あるもの探しの旅

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2010/10/31

豊穣なる山の恵み〈後編〉

♪ キノコの山は食べ盛り@青嵐舎

 さまざまにアレンジされたキノコ料理がふんだんに並ぶ青嵐舎の「秋の実りご膳」を初めて頂いたのは、昨年の10月11日(日)。店で売られている物ではなく、女将である篠 育さんの父・工藤 朝男(ともお)さんとご主人の清久さんが山中に分け入って採ってくる山の幸に手を加え、訪れる人に提供するのがポリシーです。植林された二次林ではなく、ほとんどを人の手が加えられていない自然林のもとで育まれる大鳥の天然キノコや原木キノコは、人工的な栽培キノコとの違いは歴然でした。

kudou_mamma.jpg【photo】青嵐舎周辺を散策しながら立ち寄った工藤朝男商店では、お母様の昭子さんが前日ご主人が運びあぐねた30kgの天然マイタケの残りを切り分けていた。貴重なその天然マイタケをお土産にと頂いてしまった。もっけでした~ (^0^ )

 地元で食料品店を営む朝男さんは、今年74歳を迎える現役のマタギです。狩猟を趣味で行うハンターではありません。その違いとは・・・。マタギ文化研究所顧問でもある朝男さんは、「山の恵みはその半分を頂くのがちょうどいい」と、大鳥に移住してきた清久さんに語っていたそうです。自然が本来備えている恢復力を損なわぬよう、節度をもって接しさえすれば、人間は末永くその恩恵に浴することができるという意味です。都会育ちの清久さんにとって、山の掟(おきて)のもとで生きてきた義父は、知恵袋であり、師匠にあたる存在です。

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 各地で相次ぐクマの人里への出没は、彼らの主なエサとなるブナやミズナラの実が猛暑の影響で不作だからだといわれます。人的被害を避けるため、やむなく駆除されるクマは人間のエゴが生んだ異常気象の被害者そのものに映ります。山の全てを知り尽くしたマタギは、日々の糧を与えてくれる大いなる自然に対し、畏敬の念をもって節度ある採取を行う縄文的な狩猟採集文化を受け継ぐ人々です。弥生時代、農耕文化の登場によって忘れ去られたかにみえる狩猟文化は、東北の山村で生き続けてきました。

【photo】勝手知ったる山中でナラの樹にビッシリと生えたキノコを採取する工藤 朝男さん

 育さんが庭の花を摘みに行ったら、数メートル先の茂みにクマがいたとか、店の前の道をクマが歩いていたなどと事もなげに語る工藤 昭子さん。大鳥の人々は野生の領域で暮らすたくましさを備えています。ゆえに大鳥では、クマが出没してもニュースになりません。生態系を破壊し、資源を枯渇に追いやる貪欲な現代文明とは対極にあるその暮らしぶりを知るには、青嵐舎の蔵書にもあった「マタギ 矛盾なき労働と食文化」(田中 康弘著・枻(エイ)出版社刊)が格好の一冊となるでしょう。著者は秋田県阿仁町のマタギ村を16年に渡って通いつめ、豊富な写真と共にマタギの姿を丹念に紹介しています。

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【photo】毎年5月にクマの冥福を祈る熊まつりを執り行う小国町の道の駅「白い国おぐに」では、地元でシシと呼ばれるツキノワグマの熊汁(1杯500円)を味わうことができる

 新潟・村上を経由して大鳥へと向かったその日、飯豊・朝日連峰が連なる山形県西置賜郡小国町にある道の駅「白い国おぐに」で、味噌仕立ての熊汁を昼食に頂いていました。たっぷりのダイコン、ゴボウとともに野生的な歯応えのシシ(クマ)肉が申し訳程度に(笑)入っています。ツキノワグマは、栄養を蓄えた冬から春先が最も脂が乗って肉質が良い時期なので、2年前のGWに頂いた脂が乗ったマタギ汁より淡白な印象なのは致し方ないこと。シシを分け与えてくれた山ノ神に感謝しつつ、野生モードにスイッチして大鳥へと向かったのでした。

 それでは1年ぶりとなる青嵐舎の背後に広がる豊穣なる山の恵みをご紹介しましょう。

《食中酒》
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【photo】 酒器は村上漆器一合徳利。鶴岡・大山の加藤嘉八郎酒造 特別純米「大山」をぬる燗で(左写真) 2本目は羽黒の銘酒・亀の井酒造「くどき上手」純米吟醸を冷やで味わう(右写真)

《前菜》
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【photo】自家製がんもどきと天然マイタケの煮物(左写真) もって菊の酢の物クルミ和え(右写真)

