期待する。

(2011/02/08)

 特別養護老人ホーム(特養)との垣根が低くなっていると指摘される介護老人保健施設(老健)。その現状をどう受け止めているのか。私たちは別の老健施設も訪ねた。
 「在宅介護が無理な人に、在宅に近い形で最期を迎えられるようにしてあげたいという点では、老健も特養も変わりません」
 宮城県川崎町にある「アルパイン川崎」の施設長佐竹恵子さん(64)が話した。
 アルパイン川崎は、河北新報社と広南病院(仙台市太白区)が実施した実態調査で、遷延(せんえん)性意識障害の入所者を「9人」と答えた。原因別では5人が脳卒中。「その他」の4人について、佐竹さんは「認知症が進んで意思表示や反応がなくなった方々です」と説明した。
 大半が5年以上、入所しているという。「特養は100人待ちがざら。(特養は医療職が少ないので)たんの吸引や経管栄養が必要な人は、なおさら入所できないでしょう」

(2011/02/07)

 気仙沼市の介護老人保健施設(老健)の療養室。ベッドであおむけに眠る女性の掛け布団の端に、アニメキャラクターの小さなぬいぐるみが二つ載っている。
 首を左右どちら側に傾けても視界に入る位置にある。「目覚めたとき、ぬいぐるみがあると笑ったような顔を見せてくれるんです」。療養棟を案内した事務長の男性(36)が説明した。
 女性は、河北新報社と広南病院(仙台市太白区)が行った実態調査で、施設が「19人」と回答した遷延(せんえん)性意識障害の入所者の一人。普段ほとんど身動きせず、声も出さないという。19人のうち14人は脳卒中、5人は心疾患が原因だ。


(2011/02/07)

 河北新報社と広南病院(仙台市太白区)が実施した遷延(せんえん)性意識障害の実態調査で、一つの傾向として際立っていたのは、原因別で脳卒中が圧倒的に多いことだった。全体の63.6%に上り、50代以上の主要因になっていた。
 脳卒中による脳の障害はどれだけ深刻なのか。私たちは、調査に回答を寄せた大崎市古川の片倉病院を訪ねた。

(2011/02/05)

 仙台市青葉区の早坂愛生会病院で、広南病院(太白区)院長の藤原悟さん(61)=日本意識障害学会理事=と1月中旬に実施した追跡調査は約3時間に及んだ。
 「軽度の方が多いと考えていたが、医療の必要性の高い患者がほとんど。医師も看護師も気の休まる暇がないのではないか」
 病院が持つ52床の大半が重い障害を抱える高齢者で埋まっていることに、藤原さんは驚きを隠さなかった。

(2011/02/03)

 河北新報社と広南病院(仙台市太白区)の共同調査で、宮城県に「植物状態」とも呼ばれる遷延(せんえん)性意識障害とそれに準ずる状態の患者が計968人いることが判明した。病院、介護老人保健施設、在宅療養支援診療所の医師やスタッフは、どのような問題を抱えながら、患者や家族と日々向き合っているのか。224施設から寄せられた回答を足掛かりに、現場の実情を追う。
(「いのちの地平」取材班)=第3部は7回続き。

(2011/02/02)