あるもの探しの旅

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2010/11/28

革フェチまんじゅう

しっとり吸い付くトロトロの食感
 黒砂糖まんじゅう@玉澤総本店

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 杜の菓匠 玉澤総本店の人気商品と言えば「黒砂糖まんじゅう」ですね。1996年(平成8)の発売以来、ジワジワと人気が高まり、新参ながら今では押しも押されぬ仙台銘菓としての地位を確立しています。原料に使用する葛が生みだす照りを放つふっくら・もちもちの皮、シルキーな口どけとすっきりしたほどよい甘さのこし餡の絶妙な組み合わせは、仙台出身の元宝塚トップスターで女優の杜けあきさんやフィギュア女王・荒川静香さんのみならず、辛党・甘党の両派に属する私を含め、多くのリピーターを生んでいます。

【photo】玉澤総本店の「黒砂糖まんじゅう」レギュラーサイズ(写真左)とミニサイズ(写真右)

 黒砂糖まんじゅうは、商品名の由来となった沖縄・波照間島産の黒砂糖を皮に、餡には赤いダイヤこと北海道十勝産小豆を用いたお饅頭です。最高の原料を追い求めた結果、日本の南北の果てまで行き着いたということでしょう。緯度にして18度、直線距離で2,800kmも離れた産地の主原料を使っていることになります。

kurozato_manjyu3.jpg オーソドックスかつシンプルなお饅頭だけに、際立つ素材の良さを活かす匠の技が光ります。店頭に並ぶ商品は、すべて当日朝に作られたものです。最高の状態で味わってもらうため、賞味期限は製造から48時間のみ。

 青葉区上杉にある本店・工場では、販売個数が増える週末や帰省シーズンなどは早朝4:30に、通常は5:00から製造を開始し、店頭の在庫状況を確認しながら、多い日で製造現場は3 回転するそうです。

【photo】玉澤総本店 土屋 富士夫 取締役統括部長
 
 玉澤総本店 取締役統括部長 土屋 富士夫さんの説明によると、和菓子の命とも言うべき餡には、二種類のグラニュー糖を使用しているといいます。企業秘密ゆえ、詳細は控えますが、スッキリした餡の甘さを出すためには、純度が高い氷砂糖が向いているのだそう。その日の天候や季節によって、水分量を調節し、シットリしたもち肌のような食感がぶれないよう細やかな工夫を加えています。

黒砂糖まんじゅう.jpg【photo】黒砂糖の香ばしい皮と、絡みつくようにシルキーなこし餡、もち肌のふっくらとした食感。「もう1個いってみよー」という甘い誘惑から逃れることは難しい

 サンゴ礁からなる土壌で栽培される波照間産のサトウキビは、手刈りが中心。機械刈りでは混入が避けられない土の混入が抑えられます。不純物が少ない波照間島の黒砂糖は、品質の高さで定評があります。

 そうした天然素材を用いるゆえのエピソードとして、常連のお客様から、いつもより塩気が強く感じると指摘を受けたことがあるそうです。別に原料の配合を誤ったわけではなく、原因を調べたところ、その日に使用した黒砂糖の原料となったサトウキビが収穫される直前、強力な台風が沖縄付近を通過していたことが判明します。

 八重山諸島の石垣島から高速艇でおよそ一時間、距離にして南へ56km南下する波照間島は、水平線上に南十字星が輝く周囲15kmにも及ばない比較的平坦な小島です。人が暮らす島としては日本最南端の島全体に広がるサトウキビ畑は海岸線近くまで及ぶため、台風による高波と猛烈な風で海水をかぶったサトウキビの茎が使われたことが分かりました。精製工程を経てもなお、その日の黒砂糖には味に微妙な変化が生じたのです。

kurozato_manjyu04.jpg【photo】表面の照りが食欲をそそる黒砂糖まんじゅう。 妖艶な輝きを放つ写真奥のお饅頭は??