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【photo】 マスタケのバター含め煮 のし梅とサーモン・チーズのミルフィユ仕立て もち米とクルミのアケビ巾着(左写真) 自家製くるみ豆腐(右写真)

《椀物・香物》
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【photo】百合根とズワイガニの葛餡かけ(左写真) 大根の山ブドウ漬け・アオミズの茎と巨大な実・キュウリのおひたし(右写真)

《焼魚・和え物》
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【photo】イワナ塩焼き(左写真) もだし(ナラタケ)の和え物(右写真)

《和え物・洋皿》
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【photo】ブナハリタケの和え物(左写真) ヤナギシメジのデミグラスソース(右写真)

《ご飯・吸い物》
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【photo】むかごご飯(左写真) 原木ナメコ・もだし・ブナハリタケのキノコ汁(右写真)

《果物・デザート》
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【photo】旨さにビックリ、茹でヤマグリ(左写真) ヤマブドウのシャーベット(右写真)

 ご覧の通り、これでもかと山の幸が登場しました。そのいずれもが滋味深く、洗練された味付けがなされていました。山里の豊かさを味わってもらおうと、厨房で奮闘していた育さんが、やがて黒い液体が入った瓶を手に席に加わりました。ご自身が採種された熟する前のクルミを青い外皮のまま半分に割り、アルコール度数96度の世界最強ウオッカとして知られる「Spirytus スピリタス」をベースに、砂糖とスパイスを加えて漬け込んだ自家製酒だといいます。2ヶ月ほど漬け込むうちに真っ黒に変色し、アルコール度数がクルミの水分で幾分和らぐのだそう。

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【photo】今シーズン初めて挑戦したという青グルミ酒。極めて美味ゆえ、その真っ黒な外見にたじろぐなかれ。このファースト・ヴィンテージ・ボトルは、島村 奈津さんがお持ち帰りになった

 じっくりお話しするのは初めての育さんでしたが、興の赴くまま話題は多岐に及びました。聞けば翌週、スローフード山形の世話役である山菜屋《Link to website 》の遠藤 初子さんが、ノンフィクション作家の島村 奈津さんと共に宿泊する予定になっているとか。お二人を存じ上げている私も「ご一緒にどうですか?」と育さん。願ってもないステキなお誘いでしたが、ウイークデーであったため、残念ながら再訪は叶いませんでした。

nocino_malpighi.jpg【photo】モデナで調達した青グルミの酒「Nocino ノチーノ」。ベースとなるアルコール度数が24度のリキュールに未熟な青い Noce ノーチェ(=クルミの伊語)を加える「Nocello ノチェロ」とは違い、ベースが40度から80度の強烈な酒ゆえ、口当たりは良いが、飲みすぎは禁物

 勧められるまま、都合4 種類の自家製リキュールをご馳走になりましたが、私が最も気に入ったのが、青グルミ酒です。甘くほろ苦いコクのあるその味には覚えがありました。イタリアには、消化促進のための Digestivo ディジェスティーヴォ(=食後酒)が数多く存在します。そのひとつが、青グルミを仕込んで造る 「Nocino ノチーノ」。エミリア・ロマーニャ州モデナの伝統製法で造る「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」製造元 Malpighi マルピーギ社をかつて訪れた際、ペロっと試飲して気に入り、50年熟成のバルサミコとともに買い求めたのがノチーノでした。よもや大鳥でイタリアの味と出合うとは、驚き桃の木クルミの木!! 翌週、青嵐舎を初めて訪れた島村さんも、すっかり自家製ノチーノを気に入り、一瓶を持ち帰ったのだといいます。

 育さんとの楽しい語らいは深夜まで続きました。懐が深い山里・大鳥の魅力に触れるなら、ぜひ、青嵐舎お手製の秘蔵酒をお供にされますよう。

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青嵐舎と大鳥の日々を綴る清久さんのブログも要・チェック !
山里便り http://blog.goo.ne.jp/mataginodesi

青嵐舎 (旅館・オーベルジュ(その他) / 鶴岡市その他)
夜総合点★★★★ 4.5

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2010/10/24

豊穣なる山の恵み〈前編〉

大自然に抱かれた深閑の山里・大鳥

lago_otori_2004.9-1.jpg【photo】東大鳥川沿いのダート道を泡滝ダムまで車で進み、朝日連峰登山口から山に分け入る。およそ2 時間で大鳥小屋に至り、やがてタキタロウが潜むという大鳥池が、その名の由来となった羽根を広げた鳥というより、クマの全身毛皮のような姿をみせる

