あるもの探しの旅

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小さい春見つけた 宮城県南ぶらり旅


あの(!!)ファンタジスタが食した鴨蕎麦
 @新楽食堂  遠刈田温泉

「♪ だれかさんが だれかさんが だれかさんが 見つけた」のは小さい秋ですが、私が見つけたのは小さい春、そして...。

bondy_2010.1.jpg【photo】村田町ボンディファームの畑。手前が梅の木

 立春を過ぎてもなお厳しい寒さが続きますが、1月31日(日)に見つけた小さい春は、ほころび始めたばかりの梅の花。それは定期的に自然栽培の野菜を自宅に届けてもらっている宮城県刈田郡村田町にあるボンディファームの畑でのこと。

bondy_2010.1-2.jpg【photo】時折吹く蔵王おろしの風はまだ冷たいものの、わずかに咲き始めた白加賀が春近しを告げる 

 宮城蔵王山麓の遠刈田温泉を目指して宮城県南を移動中、ふらっと立ち寄ったのが鹿股 国弘さんの畑です。少し寂しい冬の畑で、かすかな春の兆しを感じさせてくれたのは、昨年の夏、弘前からお呼びした「奇跡のリンゴ」の生産者、木村 秋則さんが参加者と車座になってその下で語らった梅の木です〈Link to back number〉。畑には20本ほどの白加賀という品種の梅があり、ほとんどはまだ小さな蕾のままでしたが、柔らかな日差しのもとで、小ぶりな白い花が2、3輪だけほころび始めていました。

moromiya_ume.jpg

 白加賀は梅干や梅酒に加工される代表的な青梅で、村田町にほど近い角田市では主力品種として農家が自家用に栽培してきた品種です。1974年(昭和49)から「みやぎ生協」各店舗で扱うようになり、角田は宮城県内きっての梅の産地として知られるようになりました。塩とシソだけで漬け込まれた角田の梅干は、酸味がしっかりと効いた昔ながらの味がします。

【photo】金沢・諸江屋の梅をかたどった落雁

 その名が示すとおり白加賀は加賀藩前田家とゆかりがあります。菅原道真の末裔を名乗った加賀前田家は「梅鉢」を家紋としました。今も古都金沢の伝統を受け継ぐ和菓子には、梅にちなむものがいくつか見受けられます。昨年の5月に訪れた金沢市野町の「諸江屋」は1849年(嘉永2)に創業した落雁(らくがん)の老舗。職人が精巧な文様を刻み込んだ木型を用いて一つずつ作られる落雁は、はんなりとした和三盆ならではの上品な甘さと柔らかな色合いが魅力です。

zao_minnano.jpg【photo】周辺の圃場整備事業にあわせて組織された農業生産法人「エコファーム蔵王㈱」が運営する蔵王町「産直市場みんな野」

 ボンディファームの畑を後にして遠刈田温泉を目指す途中で、蔵王町平沢にある「産直市場 みんな野」を覗いてみると、宮城県と友好姉妹県になっているイタリア・ローマ県特産の冬が旬の野菜Puntarellaプンタレッラの試食販売をしていました。アクと苦味が強い本場と比べて、しおらしく優しい味となる宮城のプンタレッラですが、蔵王町内では唯一の生産者だという東京から移住して昨年就農したばかりの田倉 剛さん(32)が手がけるプンタレッラは、葉先の苦味がきいており、メリハリのきいたイタリアものに近い感じがします。土の違いなのか、県内で最も栽培が盛んな丸森産とは同じ宮城県南でも一味違う印象を持ちました。

takeshi_takura.jpg【photo】店の奥で朝に収穫したプンタレッラの小分け作業にあたる田倉 剛さん

 プライベートでは数年ぶりの訪問となった遠刈田温泉は、神経痛・リュウマチに効能があるという硫酸塩泉のいで湯です。刺激的な熱めのお湯にはいまひとつ馴染めないので、最近は訪れていませんでした。正午を回ってちょうどお腹もいい塩梅。久々の訪問となった新楽食堂では、鴨そばを注文しました。ここの鴨蕎麦は幅の広い太麺が最大の特徴です。薄めのアイガモ肉とザク切りした自家製の白菜がたっぷり。鴨の旨味が滲み出した脂が浮いた出汁と太麺の絡みも良く、しつこさを全く感じさせません。

kamosoba_shinraku.jpg【photo】薄切りの鴨肉と白菜がふんだんに。店構えが変わる以前の美味だった頃の鴨蕎麦(945円)

