あるもの探しの旅

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2010/05/30

キアンティ・クラシコ協会会長が来仙

カステッロ・ディ・アーマ試飲会 with 醸造責任者
マルコ・パッランティ氏 @ENOTECA仙台店

 イタリアワインの産地としての知名度にかけては、バローロと双璧をなすであろうキアンティは、生産地域が広大なためにエリアによって持ち味が異なります。エリアの中心に位置し、品質的に高い水準にあるのがChianti classico キアンティ・クラシコです。その生産者組織である「Consorzio Vino Chianti Classico キアンティ・クラシコ協会」には現在597の生産者が加盟しており、このうち350のカンティーナが自社銘柄のヴィーノをリリースしています。同協会の会長を務めるMarco Pallanti マルコ・パッランティ氏が、ワイン専門店「Enoteca エノテカ」の招きで仙台を5月22日(土)に訪れました。

presidente_pallanti.jpg【photo】キアンティ・クラシコ協会会長マルコ・パッランティ氏

 今年3月に満を持して仙台市青葉区の藤崎一番町館1Fにオープンしたエノテカ(=イタリア語でワインショップの意味)仙台藤崎店(藤田 郁 店長)が企画したのは、マルコ・パッランティ氏が醸造責任者を務めるカンティーナ「Castello di Ama カステッロ・ディ・アーマ」の有料試飲会。3年前に宮城・ローマ交流倶楽部がピエモンテ州のワイン生産者を招いて会員向けに交流試飲会を催した例などを除けば、一般のワイン愛好家が生産者の生の声を聞きながら試飲ができる機会は、ほとんど仙台ではなかったと記憶しています。料飲関係者向けセミナーやFoodex のような主に業者を対象とする展示会が頻繁に行われる東京とは違い、仙台のワインラヴァーが、国外の生産者との接点を持つ機会はごく限られているのが実情です。

tutti_ama.jpg 【photo】試飲アイテム6本。左よりAl Poggio アル・ポッジョ'08(サイン入り)、Chianti classico Castello di Ama キアンティ・クラシコ・カステッロ・ディ・アーマ'06、同'00、Chianti classico Vigneto La Casuccia キアンティ・クラシコ・ヴィネート・ラ・カズッチャ'04(サイン入り)、L'Apparita ラッパリータ'05、Vinsanto ヴィンサント'04 の豪華なラインナップ

 キアンティ・クラシコ協会第12代会長の要職にあるマルコ・パッランティ氏は、キアンティ・クラシコでも屈指の醸造家として知られます。イタリアを代表するワイン評価本であるGambero Rosso ガンベロ・ロッソによって最優秀醸造家に選出されたのが2003年。2年後にはカステッロ・ディ・アーマがベストワイナリー・オブ・ジ・イヤーの栄誉にも輝いています。カステッロ・ディ・アーマに関しては、2年前に「グレートヴィンテージ・1990年のキアンティ【Link to back numuber】」で詳しくご紹介しています。よもやイタリア屈指の醸造家と仙台でお会いできるとは思ってもいなかったのが正直なところ。ゆえに今回の催しは何としても見逃すわけにはいきませんでした。miyajima_isao.jpg会場に顔を見せた藤崎のワイン担当庄子さんも、まず仙台には来ない方ですよ!と参加者に力説していました。エノテカさん、あなたは偉い!

【photo】参加者の質問に気軽に応じるマルコ氏(左)とワインジャーナリストの宮嶋 勲氏(右)

 開始予定時刻の10分前に着いたとき、すでにマルコ・パッランティ氏は通訳として同行していたワインジャーナリストの宮嶋 勲氏とともに店においででした。国内消費は3割以下で、7割以上が国外で消費されるというキアンティ・クラシコ。世界をフィールドにビジネスを展開するキアンティ・クラシコ協会会長はイタリア人といえども時間に正確なのでした。1959年(昭和34)、京都に生まれた宮嶋氏は、某新聞社のローマ支局勤務中にイタリアの食文化、特にワインに魅了され現在の道に進んだといいます。帰国後はイタリアの権威あるワイン評価本「Le Guide de l'Espresso エスプレッソ誌」で唯一の日本人テイスターとして活躍する一方で、日本のワイン専門誌「Vinotheque ヴィノテーク」などでイタリアワインに関する紹介を続けています。

Guidoriccio_da_fogliano.jpg【photo】シエナ派の画家シモーネ・マルティニ作とされるグイドリッチョ・ダ・フォリアーノの騎馬像。騎乗の傭兵隊長が向かう先の砦が現在もフレスコ画に描かれた塔の痕跡が残るトスカーナ州グロッセート県のMontemassi モンテマッシ(上写真)
 カステッロ・ディ・アーマのヴィーノには、シエナの英雄グイドリッチョ・ダ・フォリアーノの騎馬像があしらわれる。誇り高き金色の騎士が描かれたのはマルコ氏にサインを頂いたお宝ワイン Chianti classico Vigneto Bellavista キアンティ・クラシコ・ヴィネート・ベラヴィスタ '97(下写真)