 幻の怪魚「タキタロウ」が棲む大鳥池で知られる鶴岡市大鳥地区。あまたの恵みを庄内平野南部の田畑にもたらす水量豊かな赤川水系も、ここ上流域では東西の大鳥川と呼ばれる二筋の急峻な流れとなります。仙台在住の作家・熊谷 達也氏が、過酷な大自然の掟に立ち向かうマタギの生きざまを描いた直木賞受賞作「邂逅の森」(文春文庫)の舞台となった広大なブナ林が奥地へと続いています。その源流域は、以東岳(1771m)を主峰とする朝日連峰で、新潟・山形の県境となっています。

otori_takaoka2010.jpg【photo】東西ふたつの大鳥川が出合う河合橋にて。この東大鳥川を遡ると周囲の山々をその碧い水面に映し出す大鳥池へと至る

 タキタロウ公園オートキャンプ場が整備された大鳥は、朝日連峰への玄関口として、また渓流釣り愛好者にとっての拠点となる山里です。この地は落人の村とされ、平安末期から鎌倉にかけて伊豆伊東荘(現在の静岡県)を拠点とした武将・工藤祐経が曾我兄弟に仇討ちされた1193年、その弟大学は伊豆に逃れたのち、一族郎党20名ほどを引き連れ、人里離れた山深い大島の地で集落を創始しました。そのため工藤姓が多い大鳥は、庄内地域でも独特の言葉が残ります。その経緯は、飯田 辰彦 著「淡交ムック ゆうシリーズ 美しき村へ 日本の原風景に出会う旅」(2007年 淡交社 刊)に詳しく紹介されています。

kabutozukuri_oohari.jpg【photo】大鳥へと向かう道すがら、旧朝日村大針地区付近で、もはや住む人がいない一軒の兜造りの多層民家がそぼ降る雨に濡れていた。雪深いこの地域では、上階の窓から冬は出入りしていた。そうした記憶もこの廃屋とともに朽ち果ててゆく

 2月上旬、深い根雪に埋もれる大鳥では、「マタギの里 白銀の世界 in 大鳥」という冬祭りが催されます。またの名を「うさぎ祭り」。...ん? うさぎ祭り@マタギの里?? 庄内浜各地で真冬に行われる「寒鱈まつり〈Link to backnumber 〉」ならば、ここ数年毎年訪れていますが、今年1月に初めて知ったうさぎ祭りの内容は、実に興味をそそるものでした。雪上でカンジキを履き、追っ手と捕らえ手に別れて雪穴に潜む野ウサギを追い込む「巻き狩り」を行うというのです。マタギ体験(⇒素人対象ゆえ、猟銃は当然のこと用いない)の後、ウサギ汁がどぶろくと共に振舞われるという、マタギ文化の片鱗に触れる願ってもない機会ではありませんか。激しく心惹かれたのですが、残念ながら都合が折り合わず参加を見送ったのでした。今年こそっ!!

kuma_tsume.jpg【photo】 旧朝日村時代の2004年(平成16)にオープンした「産直あさひ・グー」では、山菜・キノコ・トチモチなどの山の幸とともに、地元で捕獲されたツキノワグマの毛皮や爪、果てはオスの生殖器にある××骨といった珍品まで売っている

 大鳥のみならず、朝日連峰の山懐に抱かれた山形県西置賜郡小国町や旧東田川郡朝日村(現鶴岡市)、隣接する新潟県旧岩船郡朝日村(現村上市)周辺の山間地には、今もマタギ村があり、狩猟文化が息づいています。日本で唯一、鷹狩りを伝承する「最後の鷹匠」こと松原 英俊氏が暮らすのは、大鳥からほど近く、養蚕の痕跡を残す4層からなる兜造りの多層民家で知られる旧朝日村田麦俣集落。1960年代の記録では、全54世帯のうち、32戸が多層民家で暮らしていたとのこと。独特の様式美を備えた多層民家は、展示のため鶴岡の致道博物館に移築された旧渋谷家(国重文)ほか、現在は「民宿かやぶき屋」として使われる1棟と隣接する旧遠藤家(県重文)の2棟だけが田麦俣に残るのみとなりました。

maitake_kudo.jpg【photo】「産直あさひ・グー」では希少価値の高い天然マイタケも良心的な価格で入手できる。これは青嵐舎を営む篠さんご夫妻の奥様・育さんのお父様、キノコ名人の工藤 朝男さんが採った天然マイタケ(500g 2,000円)

