あるもの探しの旅

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♪ リンゴの花びらが~

リンゴの花びらドルチェは、はじらう乙女 francesca の味


azienda_mela.jpg【PHOTO】例年よりも雪解けが早かった今年の5月、岩木山の麓で完全無農薬で自然農法のリンゴを栽培する木村 秋則さんの畑を訪れた。周辺の畑でも可憐なリンゴの花が見渡す限りに咲き揃い、受粉用のミツバチの巣箱が置かれていた


 リンゴの花をご覧になったことがおありですか?

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 全国のリンゴ生産高の55%を占める青森県、なかでも最も栽培が盛んな弘前では、GWの頃に見ごろを迎える弘前城公園のソメイヨシノと入れ替わるように、周辺のリンゴ畑では191万本にも及ぶリンゴの樹々の花がほころび始めます。楚々とした美しさをたたえたその白い花は、サクラよりも幾分大ぶりで、青森県の県花にもなっています。ようやく訪れた北国の春を謳歌するかのように一斉に葉を芽吹き花開くリンゴの樹々と、残雪を頂いた岩木山は、5月の爽やかな空のもとに青緑と白の見事なコントラストを描き出します。

【PHOTO】五月晴れの青空に映えるリンゴの花

 枝先には紅を差したかのように赤くかわいらしい丸い蕾(つぼみ)が5~6個付きます。品種によって花の色や大きさに違いはありますが、赤い蕾から咲く花も桃の花のように赤いのかと思いきや、開花したての花びらには白地に赤やピンクが混じるものの、花弁は次第に白さを増してゆきます。

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【PHOTO】「ふじ」の蕾と花。可愛らしい蕾はまもなく摘まれる運命にある

 「花の命は短くて・・・」とは作家 林 芙美子の言葉ですが、果実の数を減らして味を凝縮させるため、リンゴは房の中心に咲いた花だけを残して、ほかの蕾や花はすべて摘み取られてしまうのです。だからリンゴの花言葉は「選ばれた恋」。リンゴは実にも「誘惑」という、もうひとつの花言葉があります。旧約聖書の記述では、ありとあらゆる果実がなるエデンの園で蛇にそそのかされたイブは、神の言いつけに背いて禁断の「知恵の果実」を口にします。イブに勧められるまま果実を口にしたアダム。BrancacciEden.jpg楽園を追放されたアダムとイブの子孫である人類は、それ以降、男には食料を得るための耕作の苦役を、女には出産の苦痛が課せられるようになりました。花開く前に蕾のまま摘まれてしまうリンゴのことを思うと、可愛らしい赤いリンゴの実がいとおしくなりますが、神の逆鱗に触れたアダムとイブが楽園から追放される原因となった「禁断の果実」もまたリンゴだったといわれています。うーん、フ・ク・ザ・ツ。

【PHOTO】初期ルネッサンス・フィレンツェ派の画家 マザッチョの筆になる名高い「楽園追放」 や「貢の銭」、この写真右上のマゾリーノ作「アダムとイブの誘惑」など見事な連作フレスコ画がある「ブランカッチ礼拝堂」。フィレンツェを流れるアルノ川の南、オルトアルノ地区の「サンタ・マリア・デル・カルミネ聖堂」の内部にある

 昨日、昼食を食べたのが、仙台市青葉区のイタリアン「francesca フランチェスカ」。Donna Italiana ドンナ・イタリアーナ (=イタリア女性)の名前を持つこの店でオーダーしたのは「おすすめランチ」(1,500円)でした。どんな( ̄ロ ̄;)コースだったかといえば、「アスパラのズッパ」、「ルッコラのインサラータとシチリア産モスカート種デザートワイン風味のフォアグラテリーヌのブルスケッタ」が出た後の「蔵王地鶏とドライトマトの軽めのラグーソース風味のパッパルデッレ」がメイン。目の前のパスタマシンで作ったパッパルデッレに舌鼓を打った後、カッフェと共に2種類のドルチェが登場しました。新作だという「さくらんぼのコンポスタ、さくらんぼのムースのコッパ」(写真奥)、そして今回のお題である「実家のリンゴとリンゴの花のジェラート、リンゴのクロッカンテとイチゴ添え」(写真手前)です。
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【PHOTO】「実家のリンゴとリンゴの花のジェラート、リンゴのクロッカンテとイチゴ添え」

 五所川原出身の原田シェフの実家はリンゴ農家を営んでいます。「ふじ」、「紅玉」、「つがる」、「サンジョナゴールド」などを栽培しており、5月上旬に帰省を兼ねて原田シェフや鳥山オーナーらが五所川原を訪れたのだそう。その時、「♪ リンゴの花びらが、風に散ったよな~」と、美空ひばりが唄った「リンゴ追分」を口ずさみながらだったかどうかは知る由もありませんが(笑)、畑からリンゴの花びらを皆で持ち帰ったそうです。その花びらと晩秋から冬にかけて送られてきた旬のリンゴの果肉をジェラートに混ぜ込んでありました。甘酸っぱいリンゴがミルクの風味で優しい表情に変わり、決して派手ではないものの繊細極まりないリンゴの花の香りと、主張しすぎないシナモンの香りが、渾然となって広がります。瞑目してデリケートな香りを堪能していると、先月訪れた津軽のリンゴ畑の風景までが目に浮かんでくるではありませんか。
Bu.Bu.Bu...Buonissimo!! ・・・ブ.ブ.ブ...ブオニッシモ!! (→ここでは、イタリア観光のガイドブックに記載されているように「頬に人差し指を当ててグリグリ」は必要ありません。念のため)

 それは、蜜の入った熟した果実を実らせる前、あたかも蕾からまさに花開こうとしているリンゴの花弁のように、ぽっと頬を赤らめた乙女の姿を彷彿とさせるような、せつな~い味なのでした。
 残念ながら、今シーズンのリンゴは在庫切れ寸前だとかで、無くなり次第終了につき、売り切れ御免。今週末が食べ収めかも、とのこと。急げっ! (・・・そんなに煽らなくても...)


francesca フランチェスカ
仙台市青葉区大町2丁目5-3 コーポラティブハウス大町202号
PHONE/FAX: 022-223-8216
URL:http://www.francca.jp/
営) 11:30~14:00(L.O.)
    17:30~21:30(L.O.) 月曜定休

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