あるもの探しの旅

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寒鱈汁、寒鱈汁、寒鱈汁。

雪ニモマケズ 風ニモマケズ
満腹ニモ冬ノ寒サニモマケヌ 鱈ノヨウナ丈夫ナ胃ヲモチ...。
@ 鶴岡 日本海寒鱈まつり

kandarajir2009.1.24.jpg というわけで、今年も行って参りました。「鶴岡 日本海寒鱈まつり」。庄内地方では、極寒の庄内浜で水揚げされる脂が乗ったマダラを寒ダラと呼び、とりわけ珍重します。そのため庄内浜に水揚げされるマダラには、万単位の浜値がつくことも珍しくありません。そんな高価なマダラの全身を余すところなく使った味噌仕立ての「どんがら汁」こと寒鱈汁は冬の庄内では欠かせない味覚。寒さが最も厳しい1月中旬から月末にかけて、庄内各地では屋外で寒鱈汁が振舞われる寒鱈まつりが催され、多くの人出で賑わいます。寒ダラと寒鱈まつりについてはコチラをチェックプリーズ。

【photo】脂が乗った寒ダラを味噌仕立てで頂く寒鱈汁は厳しい冬の庄内ならではの醍醐味

 昨年は大雪警報が発令される猛吹雪の中を駆けつけた酒田 日本海寒鱈まつり、一昨年は味の決め手となるアブラワタこと肝臓などの内臓や骨などのガラをたっぷりと使う地元で人気の高い由良の寒鱈まつり、その前4年間は鶴岡と掛け持ちで酒田・由良の寒鱈まつりに出掛けています。寒鱈汁は野菜の有無とガラの量、酒粕の有無など味付けが家庭ごとに異なります。寒鱈まつりは週末に催されるため、週替りで鶴岡・酒田と続く二週連続や、今年の鶴岡と遊佐のように開催日が重なる場合は、ダブルヘッダーを組むことを強くお勧めします(笑)。

kandara2009.1.24.jpg【photo】警報が発令されるほどの大雪ニモマケズ馳せ参じた昨年の「酒田 日本海寒鱈まつり」会場のひとつ、酒田中町商店街。雪を吹き飛ばす強風が吹かずに一晩降り続いた雪によって、様変わりした翌朝の酒田の様子はコチラ〈clicca qui。除雪した雪によって丈が3m はあろうかという雪山が出現した書店の駐車場に停車するalfa Brera はミニカーにあらず

 2003年に庄内デビュー果たして以降、春先に催される「庄内ひな街道」や8月の「赤川花火大会」と同じく、寒鱈まつりに関してはこれまで皆勤賞。市街中心部の銀座通り商店街で行われる鶴岡 日本海寒鱈まつりには3年ぶり5度目の訪問です。一杯500円の寒鱈汁2食分と抽選券付きの前売りチケットはこれまで同様、当日会場で購入するつもりでした。しかしながら前日までに全て売り切れたとのこと。例年2万人が繰り出し、1万食が用意される寒鱈汁を食べ損なうことのないよう、正午過ぎに会場に到着したのですが、これは計算外でした。とはいえ、遠来の参加者のために現金精算もできるため、さっそく多くの人出で賑わう商店街へとLet's go! お目当ての店を探すため、商店街の一部が歩行者天国となった300m 区間をまずはひと巡り。寒鱈汁のみならず物販を含めて19 団体の出店がズラリと並びます。そのうち寒鱈汁を提供するのは12 団体。よほどの大食漢でもない限りは、一度にすべてを食べ尽くすのは到底無理な相談です。

kandara_spa2005.jpg この季節には寒鱈まつり会場から程遠からぬ「アル・ケッチァーノ」風寒鱈汁とも呼ぶべき岩海苔と共にグリッシーニをトッピングした寒鱈のとろけるようなダダミ(白子)が入ったクリームソース風味スパゲッティが食べたくなる私ですが、まずは毎回欠かさず立ち寄っている「商店街婦人部」の行列に直行しました。

【photo】荒ぶる冬の日本海の恵みがたっぷり詰まったアル・ケッチァーノ冬の絶品スペチャリテ「寒鱈のクリームソーススパゲッティ」。プリプリッとした半生の白子がクリームと共にトロけ出したら、も~タイヘン(上写真) 寒鱈汁の濃厚なコク出しに欠かせないのが、このアブラワタ(下写真)。鶴岡 日本海寒鱈まつり 商店街婦人部の寒鱈汁

kandara2_2010.jpg すると7年前から幾度かアル・ケッチァーノでも遭遇している地元選出の大物政治家がやおら登場、最初に気付いた12歳の娘に握手を求めてきました。選挙区民であろうとなかろうと、ここは応じるのが礼儀。家族揃っていささか社交辞令的に笑顔で握手を交わしたのでした。肝心のお味のほうはといえば、味噌と共に酒粕が入った私好みの味付けながら、たまたまかもしれませんが、今年は白身部分が多くガラが幾分少ないお上品な印象でした。これは観光客向けの味付けと言えなくもありません。家庭ごとの味があり、作り手によって個性が表れる寒鱈汁ゆえ、12 団体それぞれに味付けが異なります。これも寒鱈まつりを訪れる楽しみといえるでしょう。