Bellavista_97.jpg 30名定員の試飲会に用意されたアイテムは白1本、赤4本、デザートワイン1本の計6本。カステッロ・ディ・アーマのエチケッタには全てシエナ派の画家 Simone Martini シモーネ・マルティニの手になる傭兵隊長グイドリッチョ・ダ・フォリアーノ像が描かれています。キアンティ・クラシコのエリアでも南端にあるガイオーレ・イン・キアンティは世界遺産の街Siena シエナのすぐ北側。13世紀に整備されたカンポ広場に面したPalazzo Pubblico(=市庁舎)の Sala del Mappamondo (=世界地図の間)に描かれたフレスコ画は、1328年にシエナが行ったMontemassi モンテマッシ攻略の功績を称えたものです。シエナの勢力拡大に尽力した英雄を描いたエチケッタには、銘酒キアンティの伝統を受け継ぐアーマの誇りと品質向上にかける決意が見て取れます。

 意気揚々と馬にまたがる傭兵隊長の派手な衣装とは対照的に、シックなissei miyake とyohji yamamoto が好みだというマルコ氏。この日はノーネクタイのホワイトシャツにゆったりとしたシルエットのブラックスーツに身を包んでいました。アルマーニやヴェルサーチェなどの高級イタリアンブランドではなく、日本人デザイナーの服を愛用していることを宮嶋氏に披露されてマルコ氏は苦笑い。私が学生時代に憧れたY'sや三宅一生がお好きだということで、親近感を覚えました。意外なネタばらしで場の雰囲気が和んだところで試飲会の始まりです。冒頭で挨拶に立ったマルコ氏は、カステッロ・ディ・アーマのブドウ畑は海抜500m前後という比較的標高の高い場所にあるため、寒暖の差がもたらすエレガントな酒質を備えていること、常にバランスの良い仕上がりを心がけていると述べました。
alpoggio_08.jpg       【photo】綺麗な印象のアル・ポッジョ'08

 まずはカステッロ・ディ・アーマ唯一の白ワイン、Al Poggio アル・ポッジョ'08から。フランス原産のChardonnay シャルドネを主体にPinot Grigio ピノ・グリージョを手摘みして混醸、24,000本だけがリリースされます。Poggio(=高台)という畑の名前から名付けられたこのヴィーノは、標高が高いTeritorio テリトーリオ(=仏語:テロワール→ブドウが栽培される環境・土壌の意)を感じさせるエレガントなトップノートに熟成で一部使用されるオーク樽由来のバニラ香が幅を与えます。仙台で牛タンを食べたと言うマルコ氏は、トスカーナ料理のボイルした牛タンとこのワインは相性が良いはずだと語りました。

 2本目・3本目はキアンティ地区において最も重要な品種とマルコ氏が語るSangiovese サンジョヴェーゼを80%、残り2割をMalvasia nera マルヴァジア・ネラ, Merlot メルロ, Cabernet Franc カベルネ・フラン 、Pinot Nero ピノ・ネロで構成する基幹アイテムのChianti classico Castello di Ama キアンティ・クラシコ・カステッロ・ディ・アーマの'06と'00。熟成能力の高いワンクラス上のキアンティであるRiserva リセルヴァ表記はないものの、法定熟成期間26ヶ月をクリアするカステッロ・ディ・アーマは、並みいるキアンティ・クラシコの中でも別格のヴィーノです。
castelloama00_06.jpg【photo】収穫された6年の時間的な差異以上に熟成能力に影響するヴィンテージの違いが表れた'00と'06のカステッロ・ディ・アーマ

 ブドウの作柄がダイレクトに味に反映するワインは、収穫年によって熟成能力が異なります。それを如実に感じたのがこの2本でした。'00のトスカーナは収穫期に雨が降ったため、決して恵まれた作柄ではありませんでしたが、収穫後10年を経た今がすでに飲み頃を迎えており、鼻腔を満たす香りが全開。今飲むなら断然'00をお勧めします。かたや'06は'01,'04と並び称される2000年代の優良ヴィンテージ。試飲会の開始時刻にあわせて抜栓した店側の配慮もあり、いくばくかは開花させつつあるものの、'00と比べればまだ十分とはいえません。まだ固く閉じた状態ですが、良質な酸味とビシッと目の詰まったタンニンからは熟成能力の高さがうかがえます。

