河北新報社

第8部=提言・地域再生ビジターズ産業の創出

20120923-01.jpg<連続的に観察>
 東日本大震災で一度は挫折しかけたプロジェクトが、再び動きだした。岩手県洋野町から陸前高田市まで南北約180キロに及ぶ長大な三陸海岸を、丸ごと地球活動の遺産公園にする「いわて三陸ジオパーク」構想だ。
 国内最古級の岩盤が露出する三陸海岸では、5億年に及ぶ地層や地殻変動を連続的に観察できる。研究者の間では、地質学的に貴重な地域として以前から知られていた。
 その価値に着目した岩手県と地元13市町村は、2011年2月に「いわて三陸ジオパーク推進協議会」を設立。本格的な検討に着手した1カ月後、震災が襲った。

(2012/09/23)


<手法にも言及>
0924_1.jpg 巨大津波の痕跡は被災者にとって大切な人の命を奪い、暮らしと街を徹底的に破壊した災害の生々しい記憶と重なる。
 一方で、未曽有の災害の教訓を後世に語り継ぐ遺産としての価値も無視できない。地形、地質など地球活動の痕跡を地域振興に役立てるジオパーク(大地の公園)の学習拠点「ジオサイト」に活用できないだろうか。
 河北新報社の提言「地域再生ビジターズ産業の創出」では「被災者の心情に十分配慮した上で震災遺構を保存し、教育・観光資源として活用すれば鎮魂と復興の象徴になる」と提案している。

(2012/09/24)


03.jpg 河北新報社は、東日本大震災の被災地におけるビジターズ産業の在り方とジオパーク(大地の公園)の可能性を探ろうと2、3の両日、石巻地方で調査ツアーを開催した。河北新報社が設置した東北再生委員会の委員や、石巻市の観光関係者でつくるビジターズ産業ネットワークの会員らが参加。民俗研究家の結城登美雄氏を案内人に、牡鹿半島や田代島を巡った。河北新報社の提言「地域再生ビジターズ産業の創出 三陸ジオパーク構想実現へ」を基に、三陸の観光復興に向けた戦略と課題を考えた。

(2012/10/19)


05.jpg◎検討会/深化させたい、考える観光

 1泊2日の調査ツアーを終えた一行は、石巻市の河北新報社石巻総局で検討会を開き、地域再生に直結するビジターズ産業の在り方を探った。
 震災前の地域の姿と復興の歩みを記録することの重要性や、被災地を応援したいという来訪者の善意を受け止める仕組みづくりなど、さまざまな提案が出た。

(2012/10/19)


<猫に特化した島に/東北再生委員 元総務相・前岩手県知事 増田寛也氏(60)>
 ビジターズ産業を地域の産業に育てていくことが重要だ。そのためには、時間の経過とともに地域が変化していく様子が分かる仕組みが要る。
 震災1年後、2年後はもちろん、震災前の石巻の様子はどうだったのか。映像や写真など資料に加え、語り部の生の声があれば、来訪者の理解はより深まるはずだ。
 視察ツアーで訪れた田代島は、わたしのような猫好きにとっては聖地だ。交通手段の問題を早く解決し、徹底的に猫に特化した地域づくりを進めてほしい。

 

(2012/10/19)


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