移民の国(下) 元の国に帰れ

 去る7月14日、トランプ米国大統領は民主党の革新系女性議員に対して「元々いた国に帰って、壊れた国を直すのを手伝ったら」とツイート。さらに「米国が嫌なら出て行って構わない」と発言しました。

 トランプ氏が念頭に置くのは米国籍の4人の女性野党議員。プエルトリコ系のオカシオコルテス氏、パレスチナ系のトレイブ氏、アフリカ系プレスリー氏、ソマリア難民で米国籍を取得したオマール氏。

 そして、17日にノースカロライナ州で開いた選挙集会( rally )で、さらにオマール議員への攻撃を続け、会場に詰めかけた支持者は" Send her back! "(彼女を送り返せ!)と大合唱( chant )。その映像は全世界を駆け巡りました。

 CNNのTV放送でこの rally を目の当たりにした私は、ふと思ったのです。「ここは果たしてアメリカなのだろうか」と。

 アメリカ合衆国を大国にしたのは「多様性( diversity )と寛容( tolerance )」でした。多くの移民を受け容れ、その多様性を原動力として発展してきたはず。だとすれば、トランプ政権のありようはまさにそれに逆行すると言わざるを得ません。中南米系移民への苛酷な仕打ちしかりです。

 そう言えば、ファースト・レディのメラニア夫人はユーゴスラビア(現スロベニア)出身の移民。夫トランプの移民政策には批判的とされています。" Send her back! "を彼女はどのような気持ちで聞いたのでしょう。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)