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【photo】ヴィンテージの違いを如実に感じたChianti classico Castello di Ama キアンティ・クラシコ・カステッロ・ディ・アーマ'00(左)は熟成が進んでいるためオレンジ色を呈し香りも全開。かたや'06(右)はまだガーネットが主調の若い色。味もまだ固さが残る

 理想的な作柄に恵まれた'06ヴィンテージは、フィレンツェ大学で醸造学を学んだ後、キアンティ・クラシコ協会で働いていたマルコ・パッランティ氏がカステッロ・ディ・アーマの醸造責任者として迎え入れられた1982年から数えて25年目にあたります。そのため、特別に25の数字が浮き彫りされたボトルに銀婚式を意味するシルバーのキャップシールが施されています。エチケッタには、4組のオーナー一族の1人で妻のロレンツァさん自筆の 「Grazie Marco per questi 25 anni マルコ、この25年間ありがとう」というメッセージが記された特別なヴィンテージとなりました。

 20世紀最高のヴィンテージと騒がれた'97年以前は、とりわけポテンシャルの高いブドウが収穫される畑指定のブドウを用いた「Bellavista ベッラヴィスタ」と「Casuccia カズッチャ」の二種類のクリュワインが生産されてきました。 '64年から'78年にかけて植えられたブドウの樹齢が上がり、高い品質のワインが生産できると判断した'97以降は、特に優れた作柄の年(→'99・'01・'04・'06 の4つ)にだけ2種類のクリュワインが生産されるようになりました。この日はChianti classico Vigneto La Casuccia キアンティ・クラシコ・ヴィネート・ラ・カズッチャ'04 が試飲できました。

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【photo】グラスから立ち上るなまめかしい香りをお届けできないのが残念! 妖艶な表情で魅了するChianti classico Vigneto La Casuccia キアンティ・クラシコ・ヴィネート・ラ・カズッチャ'04 はキアンティの既成概念を覆す出色の出来(左) 偉大なワインの特徴であるベルベットのようにソフトな口当たりと密度の濃い複雑な構造が同居するL'Apparita ラッパリータ'05(右)

 用意されたリーデルのボルドーグラスをゆっくりとスワリングすると、色気のある芳香が立ち上ってきます。ひと口含んだ粘性の高い液体の何と表情の豊かなこと!! エッジが突出することのない見事な調和を見せながら、さまざまなニュアンスが山びこのように次々と現れてきます。男性的なBellavistaと比べて砂礫の多いCasuccia の区画は柔らかさが身上。サンジョヴェーゼにメルロを15%混醸したこのヴィーノのいつまでも消えることの無い余韻に浸りながら、まるで万華鏡を味わっているようだとマルコさんに感動をお伝えすると、醸造家は嬉しそうに微笑むのでした。

 トスカーナ州では初めて栽培に取り組んだというカステッロ・ディ・アーマのMerot メルロは、骨格を成すサンジョヴェーゼの補助的な役割で植えたにすぎないといいます。高評価の中で争奪戦が巻き起こり価格が高騰するトスカーナ産メルロワイン。その火付け役となったL'Apparita ラッパリータの'05ヴィンテージを赤の4本目に頂きました。何を隠そうイタリアの熟練の技が生む皮革製品に目が無い皮フェチな私。上質ななめし皮に喩えられるラッパリータのシルキーな持ち味は決して良い天候ではなかったこの年も全開です。vinsanto_ama04.jpg寸分の隙すら見せないさすがの出来でした。マルコ氏によれば、キアンティ・クラシコのブレンド用に使用するメルロの栽培区画と、このカルトワイン用の畑を分けているとのこと。

 【photo】淡い琥珀色のVinsanto ヴィンサント'04
 
 最後はデザートワインのVinsanto ヴィンサント'04。収穫した白ブドウMalvasia マルヴァジア とTrebbiano トレッビアーノを陰干しして1/5程度の重量にまで水分を除き、干しブドウ状態となったブドウを5年の長期に渡って温度差の激しい屋根裏部屋で作るトスカーナ伝統のワインです。カステッロ・ディ・アーマのヴィンサントは初めて口にしましたが、マルコ氏の解説通り、甘さを抑えた造りになっていました。トスカーナ料理の饗宴を締めくくる甘いドルチェやハチミツを垂らした羊乳チーズ「Pecorino Toscano ペコリーノ・トスカーノ」などと相性が良さそう。ブドウが持つピュアな甘さを極限まで抽出し、唯一無二の高みに昇華する「Avignonesi アヴィニョネジ」と「San Giusto a Rentennano サン・ジュスト・ア・レンテンナーノ」の二大巨頭が Vinsanto Toscano ヴィンサント・トスカーノの白眉と考えるゆえ、同じヴィンサントでもタイプが異なるものでした。

marco_article.jpg【photo】サイン欲しさに私が持参した「グレートヴィンテージ・1990年のキアンティ」の出力紙に目を通すマルコ・パッランティ氏

