NIEQ&A(3)低学年の「NIE」は難しい?

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Q3:新聞には難しい漢字がたくさんあるので,小学校(特に低学年)でNIEを進めるのは無理だと思うのですが・・・

A3:確かに新聞は文字の量が膨大で難しい表現もたくさんあり,小学生が大人と同じように全ての紙面を読みこなすのには無理があります。しかし,新聞には文字情報だけではなく,写真やイラスト,図や表,グラフなど様々な形の情報が豊富にあります。ですから,学年の実態に合わせて無理なくできるNIEを進めていけばよいのです。
 私の経験でいうと,高学年よりも低学年の方が喜んで新聞の切り抜きに取り組みました。2年生を担任した時の実践ですが,新聞紙面から好きな写真を見つけてはさみで切り抜き,真っ白のA4サイズの紙にのりで貼ります。余白に新聞名と発行日,簡単な感想を書きます。慣れてくると,写真と一緒に見出しや記事も切り抜いて貼ったりします。掲示板に掲示しておくと,休み時間に見ています。
 たった1枚の写真を切り抜くために,子どもたちは真剣に新聞に目を通します。その作業を通して,無意識のうちに,新聞のどんな場所にどんな記事が載っているか把握していきます。情報収集・選択の基礎的な力が身に付いていきます。また,感想を書くために思考力を働かせます。自分が選んだ写真だから,その子なりの愛着やこだわりを持って文を書きます。子どもの中では,コメントを書くことによって情報が再構成され,自分のものになります。さらに掲示して見合うことで,情報が発信され共有化されます。こうした一連の活動を,楽しい雰囲気の中で無理なく進めることができました。
 また,家庭の協力を得て,冬休み中に冬に関する写真をたくさん集めさせました。その写真を使って,1月に生活科の「冬のくらし」の学習を行いました。実に様々な冬の季節ならではの写真がたくさん集まりました。その写真をもとに,冬の事象を発表し,黒板上で仲間分けしていきます。さらに,その写真を用いて,グループごとに冬を紹介する壁新聞を作りました。壁新聞に貼る写真を選ぶ子どもたちの目はとても真剣でした。この実践の後,牛乳パックと竹の割り箸を利用した手作り編み機でマフラーを作ったり,冬の町探検をしたりして冬の発表会をしました。(上記の実践は日本新聞協会NIE委員会編「1995年度NIE実践報告書」に掲載されています。)
 生涯学習という長期的な視野でとらえれば,小学校はNIEの入門期にあたります。まずは「新聞に親しむ」ということを目標にして,無理のない楽しいNIEの学習に取り組んでみてはいかがでしょうか。新聞を購読していない家庭への配慮も忘れずに。

仙台市立黒松小学校 教諭 今藤正彦


このブログ記事について

このページは、宮城県小学校NIE実践グループが2009年8月 6日 15:11に書いたブログ記事です。

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