 食後に改めて昭和レトロな風情が漂う店内を見渡すと、6年前に飲食店での使用が制限された有機リン系殺虫剤の「バポナ」が吊り下げられているものの、どうやら防除効果のある2-3ヶ月以内のものではなさそう(笑)。店主が大相撲好きなのか、相撲関連の古びた写真や、顔を見なくなって久しい地元TV局のアナウンサーのサイン色紙などが張り出された壁面の中の一枚の色紙に目が留まりました。そこにはITALIAN NATIONAL TEAM とあり、選手のイラストと数名のサインが記されていました。

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 仙台が日韓共催のFIFA サッカーワールドカップ2002 に出場したイタリア代表チームのキャンプ地となった8年前、イタリア代表 Azzurri アズーリのメンバー6人が仙台から40kmも離れた遠刈田にあるこの店を訪れていたようです。当時、自宅のすぐ近くにプレス関係者やサポート企業が滞在し、市民と交流する「カーサアズーリ」が開設されました。21日間の施設開設期間中、延べ2,000人の市民が招待され、徒歩8分の至近距離に住んでいる私もそこを訪れたり、街中で遭遇した世界最高のディフェンダーであるカンナヴァーロ(現ユヴェントス)やサイン嫌いで知られるネスタ(現ACミラン)に貴重なサインをもらったことが鮮明に思い起こされます。

【photo】コクのある出汁とよく絡んだ太麺の蕎麦(⇒2012年の再訪時には過去形となったことを確認)

pippo_shinraku.jpg 色紙の左下は今ひとつ調子の上がらなかったトッティ(ASローマ)を重用したトラパットーニ監督が先発から外した予選リーグ・メキシコ戦で、決勝リーグ進出をたぐり寄せる意地の同点ゴールを決めたアレッサンドロ・デル・ピエロ(現ユヴェントス)、右下はデルヴェッキオ(元ASローマ)。イラストで描かれた選手のユニフォームに9 が見えることから、明らかに当時の代表チームで9番を付けていたピッポの愛称で呼ばれるインザーギ(現ACミラン)です。日本でも女性ファンが多いイケメンのインザーギたちは、恐らく新楽食堂の看板メニューである鴨蕎麦を「Pizzoccheri con zuppa alla giapponese ピッツォッケリ・コン・ズッパ・アッラ・ジャッポネーゼ(=ニッポンのスープソバパスタ)」などと言いながら食したことでしょう。
shinraku_shokudo.jpg【photo】新楽食堂の壁でひときわ輝く2002年ワールドカップに出場したアズーリのサイン色紙(上写真)  建て替え前の新楽食堂(左写真)

 お店の方によれば、先日あのGACKTが店を訪れたのだとか。見かけによらずココは、世の東西を問わずビジュアル系男子が集う店なのカモ? そんな妄想を巡らしたのでした。

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(レトロな以前の姿(上写真)から一転、モダンな店構えに新装なった現在⇒)
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蔵王手打ちそば 新楽食堂
住:宮城県刈田郡蔵王町遠刈田温泉本町18
Phone:0224-34-2527
営:11:00-19:00 水定休

必読の2012.10月再訪レポートは下記セルフコメントにて...

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コメント

◆あこぎな商法を繰り広げるボージョレ・ヌーボーを除いてネガティブ情報はアップしないのがポリシーのViaggio al Mondo。なれど新楽食堂の変貌ぶりに触れておかずば、記事の文責上問題ありと判断し、以下の最新実食レポをセルフコメントで記しておきます。

 歴史の風雪に耐えた小さな店を一新したのを知ったのが、1ヶ月後に震災が起こることなど知る由もなかった昨年2月11日の祝日のこと。

 当記事をアップした時点までは間違いなく絶品であった看板メニューの「鴨そば」の味までが、店の建て替えよってどうやら一新されてしまったようで、店構えがご立派になって以来初めて訪問した2012年10月には、かつての味が見る影もなくなっていたのが残念でならない。

 鴨のうま味が詰まった脂が浮いていたはずのかつての濃いめの出汁と太めの麺はどこへやら。たっぷりとトッピングされていた白菜などの具材は半減し、あっさり系の味気ない出汁には、細くなった蕎麦は一向に絡んでこない。

 うらびれた風情ながら、確かな味を提供していたかつての新楽食堂はもう戻らないのであろうか? 遠刈田温泉のためにも、ぜひとも味の再起を望みます。

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