 ラ・カスッチャ'04とラッパリータ'05は、現在の価格が2万円前後の高級ワインゆえ、両方ともゲットするには相当の勇気を要します(笑)。イタリアワイン好きの私がここぞと奮発したのは、綺麗な酸味を伴うサンジョヴェーゼらしい珠玉の一本、ラ・カズッチャ'04です。加えて産地を訪れた年のワインは必ず口にするというポリシーに則ってキアンティ・クラシコ・カステッロ・ディ・アーマ'06 のほか、今では稀少なバックヴィンテージの優良年'99を確保、いずれにもしっかりとマルコ氏のサインを頂きました。

 この日のためにプリントアウトした「グレートヴィンテージ・1990年のキアンティ」のブログ記事とともに差し出したのが、自宅のワインセラーから探し出して持参したChianti classico Vigneto Bellavista '97。世紀のヴィンテージ騒動がさめやらぬリリース直後にミラノのPeckで購入し、あまたのセラーアイテムとともに10年以上の眠りについていた一本です。まだ当分は開けるのがもったいないレア物のcon_marco.jpgエチケッタにもこうして作戦通りにサインを加えることができたのでした。

 めでたし、めでたし。
  (⇒ なんだ、セラーのコヤシ自慢かよっ ヽ(`ε´*)

【photo】購入したChianti classico Vigneto La Casuccia キアンティ・クラシコ・ヴィネート・ラ・カズッチャ'04 にもサインを頂き満悦至極の筆者とマルコ・パッランティ氏

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ワインショップ・エノテカ 仙台藤崎店
仙台市青葉区一番町3-4-1 藤崎一番町館1F
Phone:022-265-2303 Fax:022-265-2304
営:10:00~19:00
URL:http://www.enoteca.co.jp/
E-mail:Sendai_shop@enoteca.co.jp

Castello di Ama カステッロ・ディ・アーマ
Località Ama 53013 Gaiole in Chianti - Siena - Italia
URL:http://www.castellodiama.com/

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2010/05/09

(みやび)に香る「いぶりがっこ」

薪の香は 移りにけりな だいこんに...
    これぞ秋田が生んだ珠玉の発酵食品

iburigakko_barolo.jpg【photo】協働学舎のカマンベール「笹ゆき」と絶妙の組み合わせとなるいぶりがっこ。イタリアワインの王Baroloバローロ屈指の名醸「E・Pira e Figli エンリコ・ピラー・エ・フィリ」きっての高貴な単一畑Cannubi カンヌビ'96 と十分に渡りあう。収穫後14年を経てやっと飲み頃の入口に差し掛かった著名な女性醸造家キアラ・ボスキスが手掛ける素晴らしい一本と掛け算の好相性を発揮。Buonissimo!

 まずは前々回「桜と名残り雪」でご紹介した共働学舎新得農場の世界が認めるカマンベールとベストマッチなワインの良き伴侶のタネ明かしから。チラ見せした写真でお察しの通り、それは秋田県南部で愛されてきた漬物「いぶりがっこ」です。

iburigakko_image.jpg【photo】雪国・秋田の風土が生んだ保存食いぶりがっこは漬け込む前工程として燻煙処理を施す。香ばしい広葉樹の香りが深い味わいを生む(右写真)

 大根を糠漬けする一般的な沢庵漬けのようにまず寒風のもとで日干しされるのではなく、収穫後に水洗いした秋大根を囲炉裏の上に吊り下げて燻醸・乾燥させてから糠漬けするのが伝統的な製法です。これは晩秋から冬場は雪模様が続き、冬の日照時間が全都道府県の中で最も少なく、北西の季節風が山々によって遮られる秋田内陸地方特有の気象条件ゆえのこと。小正月に横手で行われる行事「かまくら」をみても判るとおり、そこは我が国屈指の豪雪地帯なのです。ゆえにいぶりがっこは雪国で暮らす人の知恵が生んだ産物といえます。

sannai_PA.JPG【photo】横手市山内筏地区にある秋田自動車道山内PA‎より大日向山(写真左手奥)方向を望む。いぶりがっこはこの山里の風土から生まれた(上写真) 無添加・無着色の手作業で作られる秋田県湯沢市 伊藤漬物本舗のいぶりがっこ。決して見栄えは良くないが・・・(下写真)

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 黒ずんでしなびたその外観は、お世辞にも食欲をそそるものではありません。それでもひとたびスライスしたそれを口に含めば、パリっとした歯ごたえと、燻煙する薪に使われるナラやサクラ・リンゴといった広葉樹の心地よい香りが後を引きます。「がっこ」は秋田の方言で漬物のこと。一風変わった名前は「(みやび)るもの」が語源といわれるのも合点がゆきます。スモーキーな香りと入り混じるのは、米糠に含まれる微生物の働きによって醸成される深い旨味。そのまま頂いても充分に美味しいのですが、熟成が進んだカマンベールとミディアム~フルボディで味の構成要素が複雑な赤ワインとの饗宴はまた格別。・・・こりゃ、たまらんわ。