 かつて六十里越街道の宿場として人の往来があった田麦俣周辺には、今も狩猟文化が受け継がれています。この季節、R112 沿いにある「産直あさひ・グー」では、「沖田ナス〈Link to backnumber 〉」生みの親である小野寺 政和さん・太さん親子の沖田ナス粕漬や、天然物のキノコ類と共に、ツキノワグマの爪や牙などがお守りとして、まるごと一頭分の毛皮(90,000円)が、あなたのお部屋をワイルドに演出するインテリアアイテムとして売られています。

 2年前、鶴岡在住の食通から、あそこは料理上手だから一度行ってみてと勧められたのが、山里の小さな宿「青嵐舎」でした。篠 清久さん・育さんご夫婦が営む青嵐舎のことは、TV朝日系列で2004年(平成16)に放映された「人生の楽園」で得た知識があり、その存在は認識していました。初めてそこを訪れたのが昨年秋。キノコご膳を頂き、知人の言葉通りであることを確認、ふたたび青嵐舎を訪れたのは、木々がようやく色付きはじめた10月10日(日)のこと。事前にキノコの出揃い具合を確認し、再訪の機会をうかがっていました。この季節、大鳥を訪れる目的は、人里離れた豊かな山の恵みであるキノコを存分に味わうためにほかなりません。

kuyohisa_iku_shino.jpg【photo】照れながらも青嵐舎の前で撮影に応じて頂いた篠さんご夫妻。おっとりしたご主人と、気丈な奥様の掛け合い漫才を織り交ぜたおもてなしと、山里ならではの豊かな食事で心まで満たされ、またここを訪れたいと思わせてくれるはず

 故郷を離れること23年、東京でフリーのライター稼業をしていた育さんは、親戚から譲り受けた古民家の部材で自宅兼民宿を建てることを決意します。ユニークなのが、ご主人との出会い。東京育ちで不動産会社に勤務していた清久さんは、雑誌に掲載された山が好きな民宿経営のパートナー募集という育さんの投稿を目にします。縁あってご結婚されたお二人が開業にこぎつけたのが2004年の初夏。それは春遅い大鳥の山々で、木々の芽吹きと同時に山菜が一斉に出揃う季節です。萌えたつ青葉の季節に吹く爽やかな風を意味する「青嵐」が、お二人の新たなスタートとなる宿の名となりました。

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【photo】朝食が用意されるのは、存在感のある太い梁が渡された青嵐舎のダイニングルーム(左写真)。明治以降、盛んに行われた養蚕の記憶を留める糸車や、階上への梯子などが室内に配置される(右写真)

 宵の竹灯籠まつりと屏風まつりが珍しく同時開催中だったその日は、「味匠 喜っ川」での塩引鮭調達を主目的に新潟・村上〈Link to backnumber 〉を経由して大鳥に向かいました。その道筋には本来3つの選択肢があります。まずは朝日連峰を横断する険しいダート道が延々と続く朝日スーパー林道。もうひとつは新潟県内では内陸部を進むR7を経て鼠ヶ関・鶴岡市街に至る一般的なルート。そして景勝地「笹川流れ」を経由して日本海沿いを北上、鼠ヶ関の手前でR7に合流するコースです。

arasawa_zuidou.jpg【photo】大鳥鉱山で採掘される鉱石を搬出するため、1954年(昭和29)に竣工したトンネルのひとつ、荒沢ダムの脇を通る笹根隧道(全長425m)。素掘り区間もある荒沢隧道(同682m)ともども、薄暗い洞内にはしばしば霧が立ち込め、荒れ果てた舗装面は滴り落ちた地下水が小川となって流れている。すれ違いが困難な3.5m という幅員のため、のちに待避所が洞内に設けられた

 距離的に最も近い朝日スーパー林道は、山形県側で頻繁に起こる土砂崩れのため、しばしば通行止めとなります。事前に青嵐舎の斜め向かいにある旅館「朝日屋」に電話でスーパー林道が通行止めであることを確認していたため、その日は笹川流れを経由することにしました。たとえ遠回りでも、そのルートは、道すがら日本海の逸品を入手できるからです。後日ご紹介するユニークな鮮魚店や塩工房に寄り道しながら、西方から迫り来る真っ黒な雨雲に追われるようにして古い隧道を抜けて宿に着いた時、時刻は16時15分を回っていました。

sapori_monti_seiran.jpg【photo】青嵐舎の玄関先には、実りの秋を迎えた豊かな山の恵みがあふれていた

 ご夫婦とともに宿の玄関先で出迎えてくれたのは、愛猫のミューと豊かな山の実りの数々。アケビ、百合根、ヤマグリ、ヤナギシメジ、マスタケ、ブナハリタケ、マイタケ、モダシ・・・。すべて背後に広がる山の豊かさを物語る天然物です。独特の香りが心地よい高野槇(コウヤマキ)のお風呂で一息つき、ご主人自慢のMarantz 製スーパーオーディオCDプレーヤーで、バッハのゴルドベルク変奏曲を聞くうち、にわかに窓の外を驟雨が襲い始めました。グレン・グールド奏でるピアノとフォルテモで屋根を叩く雨音が心地よい旋律となって、穏やかな時が流れてゆきます。

libri_seiransha.jpg【photo】 2 階には客室のほか、こうしたマタギの里らしい蔵書類やCDが用意された談話スペースがあり、思い思いの時間を過ごせる