 鶴岡魚市場青年部・鶴岡鮨商組合・授産施設 作業所月山など、おなじみの出店に混じって、終了間際に駆け込んだ3年前〈Link to back number〉には見かけなかったニューフェースな出店団体をいくつか見かけました。建設業から農業に新規参入、2007年より鶴岡市湯野浜温泉に隣接する庄内砂丘で神奈川の農業ベンチャー企業「アニス」がライセンスを持つ「アニス農法」を導入した「窪畑ファーム」もその一つ。

kandara1_2010.jpg【photo】鶴岡 日本海寒鱈まつり「商店街婦人部」テント内の舞台裏では、お母さんたちが次々と舞い込む注文に追われて忙しく立ち回る

 農場長の佐藤 光浩さんの説明によると、アニス農法は乳酸菌など有益な微生物の働きで土壌改良した培土を用い、IT技術で気温・湿度のみならず潅水量・日照・培土温度などの栽培環境を最適な状態に制御します。トマトの慣行栽培で使用される化学肥料や殺菌剤を排除し、ハウス内で熟して赤く色付くまで収穫しない窪畑ファームの桃太郎・カンパリ・アランカといった大玉・中玉種トマトは、甘味とアミノ酸成分の数値が通常の栽培法と比べて高いのだといいます。春先に定植したのち5月には出荷が始まり、農場の直営店と昨年オープンした庄内映画村オープンセットの直売所でも入手可能。寒鱈まつり会場でも売られていたドライトマトや無塩・無添加トマトジュースなどの加工品類も揃います。

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 寒鱈まつりには初出店だという窪畑ファームのそれは、必然的にトマトスープがベースです。どんがら汁に欠かせない岩海苔が控えめに入っているものの、一杯目に頂いた味噌ベースに酒粕を入れ、濃厚な旨みが凝縮したアブラワタの入ったどっしりとした寒鱈汁とは見るからに別物。寒鱈が野菜と共演するトマト風味のポトフのような寒鱈汁は、寒鱈由来のダシが効いており、コクがありながらも比較的あっさりとした優しい味付けで、これはこれでアリかな、という印象でした。

【photo】窪畑ファームの寒鱈汁はトマト風味のカラダに優しい味付け。寒鱈まつりで寒鱈汁のハシゴをするなら、バリエーションの一つとして面白いだろう

 新旧タイプの異なる寒鱈汁2杯をぺロリと平らげ、使用済みP&P容器を戻しに行った回収ステーションでは、県立鶴岡工業高校の野球部員たちがボランティアで容器回収・ゴミの分別作業を行っていました。彼らが回収している容器の内側には、燃やしても有害物質が出ないCPPフィルムが貼られており、使用後に容器から剥がされたフィルムだけが廃棄されます。容器自体は再生原料用のペレットとなり、再び容器の元となるポリマー樹脂に加工されます。リサイクル可能な容器に入った骨以外は捨てるところがない寒ダラ。日本海寒鱈まつりは、こうして資源の有効活用にも配慮しているのですね。

kandara3_2010.jpg【photo】使用済みの容器と残飯の回収にあたる高校生たちも寒鱈まつりには欠かせない働き手となる
 
 冬の屋外で行われる催しゆえ、各店頭ではアツアツの鱈汁だけでなく、お酒も提供します。かつて東北の灘といわれた造り酒屋街大山を擁する地だけに、ここは鶴岡の地酒を味わいたいもの。そこで立ち寄ったのが、利き酒師と日本酒学講師の資格を有する店主 佐野 洋一さんがおいでの「やまがたの地酒専門店 佐野屋」でした。鶴岡銀座商店街に面した店頭では、酒田酒造「上喜元 純米」燗酒、佐藤仁左衛門酒造場「奥羽自慢 槽前酒 黒川能の里」、月山ワイン「村民還元ワイン」など数種の酒が一杯200円で売られていました。前回訪れた3年前と同じく、ちょうど蔵出しされたばかりという渡會本店の純米吟醸「和田来 美山錦 おりがらみしぼりたて 生原酒」の一升瓶を一本購入しました。

watarai_2010.jpg【photo】鶴岡大山にある渡會本店の基幹銘柄「出羽ノ雪」とは異なり、一部酒販店のみが扱う数量限定の「和田来」。んめのー(*゚∀゚*)

 店頭で売られていた素朴などぶろくと共に、もう一杯だけ寒鱈汁を味わうつもりでした。ちょうど佐野屋の目の前にあった出店のテントに立つノボリに、これまで寒鱈まつりでは見ることのなかった「宝谷カブ」の文字があるのを認め、即座に3 杯目はココと決めました。鶴岡市(旧櫛引町)の高台、宝谷地区でひと頃は唯一の生産者であった畑山 丑之助さんが受け継いできた在来のカブを使った寒鱈汁についてはまた機会を改めて。

宝谷カブ in 寒鱈まつり」に続く

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