お産SOS 河北新報社

エピローグ

[ 2007/06/26 ]

(57完) 医師と患者 心通わせて 

20070626osana1.JPG 福島県立南会津病院(南会津町)で唯一の産婦人科医安部宏さん(36)は、孤軍奮闘の状態が続いている。福島県立医大が昨年12月に始めた応援医師の派遣は、4カ月で途絶えた。
 休みは月にわずか2日。以前と同じになった。病院には応援の再開や増員を訴えている。「住民のためにも、あきらめたくない。声を上げなければ、何も変わらないから」。それでも、仕事に力を注げば注ぐほど、疲労がたまる。
 「1人のままで、いつか医療トラブルが起きたら…。僕にも限界がある」。体制が変わらなければ、来春以降に南会津を離れようと思っている。
 盛岡赤十字病院(盛岡市)の産婦人科医川原寿緒さん(33)は4月、新たな生活を始めた。3年いた岩手県立二戸病院(二戸市)から移った。昨秋結婚した夫と初めて一緒に暮らし、今は戸籍上の「畑山」を名乗る。
 常勤医は4人。2人体制の前任地では対応が難しかったリスクの高い妊婦も引き受ける。忙しくても、外来や手術を当番で回せるゆとりがある。
 「高リスクのお産やがん手術など、高度な医療が勉強できる」。毎日が充実している。ただ、気掛かりもある。二戸病院には先輩医師が1人残された。綱渡りが続く。


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