 いぶりがっこ作りが盛んな秋田県南、奥羽山脈沿いの仙北・平鹿・雄勝地域にあって、とりわけ多くの農家が自家製いぶりがっこを作っているのが、横手市街から南西方向に直線距離で15kmほど離れた山内(さんない)地区です。秋田自動車道横手ICから山あいに入り込み、優に30分を要するそこは、隣接する東成瀬村にほど近い山里。自家消費する分だけを作る例を含めて100軒以上の農家がいぶりがっこ作りを行う地区の腕自慢が持ち寄るがっこの味・色・香り・歯ざわりなどのiburinpic_2010.jpg出来栄えを競う「いぶりんピック」が2007年(平成19)から横手市と山内いぶりがっこ生産者の会により行われています。その狙いは農家の高齢化により減り続けている伝統技術の伝承・保護と、メディアを通した知名度の向上にあります。

【photo】「さて今年の出来栄えは?」 真剣な表情で味・色合い・歯応えなどをチェックする五十嵐 忠悦横手市長ら8人の審査員。今年1月に開催された第4回いぶりんピックのクラシカル部門には「山内いぶりがっこ生産者の会」会員農家から27人が丹精込めた自家製いぶりがっこを出品した 〈写真提供:横手市産業経済部〉

 化学調味料など一切の人工的な添加物を用いない本来の味を追求する「自家製法部門」、市販の調味料を使用した「漬物の素部門」、特に規定を設けない「フリースタイル部門」という3カテゴリーが設けられ、27名の生産者が43点を出品して完成度を競ったのが初年度。3回目の昨年からは、それまでの自家製法部門にあたる横手市民を対象とする「いぶりがっこクラシカルスタイル部門」と、県外からも参加可能で大根以外の食品でエントリーする「いぶりフリースタイル部門」の2ジャンルとなりました。

medalist_iburinpic.jpg【photo】いぶりがっこの象形文字が秀逸な横断幕が掲げられた審査会場に勢揃いした第4回いぶりんピックのメダリストたち。クラシカル部門で金、フリー部門で銀のダブル受賞を果たし、金樽を手にする高橋トシさん(写真中央)。フリー部門で金賞に輝いた宮城県名取市在住の鈴木敬一さん(右から2番目)〈写真提供:横手市産業経済部〉

 クラシカルスタイル部門でいぶりがっこ本来の味を競う山内地区の方たちは、初代自家製法部門優勝者のレシピを基にした統一ブランド「金樽」(1本700円・約400g)を数量限定で一昨年より販売しています。いぶりんピック優勝者には、伝統的ないぶりがっこ作りに欠かせない秋田杉を用いた樽にちなんで金メダルならぬ「金樽」が贈られます。コンテスト優勝者のレシピを再現した最強のいぶりがっことも呼ぶべき金樽ブランドで全国におらが郷土食の素晴らしさを発信をしようという試みです。

iburi_gakkou.jpg 【photo】生産農家による大根の栽培から実際の漬け込みまでの実技指導と講習などが行われる「山内いぶり学校」。6 回のカリキュラムを終え、2009年3月に実施された卒業試験を無事クリア、卒業式後に晴れがましい表情を見せる20名の第一期生〈写真提供:横手市産業経済部〉

 山内地区の農家が廃校となった地元の小学校で横手市民を対象にいぶりがっこ作りを伝授する「山内いぶり学校」が2008年(平成20)から開設されています。同年11月に行われた開校式の模様は、第一期生となった横手市在住のフードコーディネーター、「オフィスNORIMAKI」代表のたなかのりこさんが、食WEB研究所「ご当地グルメ発見伝」にレポを投稿されています。ともすると埋もれがちな地域資産を掘り起こし、そこに広がりと持続性を求めるには、まずは足元から。これは鉄則ですね。

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 小泉 武夫 東京農大名誉教授は、今年1月の第59回河北文化賞贈呈式で記念講演を行いました。「発酵王国・東北の食文化」と題する講演の中で、肉・魚・チーズなどを燻製にしたスモーキーな味を一般に好む欧米人に、いぶりがっこは充分通用しうる世界に誇るべき発酵食品であると発酵学の権威は太鼓判を押しました。金樽ブランドのいぶりがっこはアジア諸国へも輸出するそうです。寿司・天ぷらに続いて五大陸に雄飛せよ! われらが世界ブランド iburigakko!!

