2009年3月18日

TITLE|【ふらっと蔵探訪・第16弾】宮寒梅(寒梅酒造)

THEME|ガンバレ日本酒☆ガンバレ宮城の酒

 恒例☆蔵見学!
今回は「宮寒梅」さんにお邪魔しました。

仙台から高速バスに乗り、一路古川へ。最寄駅で下車し、タクシーで約15分弱。
国道347号線から、目指す看板がやっと見えてきました。


miya_1.jpg

周辺は見渡す限り一面 田んぼ。目の前に広がるのはまさに大崎平野です!

創業は大正7年。現在4代目に当たります。
昭和14年には戦時下の米不足で、酒造りをやむなく中断、昭和32年に復興蔵となったそうです。

miya_4.jpg

左から蔵元である岩崎社長、真ん中が娘の真奈さん
そしてその右隣が常務の健弥さんです。

今回色々お話しを伺った中で最も印象強かったのは、
何といっても「米」への想い入れ、これに尽きるような気がきます。

もともとは地域周辺の土地を持つ地主で、小作人から地代の代わりに集めた米を使い、
酒造りを始めたのが創業の経緯。
現在でも2町9反の自作田を持っています。


酒米生産百姓

これは岩崎社長の名刺の裏側に書かれた肩書き。
「酒造りは冬がメインの仕事だから、両方入れた方が便利なんですよ。」と言いながらも、
その名刺を見ただけでも、原料となる「米に対する想い入れ」と、
「米造りにかかわる誇り」が、何だか伝わって来るようでした。

特筆すべきなのは、かって「神力」「亀の尾」と並び、
日本三大品種に数えられた「愛国(あいこく)の酒造りに力を入れているという事。

この「愛国」というお米、昭和初期に作付けされていた品種で、現在はほとんど作られていません。
たった132粒の種籾を譲り受け自作田に植え付け、
そこから3年かけてタンク1本分の米に育てあげた究極の米
!!
まさにに「夏子の酒」を地で行く話しです。


岩崎社長曰く、
「始めた当初はなんでこんな米で造り始めたんだろう・・・と思う事が何度もありましたよ。」
最初は米自体が味乗りが悪く、秋口になるとダレて来る・・・というような事が、数年続いたそうです。

それでも途中で諦めなかったのは、「愛国」を作る生産農家自体が少なく、、
その米を使って酒造りをしているのは当時寒梅酒造だけ・・・もはや使命に支えられていたようなものだったそうです。 

miya_3.jpg

これが「愛国」の種籾です。
中の米自体は白いのですが、野毛部分(穂先から出たヒゲのようなもの)がほんのり赤みがかっているのが
画像から伝わりますか?、
秋の実りの時期には、この「愛国」が生えた田んぼだけが独特の紫色を放つそうです。
ちょっと見てみたいですよね~。

DSCF3187.jpg

仕込み自体は2月末で終了していましたが、蔵の中も一巡案内して頂きました。

miya_13.jpg DSCF3175.jpg
miya_7.jpg miya_8.jpg

ちょうど搾りたてを試飲させて頂く事が出来ました♡♡♡
山田錦で造った純米酒。明日 ろ過して瓶詰になるそうで、
あまり荒さを感じさせない、まろやかな味でした♪

もうひとつの特筆べき点、それは冒頭ご紹介した真奈さんと健弥さん、
お二人が蔵に加わる事によって起こった新しい風_といった所でしょうか。

現在蔵に入って3年目。
1年目は在庫管理など、手作業で行っていた事務・管理作業を全てPC化へ
2年目は冷蔵庫を導入し品質管理の基盤を強化
            同時にそれまで60以上あった品種を半分に整理。

