川柳(9/1掲載)

【水戸一志 選/評】

◎炎天下、路面からの照り返しを受けて全身が焼け付きそうなとき、影はその熱い地面にへばりついて今にも溶けてしまいそう。かわいそうな身代わりに見える。人間を詠む川柳は影と相性がよい。分身、別像、不即不離という憎めない相手である。

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◎ 炎天下歩くと影が溶けそうだ  (石巻市築山・飯田駄骨)

  日韓の不仲ボタンの掛け違い  (石巻市鹿又・遠藤錬治)

  ただ空気吸って百歳意味がない  (石巻市桃生町・高橋冠)

  台風の気性が知れぬねじれ様  (石巻市桃生町・忖度放恣)

  庭トマト観賞用が食べごろに  (石巻市鹿妻南・佐々木みどり)

  飯田口説(くどき)よ於節とならばどこまでも  (東松島市矢本・奥田和衛)

  鏡みて何度もつまむ取れぬごみ  (東松島市矢本・遠藤恵子)

  順不同名前見つけてホッとする  (石巻市蛇田・鈴木醉蝶)