 数多い蔵書の中から、大鳥に関する記述がある本や、宿を訪れた著者のサインがある邂逅の森に目を通すうち、「食事の準備ができました」と階下から声が掛かりました。100年以上を経たという古民家の部材を使った太い梁が架かる和屋には、マタギであり、キノコ名人でもある育さんの父・工藤 朝男さんと、清久さんが山から採ってくる豊穣なる山の恵みを活かした心尽くしの料理が用意されていました。

 店で売っているものではなく、地元・大鳥で採れたものを提供するというのが、青嵐舎の揺るがぬ信念です。聞けばその日の朝、朝男さんは山中で30kgを越える巨大天然マイタケ(!! )を発見、背負いきれず、半分ほどを持ち帰ったのだとか。そんな山の豊かさを雄弁に物語る料理と、食後に待っていた山里ならではのとっておきのお楽しみについては、また次回

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山里の小さな宿 青嵐舎

鶴岡市大鳥字高岡55-18
Phone : 0235-55-2508
U R L : http://www14.plala.or.jp/seiransya/
E-mail : seiransya@zpost.plala.or.jp
宿 泊 : 1泊2食付 かたくりコース 8,700円
            すみれコース 7,500円(※ 登山 ・ 釣り ・ ツーリング向け)
      素泊まり   5,000円
      洗面用具・タオル・パジャマ類は持参、館内禁煙
      大鳥池・以東岳周辺ガイド 日当10,000円より応相談

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2010/10/10

期待度高し、AeroPress

Not Clover, but Clever. it's AeroPress.
スペシャルティ・コーヒーの醍醐味を手軽に味わう新世代ツール
「AeroPress エアロプレス」

What is AeroPress ? より続き 

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 ヨーロピアンスタイルの深煎り豆は表面が黒光りしていますが、あの光沢を生み出すのがコーヒーの香りと旨味が溶け込んだコーヒーオイルです。コーヒーの抽出法で最も普及しているペーパーフィルターでは、コーヒーオイルまで漉し去ってしまいます。そもそもペーパーフィルターではエスプレッソのように蒸気の圧力で一気に抽出する豆の持ち味を存分に味わう凝縮感を出せません。挽きたての新鮮な豆でもペーパーの匂いがコーヒーに移るリスクも出てきます。

【photo】 4分の抽出時間を要するフレンチプレスは、余分な雑味を生むリスクを伴う

 高品質のスペシャルティコーヒーに適した抽出器具として推奨されてきたフレンチプレスは、19世紀半ばには存在したという原型にもとに1929年にミラノ出身のアッティリオ・カリマーニとジュリオ・モネッタが特許を取得したものです。フレンチプレスと呼ばれるようになったのは、1958年にイタリア人実業家ファリエッロ・ボンダニーニによって改良型が発売され、それが1960年代にフランス家庭で広く普及したことによります。

aeropress_00.jpg 【photo】 これがAeropress の主要パーツ。川口バリスタが推奨するのは、取扱説明書とは上下逆のこのセッティング

 家庭ではBialetti に代表されるマキネッタ(モカポット)《Link to backnumber 》 やカフェ・ナポレターナ 《Link to backnumber 》で、バールではプロ仕様のマシンで香り豊かなエスプレッソを楽しむ国イタリアでではなく、フランスで普及したがためにイタリアンプレスとはならなかったのですね。イタリアでは空港にあるカフェでもレベルの高いエスプレッソを飲むことができますが、パリのシャルル・ド・ゴール空港でマシン抽出されたエスプレッソの水っぽさには、ほとほと閉口しました。

aeropress_01.jpg【photo】上写真と同じ天地逆セッティングで抽出準備に入る川口バリスタ

 エスプレッソマシン、モカポット、フレンチプレスはいずれも細かい穴やメッシュ状の金属フィルターを通してコーヒーを抽出するため、極細挽きの豆ではコーヒーに粉っぽさが出ます。蒸らしを含めて4 分程度の抽出時間を要するフレンチプレスは、不快な苦味や酸味が入り混じった雑味が感じられることもあります。ゆえにアメリカンに代表される浅煎り豆を荒挽きしたあっさりとした仕上がりを好む方は慣れ親しんだペーパーフィルター派が多いようです。