【photo】横手市中心部から奥羽山脈の懐深くに分け入る山内三又地区。山里の風土が生んだいぶりがっこを作り続けて40年以上という高橋麗子さん

 名人の呼び声が高い山内三又(みつまた)地区の高橋 麗子さん(76歳)は、ご子息の登さん(60歳)の奥様で第1回いぶりんピックで最優秀となる自家製法部門金賞の栄誉に輝いた篤子さん(58歳)とともに、栽培する1万2千本から3千本の青首大根と近年復活を遂げた在来種の「山内ニンジン」(⇒詳しくはコチラを毎年漬け込んでいます。

 囲炉裏のある家庭が少なくなった現在では、燻煙専用の「いぶり小屋」で大根を燻醸するようになりました。いぶり小屋には煙が上から抜けやすい茅葺屋根が適しています。火を扱う作業であることに加え、煙を絶やしてはいけないため、昼夜を問わず細心の注意が求められます。加えて煙が均等に回るよう、吊り下げた大根の吊り下げる場所を定期的に移動しなくてはなりません。青首大根は組成の90%以上が水分のために重く、縄1本につき12本前後の大根が下がる重さは10kg以上。数多くのカバーが生まれたプラターズの名曲 Smoke gets in your eyes ではありませんが、煙が目にしみるいぶり小屋での作業は生易しいものではありません。

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 【photo】収穫した大根の葉を落とし、水洗いしてから燻煙するのがいぶりがっこ作りの手順。高橋麗子さんは熟練の手さばきで次々と大根を結えてゆく(左写真) いぶり小屋で作業にあたる高橋 登さん・篤子さんご夫妻。火加減には細心の注意が必要(右写真)

 例年11月上旬から12月中旬にかけて漬け込み作業を行う高橋さん宅では、燻醸にはナラとサクラの薪を使い、地元の方たちの言い回しで"4泊5日"をかけています。日って昼夜を問わない作業を表す面白い表現ですよね。家ごとの味があるいぶりがっこだけに、家庭によって薪の種類や燻す長さは丸4日から6日と幅があり、漬け込みに使用する味付けの材料もまたさまざま。高橋家では、11月上旬から12月中旬にかけて行う漬け込みには、糠のほかに玄米・ざらめ砂糖・海塩・麹などの自然素材だけを使います。

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【photo】4泊5日の燻煙工程を終えた大根を紐からはずす高橋麗子さん。煤(すす)を洗い流してから、樽で漬け込まれる(左写真)。  がっこの漬かり具合をみる初代いぶりんピック金賞の栄誉に輝いた嫁の篤子さん(右写真)

 半世紀近くいぶりがっこを作り続けてきた麗子さん直伝の製法を受け継ぐ篤子さんは、仕上がりの発色を良くするためにウコンや紅花を用いるなど、ちょっとした工夫を加えています。細身のニンジンは仕上がりが早いものの、大根は秋田杉の樽でおよそ50日間漬け込みます。寒さが厳しく仕上がりが幾分遅れたという今年は、3月24日に最後の作業を終えたそうです。とりわけ雪が多い地域ゆえ、仕上がったいぶりがっこは雪室で保存します。近頃は体調が優れずに伏せる日が多くなったという麗子さんですが、またお元気になって伝統の味を末永く伝えてほしいものです。

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 残念なことに一般に流通するいぶりがっこの中には、市販される多くの漬物がそうであるようにソルビン酸K(保存料)、サッカリン(甘味料)、タートラジン(一般に黄色4号と呼ばれる着色料)といった人工的な添加物や「アミノ酸等」と表記されるうま味調味料(=化学調味料)を用いた製品が見受けられます。 秋田県内に店を構える大手スーパーや道の駅などで扱ういぶりがっこにしても大方はそう。(シーズンには30軒ほどの農家の手作り品がズラリと並ぶR107沿いにある「道の駅さんない・ウッディらんど」の売店はこの限りにあらず)

【photo】伊藤漬物本舗のいぶりがっこは、合成着色料・保存料・人工甘味料などの添加物を使用しないため、いぶりがっこ本来の味を知りたい方にお勧めしたい逸品だ

 特に味覚の形成途中にある子どもにはホンモノの味を覚えてほしいと思う者のひとりゆえ、繊細な味覚をもつ日本人が大切にしてきた自然な旨味を活かした伝統食が、こうした状況に陥っている事実は全くもって残念なことです。ともすると見栄えを重視しがちな消費者心理も問題ですが、どちらにせよ無添加の漬物を届けてくれる良心的な生産者の存在は有難いもの。

iburigakko_ito2.jpg 【photo】これが自然ないぶりがっこの色。しみじみと味わいたい

 平安前期の女流歌人で、秋田美人の元祖ともいうべき小野小町の出生地とされるのが秋田県湯沢市です。小町の故郷で1965年(昭和40)に創業した伊藤漬物本舗は、そんな品質にこだわったいぶりがっこを届けてくれる生産者です。同社では、年産約2万本のいぶりがっこや秋田県南特産の「ナスの花ずし」などの製品を13年前から無添加に切り替えています。仙台市青葉区サンモール一番町で先月開催された物産市マルシェ・ジャポン【注】会場に、同社の伊藤 明美 代表の姿がありました。

