2007年11月18日
TITLE|【ふらっと蔵探訪 3】三本木 新澤酒造店 その1
THEME|ガンバレ日本酒☆ガンバレ宮城の酒
今回の蔵探訪は、こちらにお邪魔しました。

三本木 新澤酒造店さん。今をときめ『伯楽星』を醸す蔵です。

蔵元でもあり杜氏でもある新澤巌夫さん。
新澤杜氏と言えば、日本酒の世界で初めて「食中酒」というコンセンプトを打ち出した事ではあまりにも有名。
学生時代に最年少で、利き酒師よりも遥かに難関な『利き酒名人』の称号を取得したまさに利き酒の天才でもあります。
今回はそんな新澤杜氏に「利き酒」の極意や、新澤杜氏ならではの視点で見る日本酒の世界観をお聞きしたく、酒友と二人でふらっ〜とお訪ねしました。


何はさておき、まずは蔵見学!

新澤杜氏が「食中酒」というコンセプトを初めて打ち出したのは7年前。
蔵に戻って来た当初は蔵自体が大きな借金を抱え、まさに倒産の危機状態。そんな状況下“自分の蔵の酒が目指すものは一体何か?”という事を模索する日々が1〜2年続いたそうです。
結果考え抜いた末に出て来た答えは一杯目よりも、二杯目三杯目…と杯を重ねる度に美味しくなる酒。
そう まさに「究極の食中酒」。
食中酒=香りが少なく酸味がない酒…と安易に考えるものが割合多い中で、新澤杜氏が目指す酒造りの根本的な違いは蔵見学をしていても非常に感じました。
「とにかく他よりもフレッシュなものをモットーに。」
「繊細な品の良いきれいなお酒を造りたい。」
「嘘はつかない。基本を忠実に守る。」
これらは蔵の中をご案内頂きながら、何度も何度も新澤杜氏から出てきた言葉です。
目指すお酒のコンセプトが明確な分、その為にはこの工程ではこれが必要…と、酒造りにおいての追求の仕方が半端ではなく「妥協を許さない男」…そういった印象を持ちました。
* * * * *
利き酒も体験させて頂いたのですが、このやり方が実にユニーク。

テーブルに並んだ数本のお酒とお猪口。これらを順次一本づつ試飲して行きます。
甘みや香りやちょっと強めの物から、香りかなり控えめ、若干渋みと苦みが残るものへという順番です。
この時の印象としては、最初の方に頂いた香りも甘さも少し乗っている方が美味しい。後半で頂いた渋みを感じるタイプは、一緒に比較すると正直ちょっと物足りないかなぁ〜と感じたわけですが。。。
ここで突然お食事の用意が準備されている別室へ移動。
「食中酒」を目指す新澤杜氏らしく、同じお酒でも食前と食中もしくは食後の味覚の変化を楽しんでもらいたいと言う計らいなのですね!
事実驚いた事にお昼御飯をご馳走になった後で、再び同じお酒を試飲してみると…
違うんですよ!!確かにっ!!!
先程はちょっと物足りないかなぁと感じたタイプのお酒が、苦みと渋みが引っ込み、むしろ丸みを帯びながらサラりとした味に変化しているのです。
すぅ〜と喉の引っかかりがなく飲めるという感覚。
これが「食中酒」の醍醐味なのでしょうか。
お酒だけ味わった段階ではちょっともの足りないかな…と感じたものも、食事が組み合わさる事でお互いに高め合うように完成する…それでいて単にサラリとしているだけでは決してなく、本来の旨みもしっかりと感じられる…そういう事なんでしょうね。う~ん 深いっ!

酒造りに関しての揺るぎない強さが垣間見えたプチ事件。
上記画像は、今期仕込んだ酒の中で新澤杜氏が品質的に納得出来ないと言う理由で、この日の朝から蔵人と喧々諤々した結果、出荷停止にしたお酒。
5000mlのタンク1本分、約3000本近くの損出。。。。売上げに換算すると…??
でも それでも、質の悪い酒は出したくないという新澤杜氏。
実際に私も試飲させて頂きましたが正直美味しく、これが出荷停止なの~?という印象です。
ベロメーターの次元が全く違うというのに加え、実際に「造っている」という立場の人間として、それを一度許してしまっては駄目だという、自分自身に対する強い戒めがあるのです。

新澤杜氏が目指す「究極の食中酒」…それは派手なパンチはないかもしれないけど、食事とともに味わっている内にスイスイ飲んでしまうような…そんなお酒。
とにかくお若いのに目標設定の高さと、理想を追求する強さが素晴らしいです!
その辺のお話しは、その2でご紹介しますね。

投稿者 おっかぁ : 07:02 | コメント (0) | トラックバック (0)
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