aeropress_02.jpg 【photo】まずは挽いたコーヒー豆15g(一人分)をいれ

 真空状態のシリンダー内でコーヒー抽出を行う独自のバキュームプレスによって、アフターの重ったるさが無く、スペシャルティコーヒーの持ち味をくっきりと描き出してみせるプロ向けマシン、Clover 1s は、2008年に Starbucks が製造元のClover Equipment 社を買収した今となっては、1台$1,100 という価格もあって、プロのバリスタに普及する可能性が摘まれてしまいました《Link to backnumber 》。そこに登場した救世主が、2005年に米国の発明家アラン・アドラー氏によって開発されたコーヒープレス器具「AeroPress エアロプレス」です。

aeropress_03.jpg【photo】 煮沸後80℃まで湯冷まししたお湯を200cc注ぐ

 1984年にアドラー氏が開発したドーナツ型のフライング・リング「Aerobie® Pro Ring」は、406mという飛行距離の世界記録を樹立しています。スタンフォード大学工学部で Aero dynamics (=空気力学)の講師を務めるアドラー氏が、AEROBIE 社を設立後の2005年に開発したのがAeroPressでした。空力の専門家がなぜにコーヒー抽出の分野に進出したかは謎ですが、開発当初は、フライング・リングと同じアウトドア用品を扱うショップで売り出されました。それがスペシャルティコーヒーの世界で認知が遅れる原因となりました。

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 畑違いの発明家が編み出したシンプルな構造の道具にいち早く注目した人こそ、「What is AeroPress ?」でご紹介したノルウェー・オスロのカフェ「Tim Wendelboe 」のオーナーバリスタ、ティム・ウエンデルボーでした。2004年の世界バリスタチャンピオンシップで優勝したトップバリスタは、空気力学の専門家が生み出した抽出ツールにコーヒーの新たな可能性を見出したのです。

【photo】コーヒーにお湯を行き渡らせるイメージで、静かにお湯全体をかき混ぜる

 今年6月、エアロプレスの抽出技術を競う世界大会が開催されたロンドンに乗り込み、世界最高峰の技を見てきたカフェ・バルミュゼットの川口 千秋バリスタ。その言葉を借りれば、最も Easy に、Quick に、Cheap に Clover 1s のクリアな味を再現できるのが、AeroPress なのだといいます。バルミュゼットでの販売価格が4,000円そこそこという比較的手頃な価格、簡単な抽出法、後処理も楽チンと、三拍子揃ったそれは、確かに魅力的なツールに映ります。川口さんが淹れたカップの味を確認、これを逃してはClever (=賢い)な選択ではあるまいと購入を即断したのでした。
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【photo】 円形のペーパーフィルターを装填したスクリューキャップを装着した状態

 六角形のパッケージに収まった本体を構成するパーツは、口径60 mm ほどの透明な樹脂製シリンダー2 種とペーパーフィルターを装填するスクリュー式フィルターキャップだけと、極めてシンプル。付属品はお湯を注いでコーヒーを撹拌する専用棒、メジャースプーン、円形のペーパーフィルターなど数点のみ。英文の取扱説明書では、シリンダーのパーツをChamber (=外筒・空洞) と Plungner (=ピストン状の突き棒)と表現しており、その構造は注射器と似ています。エアロプレスというだけに、手押しの自転車用空気入れと基本構造は同じです。Chamber の先端に装着する黒いスクリューキャップには、3 mm 大の穴が97個空いており、側面には等間隔で17 の四角い穴が穿たれています。

aeropress_06.jpg 【photo】 本体をひっくり返してカップにセット、Plungner 部分に手で圧力をかけて中に押し込む。この際、横から見ると、熱可塑性エラストマ製の黒いゴム状の先端部分とお湯の間にある空気層が液面を押し込むのが分かる〈clicca qui

 開発当初のモデルにはポリカーボネートが本体素材として使われていました。ポリカーボネートには、FDA 米国食品医薬品局が生態系や健康への影響を指摘する内分泌かく乱化学物質ビスフェノールA(略称:BPA)が含まれており、それが高温のお湯に溶解することが知られています。そのため、世界各国の安全基準に準拠させるため、2009年8月以降の現行モデルには、安全性が確認されているコポリエステル樹脂が使われるようになりました。Plungner 先端部分の素材は、ゴムのような弾性を備えた熱可塑性エラストマ、フィルターキャップなどの黒いパーツはポリプロピレン製となります。(注:バルミュゼットで取り扱うのは後者)