そして3年目の今年は、初めて「宮寒梅の方向性を検討しあう所に来た」と言います。

「正直、社長ともバトルする時もあります。
でもそれは、お互いが前に進む為の建設的な話し合いなので、必要なものだと思っています。」

真奈さん・・・まっすぐな目で答えてくれました。

蔵自体の方向性は今まさに皆で模索している段階。
ただ、その中でも3人が共通する思い・・・
それが「米の味を生かすような酒造りをしたい。」という事なのです。

山田錦・三山錦・愛国・ひより・・・この4つの酒米に絞り、
それぞれの「米の味を引き出した酒造りをしたい」と。

健弥さん曰く、「お酒だけを楽しむ時代ではないので、もちろん食事との相性は前提にはなるけど、
食中酒かそうじゃないかといった事ではなく、それぞれの米の旨みをどう引き出し、酒自体の特徴を
米の特徴と合わせてどう出していくか?という事。」
そのベクトルを合わせるために、日々喧々諤々話し合っているという状況なのだそうです。 

miya_10.jpg

見学終了後は試飲もさせて頂いたのですが、これが又 面白い内容で...
画像ではUPしませんが、使用酵母は全く同じ、精米歩合も同じ中での
山田錦・愛国・美山錦を特別純米酒と大吟醸の4種。

まさに「米」の違いを味わうもので、これが確かに違うのですよ。
山田錦は口に含んだ途端、パッと花が開いたような華やかな香り、
愛国は少しつぼみ状態の可憐な香りと口あたり、
美山錦は香り控えめ、やわらかでしなやかな感じ。

同じ条件下だと、特徴として際立って来る部分が歴然として、面白いなぁ~と感じました。

ちなみに上の漬物は、母屋から頂いたお漬け物。
これが又、愛国とバッチグゥに相性良しなのです、ポリポりと♡♡♡

miya_5.jpg

これは蔵入口部分にあったPOPボード。
一部購入できる商品があり、ご近所さんも買い物に来るそうです。


生産量300石。
造りは小規模ですがドッコイ「志」が熱く、今後も色々と面白い試みが期待できるエネルギッシュな蔵。
そして家族が一丸となって支えあい、また切磋琢磨しながら前へ前へと進んで行く。

色々お話しを伺いながら
「この蔵のお酒は絶対もっともっと美味しくなるっ!!」そんな確信を覚えました。

何より個人的にうれしかったのは、昨年の「サポーターズセレクション」(←リンク)の金賞に選ばれたのが、専門家の先生方から賞を頂く以上にうれしかったというお話し!
このお話しを聞きながら、私、秘かにウルッと来てました。
何しろこの時のサポーターズの審査員は、私自身初めての経験(それも念願)・・・
そんな風に捉えて下さる蔵があるんだぁ~と・・・(感涙) 

miya_12.jpg

農業から醸造まで、米を大事に大事に育みながら、ひとつひとつの作業に心を込める。
そして若い2人の斬新なアイデアを果敢に取り込みながら、目指すは自分達らしい酒造りを!
そんな想いに燃えた蔵でした。

寒梅酒造の皆さ~ん お忙しい中、本当にありがとうございました!!

投稿者 おっかぁ : 00:32 | コメント (2) | トラックバック (0)

このエントリーのトラックバックURL

http://blog.kahoku.co.jp/cgi-bin/mt-tbkhkb.cgi/2286

コメント

おっかぁさん、蔵見学お疲れ様でした!

岩崎社長の『愛国』について語る口調はとても静かなものでしたが、内容は熱い!
今、愛国で造ったお酒がいただけるのは、岩崎社長の情熱のおかげなんですね。

そして、健弥さん・真奈さんご夫婦。
お二人も熱い!

岩崎さんご家族、それぞれの立場で、いろいろなことを考
えていて…。熱い思いがあって…。
それが、今後どんなパワーになって、どんなお酒を生み出していくのかとても楽しみです!

秋になったら、紫に染まった愛国の田んぼを見に行きたいですね!

投稿者 ひよこまる : 2009年3月19日 14:39

☆ひよこまるさん こんにちは~!
いつもコメントありがとねっ(涙!!

3人とも手探りしながらも、前に行こうと
一緒懸頑張っている気持ちが伝わって来ましたよね。
途中掛け合い漫才のような話しも
これ又楽しかったけど(笑)

社長もお若くてビックリしたけど
跡継ぎの二人が あんなに一生懸命なら頼もしいですよね。

>秋になったら、紫に染まった愛国の田んぼを見に行きたいです>ね!

そうっ それ!!!
黄金じゃなくて、紫に染まった田んぼ・・・
見てみたいですよね!!


投稿者 おっかぁ早坂 : 2009年3月20日 12:15

コメントする