 素材の味を活かすよう低塩化したという同社のいぶりがっこは、けれんみの無いしみじみとした味が魅力です。燻煙材に使用する薪はサクラとナラが8対2の割合。akemi_ito.jpgナラ材よりもスモーキーな香りがしっかりと付くサクラをメインに、4泊5日で燻煙をかけた後、全て手作業で漬け込みを行います。「正直な漬物」をモットーに作る伝統を重んじたいぶりがっこを気軽に楽しんで欲しいと考えた伊藤さんは、食べやすいように小分けにした真空パックのワンコイン製品や、スルメと昆布の旨味を効かせたいぶりがっこの松前漬、素材を燻すという秋田の食文化に着想を得たこの春発表の自信作「燻り塩」と「燻り醤油」などの新商品開発にも意欲的に取り組んでいます。基礎調味料を燻すことによって料理の味の幅が広がるので、ぜひ組み合わせの妙を楽しんで欲しいとのこと。

 【photo】いぶりがっこを筆頭に食品を燻す秋田の食文化の啓蒙に意欲的な伊藤明美社長。年間100日は全国の物産展などに出向いて直接消費者と接するという二代目は「仙台でも声をかけてくれるお馴染みさんが増えました」と笑顔で語る

 古今和歌集に収められた「花の色は 移りにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせし間に」は、晩年の小野小町が詠んだものとされます。自分が無為に時を過ごしている間に、桜の色もいつしか移り変わってすっかり色あせてしまった、という意味。絶世の美貌を称えられた小町も寄る年波には勝てず、見頃をとうに過ぎ、散りゆく桜に自身を重ね合わせて儚(はかな)さを憂いています。黒ずんで皺だらけのいぶりがっこは、年老いた卒塔婆小町の肌を連想させなくもありませんね。いぶりがっこの里で生まれた六歌仙への返歌で今回は締めくくるとしましょう。

 薪の香は 移りなけりな だいこんに 雅香ひと口 噛み締めし間に
   ・・・オソマツ ( ̄ー ̄;)

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伊藤漬物本舗
秋田県湯沢市角間字白山下26
phone:0183-73-7716
F a x :0183-72-6823
URL: http://www.aiakita.jp/itou.html
E-mail :info@ito-tsukemono.co.jp

※仙台では藤崎、ザ・モール仙台長町、SELVAなどに出店している漬物専門店「丸越」で伊藤漬物本舗のいぶりがっこを扱う

【注】 生産者と消費者を結び、食料自給率向上・地産地消を推進するといいながら、産地を想起するにはおよそミスマッチな仏語のネーミングと、短絡的な仏国=アコーディオンという前世イタリア人が鼻白む(笑)BGMが流れる会場。高齢化が進む生産現場の実態と地域性を無視した画一的な霞ヶ関の発想が破綻を来たした証に、仙台では回を追うごとに出店者が著しく減少している。火を見るよりも明らかな予想通りの展開だが、事業仕分けで廃止が決まり、今や「マルシェ・ドボン」と呼びたいこの事業に6億円もの多額の税金が投入された事実を鑑みると思いは複雑。う~む...

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2010/05/05

お馬の親子

こどもの日生まれの寒立馬
  in 尻屋崎 @下北半島

shiriya_kandachi1.jpg 【photo】尻屋崎灯台へと向かう道すがら、のんびりと草をはむ寒立馬と出合える。こうした牧歌的な風景は北国に遅い春が訪れる4月末から雪の便りが届く11月までのみ。雪交じりの北西の寒風が吹き抜ける冬季は越冬用の牧草地に移動し、雪の下から下草を自力で掘り出さなくてはならない。これは群れのリーダー格に当たるメス馬たち

 本州最北東端の地で生まれたばかりの「寒立馬かんだちめ」の赤ちゃんと出合ってきました。寒立馬は駿馬の産地として平安時代より知られた南部地方で外国馬との交配から生まれた野放し馬と呼ばれた南部馬の田名部馬を祖とします。フランス・ブルターニュ原産の輓馬Breton ブルトン種と、厳冬期には氷点下40℃もの極寒の地で生きるモンゴル馬の血を引く小柄な馬は、粗食に耐えながらも持久力に優れ、かつては農耕馬や軍用馬として重用されました。

kandachime_2.jpg【photo】厳しい環境を生き抜くたくましさを感じさせる武骨なヒヅメと太い足。全体にがっしりした胴長短足体型の寒立馬。それぞれに飼い主がいる放牧馬であり、純粋な野生種ではない。農耕用・軍用ともに需要が多かった昭和10年ごろが荷役馬としての全盛期で150頭あまりが飼育されていた。食用でもあるこの馬を可愛らしいと見るか、美味しそうと見るかはアナタ次第
 
