にんげんだもの 相田みつをの言葉

 蔵王連峰の麓の大河原町。35年前、隣の白石市の高校に勤めていた私は、この町の禅寺の暁天坐禅に通うようになりました。その坐禅堂の入り口にそっと掛けてあったのが「相田みつを 日めくりカレンダー」です。

 「花は ただ咲く ただひたすらに ただになれない 人間のわたし」

 この思いがけない出合いがご縁となって、私はみつをさんの世界に誘われました。これまで、つまずいたり迷った時に、その言葉にどれほど救われたことか。

 東京の有楽町にある相田みつを美術館には海外からも多くのファンが訪れるようになり、展示の書のそばには英訳が添えられています。含蓄のあるみつをさんの言葉を英訳するのはまさに至難の技。

 たとえば代表的な「つまずいたっていいじゃないか にんげんだもの」をどう訳すか...未熟ながら大津訳を紹介します。

 「つまずく」は stumble、ただし「ミスをする」とも解釈できますから make mistakes。「いいじゃないか」は「人間だもの」とつなげて、「人間はつまずいたりミスをする可能性がある」とします。

 We are humans.(私たちは人間です)
 Humans can stumble or make mistakes.(人間というものはつまずいたり間違いをすることがある)
 そして、
 We are humans after all.(結局は人間だから)

 まとめて一つの文にすると、以下のようになります。
 We are humans. Humans can stumble or make mistakes. We are humans after all.

大津幸一さん(大津イングリッシュ・スタジオ主宰)