6年総合(NIEによるメディアリテラシーの育成)

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 平成14年11月26日,仙台市立長命ヶ丘小学校6年1組で,メディアリテラシーの育成を目指したNIEの授業を実践しました。教科領域は総合的な学習の時間で,単元名は「共に生きるわたしたち-長命ヶ丘バリアフリー調査」です。ねらいは,以下の3つです。

(1)バリアフリーの視点から長命ヶ丘を見直し,高齢者や障害者も共によりよく生活できる地域社会の在り方について考えを深める授業を実践する。
(2)団地内のバリアフリー施設等を取材して新聞を作り情報を発信する活動を通して,メディアリテラシーの基礎を培う授業を実践・検証する。
(3)活動計画に情報活用能力を含めた評価規準を位置付けることにより,指導・支援に役立てる。

 なお,本実践は,仙台市教育センター調査研究事業の一環として行われ,平成15年度宮城県NIE研究大会で発表したものです。

指導案はこちらをご覧ください。 nie2002sougou6nen.pdf

 宮城県NIE推進委員会小学校部会実践事例集「やってみようNIE2004」掲載

実践者名 仙台市立長命ヶ丘小学校(実践当時) 教諭 今藤正彦

以下は,事後の考察です。

(1)メディアを選ぶ力
 本学級児童は,5年生から新聞記事の切り抜きや新聞作りに取り組んでおり、新聞に慣れ親しんでいる。また,新聞社の方をゲストティーチャーとして招き,新聞の機能や特性などについても学習してきている。
 本単元では,インターネットにより新聞社の新聞記事データベースを利用し「バリアフリー」をキーワードに記事を検索した。また,イメージデータで印刷し,感想を記入して廊下に掲示することで情報を共有化した。
 新聞は情報の宝庫であり,特に地元新聞社のデータベースからは児童に身近な地域の情報を瞬時に検索できて非常に便利である。新聞記事の活用は,キャップハンディ体験とともに,児童のバリアフリーに対する問題意識を高める上で有効であった。

(2)メディアを読み解く力
  本時では,5つのグループの新聞を読み比べたことにより,同じ条件で新聞を作っても情報の送り手の意図によって発信した情報の内容に違いが出てくることに気付いた。例えば,「長命ヶ丘はバリアフリーが多い」と記事にした新聞がある一方で,バリアの多さに目を向けた新聞もあった。また,同じ取材先でもインタビューした人が異なったため回答が違っていたケースも見られた。
 こうした比較読みを通して,児童は情報の客観性や信頼性に目を向けた。このことは,新聞記事の内容をまるごと鵜呑みにせず,記事の背景を理解し複数の情報を比較・検討するなどして自分の頭で主体的に考え判断できる力,すなわちメディアリテラシーの基礎となる批判的思考力(クリティカルシンキング)の向上につながったものと考える。

(3)メディアを使って情報を発信できる力
  新聞を作るために取材計画を立て,デジタルカメラも活用しながら自分の目で確かめたりインタビューしたりして取材活動を行った。そして,見出しやレイアウトを工夫し,事実と意見を区別して読み手にわかりやすい新聞作成に取り組んだ。
 その際,取材した情報をすべて記事にできないことから,メディアの報道には捨てられた情報が存在することに気付いた。また,できた新聞をもとに学級で発表会を行い,さらに市民センターに展示して地域にも情報を発信した。
 こうして情報の送り手を自ら経験することで,情報取材力を始め,情報選択・再構成力やコミュニケーション力が高まった。

 さらに,本実践では五感を働かせて取材し新聞を作ったことにより,高齢者や障害者の立場を理解し,人と人とが思いやりの心を持って信頼し合える「心のバリアフリー」にも目を向けることができた。


このブログ記事について

このページは、宮城県小学校NIE実践グループが2009年8月17日 14:51に書いたブログ記事です。

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