 農業機械の普及により、農耕馬としての需要が落ち込んだ高度成長期には、わずか9 頭にまで頭数を減らしたこともある寒立馬。行政が保護に乗り出した現在では成馬・仔馬あわせて30頭ほどが東通村尻屋崎周辺で古来より「四季置附(しきおきづけ)」と称する年間を通した放牧がなされています。2002年(平成14)に青森県の天然記念物に指定されて以降は観光資源にもなり、種馬となるオス以外の2歳になったオス馬は食用として出荷されています。

kandachime_3.jpg【photo】津軽海峡と太平洋に面した尻屋崎の海沿いが放牧地となっている。海に面したこの牧草地の南側に越冬放牧地のアタカがある

 寒立馬を管理する尻屋牧野組合の寺道 和廣 組合長の説明によれば、現在4つのグループに分かれて放牧が行われており、通年放牧されるのはメスと仔馬のみ。4月~12月は岬の牧草地を風向きや天候によって場所を移動しながら草をついばみます。寒さが最も厳しい1月~3月は、尻屋漁港北側のアタカ(画像はコチラという牧草地に集められて越冬します。氷点下10度を下回る吹雪の日には、避寒のために母親が仔馬を松林の中に入るよう促すのだといいます。厳しい本州最果ての地で冬を越せるように仔馬をある程度まで成長させるため、自然交配による出産シーズンが4月末から5月上旬となるよう、オスは一定期間群れから引き離されます。ゆえに私が訪れたこの日、オスはまだ群れの中にはまだ居ませんでした。今年は4月26日に初めて仔馬の誕生があったそうです。

shiriyasaki_todai.jpg【photo】本州最北東端にある尻屋崎灯台は東北地方初の様式灯台。1876年(明治9)年に建てられたレンガ造りとしては我が国最大の灯台。上にばかり気を取られていると足元にある寒立馬の落し物(写真手前)を踏みかねない。ご用心ご用心

 尻屋崎灯台へ続く道にはゲートが設けられ、朝7時にならないと車で中に入ることは出来ませんでした。私がそこに着いたのが早朝6時30分。奥の牧草地では5 頭の馬が思い思いに草をはんでいます。ゲートの脇に設けられたビジターセンター前に設けられたケージには、一組の黒毛の親子が寄り添っていました。居合わせた吉 幾三似の管理人・山本 光明さんの話によると、その仔馬は朝方5時40分に生まれたばかり。まだ足が震えている仔馬は、おぼつかない歩みで母馬のまわりを甘えるようにゆっくりと回っていました。母親のおっぱいを探すそぶりを見せますが、上手くゆかないため、母親が優しく後ろ足の付け根にある乳へと仔馬を促します。

kandachime_oyako.jpg【photo】生まれたばかりでやっと立ち上がった仔馬の体をなめる母馬に甘えるようにその周囲をゆっくりと回る仔馬

 群れを探しながら場所を移動すると、黒毛だけでなく淡い栗毛や白い毛の馬の姿も認められます。そこにいたのが、今年最初に生まれ、生後12日を迎えた黒毛の仔馬でした。先ほどの生まれたばかりの仔馬とは違って、おっぱいの吸い方も堂に入ったもの。よほどお腹が空くのでしょう、チューチューと音を立てながら母親のお腹の下に首をもぐりこませていました。そこに毎日バイクで馬たちの様子を見てまわるという自称・吉 幾三の兄こと管理人の山本さん(⇒別名:吉 幾二さん?)が登場、寺道 組合長と話し始めました。淡い栗毛の馬を指してサクラがどうした、若菜がどうしたなどと言っています。どうやら一頭ごとに名前がちゃんと付いているようです。

kandachime_4.jpg【photo】生後12日で体がひと回り大きくなっても、母馬のそばを離れようとしない仔馬

 春爛漫の桜を満喫した弘前城から風の岬ともいわれる竜飛崎へ、さらに下北半島まで青森を周遊した今年のGW。つがる市に残る日本最古とされるリンゴの木や、田舎館村にある弥生時代の水田跡から発見された家族の足跡がある垂柳遺跡など、かねてより訪れたかった地への訪問が叶いました。2年ぶりとなった弘前「ダ・サスィーノ」では、地方で食するイタリアンでは間違いなく頂点にある完成度の高いコース料理を堪能し、旅の終わりに優しい目をした寒立馬の親子に心和んだのでした。

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