【photo】抽出を終えたらキャップを外し、ペーパーフィルターとコーヒーをダストボックスへ。キャップの側面に穿たれた17の四角い空気穴〈clicca qui 〉から逃げ出す空気と共に、旨味と香気成分が溶け込んだコーヒーオイルがカップの中に漏れ出すのでは? というのが、川口バリスタの見解

 近未来に予測される日本での本格デビューに備え、取扱説明書をもとに川口氏が推奨する抽出法をご紹介します。空気の圧力をもってしてコーヒーを抽出するその段取りは、至って単純明快なものです。


How to AeroPress≫ 
● コーヒー豆: 一人分15g (ペーパードリップと同等か、わずかに細か目に挽く)  
● お湯: 80℃のお湯を200cc (本体には1~4 カップまでの湯量を示すマーキングが施されていますが、後述する注意点2の理由により、メジャーカップ使用がベター。苦味や酸味の抽出が強くなるため、沸騰したお湯は不可)
● 所要時間: 1 分 (本体をカップにセットし、お湯をゆっくりと注ぎ、あらかじめ入れておいたコーヒー豆を10秒ほど蒸らしてから、20秒~30秒でプレスし終わるまで)
● 抽出を終えたら、スクリューキャップをはずし、ペーパーと粉をワンタッチでポイ。キャップとシリンダー内をさっと水洗い。 以上。

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注意点1 : 川口氏の横顔が写る前回紹介した動画に登場する英国「Has Bean Coffee」社のスティーブ・レイトン氏は、せっせと粉の撹拌を行っていますが、これはNG。お湯を粉全体に行き渡らせるイメージで、あくまでgentleに 

注意点2 : スティーブ・レイトン氏は取扱説明書通りに、ペーパーフィルターを装填したキャップを下にしてお湯を注ぎます。カップのクオリティを追求する川口バリスタが推奨するのは、器具を上下逆にセットし、挽いた豆を入れてからお湯を注ぐ方法。これによって、蒸らしが不十分なために濃度不足のコーヒーがカップに自然落下することが防げます。

【photo】 今日バルミュゼットで味わったAeroPress で抽出したシングルオリジンは、中米エルサルバドルのサンタ・リタ農園産のアラビカ豆100%の一杯。原種のティピカ種から突然変異で生まれたこのブルボン種は隔年収穫のため、産出量が限られる稀少な豆。強すぎない自家焙煎によって、豆本来のピーチなどのフルーティさ、フローラルな持ち味が際立つ。
 フカフカのクリーミーなキッシュとパニーニサンド〈clicca qui 〉を食べているところに「ところで新たな面白い話がありましてね」と言いながら、にじり寄ってきた川口バリスタ。昨日お目見えしたという新たなツールの説明を興味津々で聞くワタシ。次々と入荷するネタに、「Caffè カッフェ」だけではなく、いっそ「caffè Bal Musette」 カテゴリーを設けようかしらん、という思いが去来するのだった

 ひと足早く火がついた欧州と米国での需要が逼迫しているためか、AeroPress はAmazon.co.jp ですら品切れで、日本では入手困難な状況にあります。私が知る限り、今のところ国内で唯一、この最新にして最強のツールを扱うのはバルミュゼットのみ。ペーパーフィルターが350枚セットされたパッケージは4,380円。補充用のペーパーフィルターは680円で入手できます。当面の在庫確保は問題なしとのこと。 善は急げっ!! 

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la casa del caffè Bal Musette カフェ バル ミュゼット
住 所 : 仙台市泉区桂4-5-2
Phone / Fax : 022-371-7888
営 : 11:00~22:00 (日祝~19:00) 木曜休
URL :http://www.bal-musette.com  
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2010/10/02

新創刊! Piatto

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 本日、河北新報社発行の新ウェブマガジン「web Piatto」 が創刊しました。

◇ サイトURL 
http://piatto.kahoku.co.jp/piatto/

  ここ数カ月は、準備で何かと気ぜわしい日を送ってきましたが、本日ようやく創刊にこぎつけました。スタッフのみんな、取材にご協力頂いた皆さん、Grazie mille !

