NIEQ&A(9)NIEにおけるメディアリテラシーとは?

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Q9:「メディアリテラシー」という言葉をよく耳にしますが,NIEの視点からメディアリテラシーをどのように考えますか?

A9:情報は,多種多様なメディアによって私たちの目や耳に入ってきます。例えば,本,テレビ,ラジオ,新聞,広告,郵便物,電話などです。最近では,インターネットや電子メールが急速に普及し,携帯電話からも手軽に利用できるようになりました。しかし,情報発信が便利になればなるほど大量の情報が溢れるので,本当に必要な価値ある情報を効率よく検索・選択するのは容易ではありません。また,せっかく手に入れた情報が必ずしも信頼できるものとは限らないのです。カメラ付き携帯によるいたずらメールのように,情報が一人歩きしてしまったり,犯罪に使われてしまったりもするのです。
 したがって,情報を鵜呑みにしたり情報に安易に流されたりせず,メディアの特性を十分に理解し,主体的に活用できるようにするメディアリテラシー教育が望まれます。
 活字メディアを代表する新聞は,映像メディアであるテレビとともに,わたしたちの主要な情報源として世論に大きな影響力を持っています。新聞を読みこなし活用できる力は,社会で生きていく上で欠かせない力であり,NIEはメディアリテラシーを向上させるのに大きな役割を果たせるものと考えます。NIEから見たメディアリテラシーを,以下の3つの力として押さえてみました。

(1)「メディアを選ぶ力」
 社会的に影響力の大きいマスメディアを代表する新聞の持つ特性を理解し,情報入手の一手段として新聞を活用することができる力。
(2)「メディアを読み解く力」
 新聞記事の内容をまるごと鵜呑みにせず,記事の背景を理解し複数の情報を比較・検討するなどして自分の頭で主体的に考え判断できる力。
(3)「メディアを使って情報を発信できる力」
 新聞に投書したり新聞を作ったりするなどして,自分の持つ情報を発信して他者とコミュニケーションできる力。

 (2)の「メディアを読み解く力」に必要不可欠なのが,「クリティカル・シンキング」です。「クリティカル・シンキング」は「批判的思考」と訳されますが,全て否定的にとらえるという意味ではありません。「適切な規準や根拠に基づく,論理的で偏りのない思考」であり,問題や情報,その処理過程,結果等の「妥当性の吟味・評価」を担う思考を指します。そのクリティカル・シンキングの基になるのが「クリティカル・リーディング」(批判的読み)であり,NIEで以前から重視されている新聞の複数紙の読み比べがまさにこれに該当します。
 新聞では,事実と意見が明確に区別されており,文字情報であるがゆえにじっくり読み返しができるので,深く思考するのに適しています。教育現場では,テレビを中心にメディアリテラシー教育の実践が進んでいるようですが,新聞もメディアリテラシーを高めるのに有効であると考えます。

仙台市立黒松小学校 教諭 今藤正彦


このブログ記事について

このページは、宮城県小学校NIE実践グループが2009年8月17日 13:55に書いたブログ記事です。

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