反響特集
(下)医療関係者の声/「激務の末、『犯罪者』になりたくない」
連載「お産SOS―東北の現場から」に医療関係者らから寄せられた声は、厳しい勤務環境への悲痛な叫び、産科医療崩壊を招いた要因への糾弾が目立っている。
「厚生労働省は増大する医療費を抑制するあまり、産科を筆頭にして始まった医療崩壊を困ったことと認識していない」。こう指摘する静岡県の内科勤務医(50)は「現場の声を聞き、実効ある対策を立てるべきだ」と迫る。
分娩(ぶんべん)の扱いをやめる病院や開業医が相次ぐ原因としては、医療費抑制を進める国の施策、医療行為に対する厳しい司法判断、国民の権利意識の高まり、大学病院の医局体制などを挙げる意見が多い。
東北の病院で働くという医師は「医者だから寝る間も惜しんで患者を診るのは当たり前だと思っていませんか」と率直に問いかけ、「医師の現状を少しでも理解してほしい」と訴える。
反響特集
(上)妊産婦ら女性の声/「出産を経験し、産科医の大変さ実感」
連載「お産SOS―東北の現場から」に、インターネットの専用掲示板やメール、ファクスを通じて続々と反響が寄せられている。妊産婦や医療関係者からの切実な内容も多い。全国から届いた意見の一端を2回にわたって紹介する。(「お産SOS」取材班)
連載が始まった14日の数日前、「おめでたです」と告げられた仙台市の主婦(29)。妊婦という立場になり、あらためて産科医の減少を大変な問題と感じている。結婚前は保育士として働いた。「子どもの命を預かる中で、やるべき仕事が精いっぱいできない苦しみは大きい」と主張。「いろいろな環境の中にいる妊婦さんが頑張っていることを励みにして、自分の出産に臨みたい」と記す。
女性の投書は、妊娠中や出産経験者が目立つ。昨年12月に第一子を出産したばかりという仙台市の母親は、自分が妊娠するまで産科医不足は百万都市・仙台には無関係だと思っていたという。妊娠が分かった時点で2軒の産院から「予約でいっぱい」と断られ、病院数カ所から「分娩(ぶんべん)の扱いは終了しました」と言われた。
その後、病院が見つかって無事に出産。「実際にお産を経験して、産科医の仕事の大変さを感じた。何かと訴訟に発展してしまう社会の中、医師が安心して働ける環境を願わずにいられない」と訴える。



