河北新報社

第9部=提言・地域に密着した再生可能エネルギー戦略

20121114_01.jpg<自給率は166%>
 風をつかんだ町が「3.11」後の追い風をつかみあぐねている。
 「企業が風車を建てる場所はいくらでも貸します。でも町が自前で建てる計画はありません」
 1999年の風力発電所建設を皮切りに再生可能エネルギーの普及に取り組んできた岩手県葛巻町だが、町農林環境エネルギー課の鈴口美知代さん(49)は「予算がなくて...」と口ごもる。
 町内には風力のほか太陽光や木質バイオマス、畜ふんバイオガスなどの最先端発電施設が点在する。さながら再生可能エネルギーのショールームだ。電力自給率は166%を達成した。

(2012/11/14)


20121115_01.jpg<県外資本9割>
 「太陽光や風力でエネルギーを生みだし、復興を後押ししたい」。新たな発電事業者が各地で名乗りを上げ、大規模なプロジェクトの発表が相次いでいる。
 特に年間を通じて強い西風が吹き付ける東北の日本海側は風力発電の国内最適地で、震災以前から先進地だった。

(2012/11/15)


20121116_01.jpg<原発18基分に>
 秋田県のほぼ中央部、玉川水系が肥沃(ひよく)な扇状地を形づくる仙北平野で、風変わりな「水争い」が起きていた。
 仙北平野土地改良区(大仙市)の関係者が証言する。「震災後、大手商社の担当者が相次いで訪ねて来るようになった。改良区の水利権を借り受けたいという話だった」

(2012/11/16)


20121118_a30_1.jpg<低温でも発電>
 東京電力福島第1原発事故の風評被害にあえぐ福島市の土湯温泉が見いだした起死回生の一手は、温泉という地域固有の熱資源に着目した小型の地熱発電事業だった。
 計画では、200度以上の熱水の蒸気でタービンを回す通常の地熱発電と異なり、53~120度の低温でもタービンを回せるバイナリー発電方式を採用。源泉からは140度の熱水が毎時25トン噴き出しており、水よりも沸点の低い特殊な液体を蒸発させ、発電機1基で200キロワットの出力を得る。

(2012/11/19)


20121119-01.jpg<3日間支える>
 再生可能エネルギーの戦略的導入を訴えた河北新報社の提言は、安定的な電力供給につながる蓄電池技術の向上・普及を柱とする。東北のほぼ全域が停電に陥った東日本大震災では、蓄電池の持つ可能性が図らずも実証された。
 理工系の研究棟が立ち並ぶ仙台市青葉区の東北大青葉山キャンパスで昨年3月11日、漆黒の闇に2階建ての現代的な木造建築が明るく浮かび上がった。

(2012/11/19)


12