敬老の日

 「敬老の日」だった16日、長寿を祝ってさまざまな会が催されました。「長幼の序」を重んじる日本社会ならでは行事と言えるでしょう。この言葉を生んだ儒教の国・中国ではどうか不明ですが。

 英語圏においてこの習わしはありませんが、目上の人に敬意を払うというのは洋の東西を問いません。" respect your elders "(目上の人を尊敬しなさい)という慣用表現もあるくらいです。この elder は「年上の」「年長者」という意味で、語源の上では old に近い言葉です。また、elderly も同じような意味を表します。

 さて、アメリカの文豪・ヘミングウェイの代表作" The Old Man and the Sea "は「老人と海」と和訳されています。old man はまさに日本語の「老人」に近い語感を持つ言葉です。

 日本語には「老人」に代わる表現として、「年寄り」「年配」「高齢者」などがあります。このうち、最近よく聞くのが「高齢者」そして「中高年」、さらには「シニア」。

 「中高年」を英語では middle-aged and elderly などと表します。「シニア」は「年上」「先輩」などを意味する英語 senior ですが、これを用いた senior citizen という言葉が実に魅力的です。直訳すると「年長の市民」。いくら年をとっても「一人の敬うべき市民」...何という素晴らしい発想でしょう。

 「敬老の日」の英訳例の一つは Respect-for-the-Aged Day です。

 そういう私も高齢者。尊敬される elder(ly) にならないと...。

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)