 イタリア語でお皿を意味する Piatto ピアット。イタリア料理店のコースメニューでは、パスタ・リゾットなどのPrimo piatto プリモ・ピアット、メイン料理のSecondo piatto セコンド・ピアットとして登場する言葉なので、大人女子の皆さんにはすでにお馴染みの言葉かと思います。原則として毎月第一土曜日が発行日となります。この「Viaggio al Mondo ~あるもん探しの旅~」のようにディープでもニッチでもない、東北エリアで探した旬の話題をさまざまに味付けしてご提供して参ります。

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 創刊記念として、Piatto ネタをばひとつ。中部イタリアには「マヨリカ焼」とも総称されるイタリア陶器の代名詞となっているウンブリア州Deruta デルータや、世の東西を問わず先史時代から世界最大規模の陶器コレクションを集めた「Museo internazionale delle ceramiche (国際陶芸美術館)〈Link to website 〉」や国立の陶芸学校があるエミリア・ロマーニャ州 Faenza ファエンツァ、マルケ州 Urbino ウルビーノと近郊のUrbania ウルバニアなど、陶芸が盛んな街があります。スペインからもたらされた明るい色彩の陶器は、15世紀に人文主義が台頭した中部イタリアの地で見事な華を咲かせました。

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【photo】ファエンツァ国際陶芸美術館の膨大な展示の一部。壮麗なルネサンス期のイタリア陶器コレクション

 9世紀以降のアラブ支配によるイスラム文様の影響を受けた幾何学的な絵柄が特徴のシチリア陶器とは異なり、人物や動物などの手描き模様が施された中部イタリアの陶器は、高い芸術性と人間らしい温かみを兼ね備えています。その伝統は、のちにカルロ・ジノリ侯爵が、1735年にフィレンツェ近郊Doccia ドッチァでウルビーノなどから熟練工を集めて開窯した磁器工房、後世「Richard Ginori リチャード・ジノリ〈Link to website〉」として知られる透き通るような白い肌を持つ磁器へと昇華してゆきます。

 feminile_bambino-faenza.jpg ivlia_bela-faenza.jpg【photo】ルネサンス期のチョイ悪オヤジが、愛する女性 IVLIA へ贈るために作らせた彼女の肖像・名入りのファエンツァ陶器皿(右写真) 聖母子像を連想させる幼子を抱く女性を描いた16世紀のデルータ陶器皿(左写真) ※ともにファエンツァ国際陶芸美術館所蔵

 数年前、デルータなどウンブリア州の比較的小さな街を回る中で、何軒かの工房を兼ねた陶器店に立ち寄りました。精緻な文様が描かれた芸術品とも呼べる中世のレプリカ皿は、一枚200 エウロ、手が込んだものは400エウロ以上はします。日本まで運ぶ際の破損リスクを考えれば、とても手が出るものではありません。

silvana_ ceramiche_orvieto.jpg 【photo】デルータほど大規模ではないにせよ、中世期より陶器作りが行われてきたオルヴィエートのチェントロ(旧市街)にある陶器店SILVANA。陶器製の天板をもつ丸テーブルやプランターカバーなど大きなものから、お土産にも重宝しそうなコルクのついたボトルストッパーまで、地元オルヴィエートの職人の手になる伝統的な作風の陶器製品を幅広く扱う

 そんな中で16世紀頃のルネサンス期の衣裳姿で描かれた男女の横顔をグロテスク文様が取り囲む絵柄の一対の絵皿と出合ったのは、ウンブリア州に比較的多い崖上都市のひとつ、Orvieto オルヴィエートでのこと。美の粋を極めたイタリアン・ゴシック様式の聖堂では最高傑作とされるドゥオーモへと続く石畳の道、via duomo 沿いにある陶器店「SILVANA」では、店の外にまで絵皿や花壺など、さまざまな陶器があふれていました。
     

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【photo】我が家のイタリア度を上げるマストアイテムのひとつ、オルヴィエート窯の男女を描いた絵皿 ※photoをクリックで拡大

 手描きだけに、一枚ごとに顔つきや模様が微妙に異なるのも味があります。磁器のように薄くないため、それなりに重さもあります。ちょうど手頃な直径27cmほどの大きさの皿のうち、表情が優しげな2枚に狙いを定め、「Bella, sconto per favore!」(≒ 別嬪さん、まけといてや)と関西系に変身して買い求めました。

piatti_del_casa.jpg【photo】 こうしたペア絵皿はシンメトリーが鉄則。場の雰囲気が険悪になること必至なので、くれぐれも左右の位置を間違えぬよう
 
 男女が向き合うように、男性を左、女性を右に飾るこの皿。こんなイタリアならではのお熱いPiatti (複数形) を手に入れる幸運に恵まれた暁には、上から目線で優位に立ちたいからと相手を低く飾ったり、ましてや背中合わせのレイアウトはやめましょうね。パートナーとの関係がギスギスしたものになりかねませんので。


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