 黒砂糖まんじゅうは、1個からバラ売りするレギュラーサイズ(税込84円)とミニサイズ(6個入り税込300円~)の二種類。お茶受けはもちろん、お遣い物でも喜ばれます。こし餡のシットリ感を心ゆくまで味わいたいならばレギュラーサイズ、皮の吸い付くようなふわふわ感と黒砂糖の風味を楽しみたい方はミニサイズをどうぞ。どちらも後を引く美味しさゆえ、"やめられない、とまらない"となってしまいがち。とはいえ甘さ控えめなので、カロリーなど気にせず、心のおもむくままに頂きましょう。

 仙台銘菓のライジングスター・黒砂糖まんじゅうを詳しく掘り下げるのがセオリーでしょうが、脱線しがちな「Viaggio al Mondo ~あるもん探しの旅」では大きく話題がそれてゆきます(笑)。名の知られた仙台の和菓子を今回珍しく取り上げた意図と、タイトルが何故に「革フェチまんじゅう」なのか、そのナゾは次回つまびらかになります。

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杜の菓匠 玉澤総本店

住:仙台市青葉区上杉3-9-57
phone:022-223-2804
URL:www.tamazawa.co.jp
営:8:00~19:00(日・祝は~18:00)
◆直営店:JR仙台駅店、ララガーデン長町店、
ティーラウンジを併設する一番町店、エスパル店、クリスロード店の3店では、メニューにはないものの、飲み物とともに黒砂糖まんじゅうを味わえます

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2010/11/23

ちょっと、訂正。

ありがちなんだけど、やっぱりなー(笑)

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 前回「I Profumi di Capri」を最後までご覧頂いた方への得ダネとして記した「サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局」の仙台デビューが、イタリア特有の「ゆるさ」によって少し延期になるようです。

 今月26日の開店を目指していたオーナーS氏の話では、「Officina Profumo-farmaceutica di Santa Maria Novella オフィチーナ・プロフーモ・ファルマチュウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラ」(=サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局)フィレンツェ本店に発注した商品の入荷期日に関して、今のところ見通しが立たないとのこと。この世で最も優雅な香りがする場所ことサンタ・マリア・ノヴェッラが仙台進出!?と色めきたった方もおいでだったかもしれません。なかば諦め顔のS氏によると、年内の開店は難しいようです。

【photo】私の大脳辺縁系に深く刻まれる典雅な香りに満たされるフィレンツェのオフィチーナ・プロフーモ・ファルマチュウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラ

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 システマチックに管理され、予定通りに物事を進めなくては気がすまない日本とは違って、よく言えば何につけても鷹揚、日本的尺度から言えば、いい加減なイタリアのこと。ましてや1612年に創業し、400年もの長きに渡って時代の波を乗り越えてきた彼らからすれば、極東の一都市に新たにできる店のオープンが多少ずれ込もうと、取るに足らない些細なことなのでしょう。

 日本では、ライセンス契約を結んでいる2社がサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の正規取扱店として現在営業しています。ゆえに東京の青山や銀座にあるショップに行けば、エレガントなフォルムの製品を入手することはできます。それでも仙台に居ながらにして、ルネッサンスの遺香漂うフィレンツェの精神を強く感じるオフィチーナ・プロフーモ・ファルマチュウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラの製品に触れることができるのは、至上の喜びです。

 泉マルシェブロカントギャルリーSendai のエスプリ路線を見ても分かるように、食ジャンル以外は、良質なイタリアの薫りが、街の規模からすれば明らかに希薄であったこれまでの仙台。しかしながらfinamoreJacob CohenBRUNELLO CUCINELLI など垂涎のイタリアンブランドを揃えるメンズセレクトショップ「Lo Spazio Bianco」や、ハプスブルグ家の末裔であるオーナーのもと、フィレンツェで6年間キャリアを積んだ広瀬竜一氏の「Ristorante da Luigi」といったショップがこの秋デビューしました。現存する世界最古の歴史を誇り、比類なき優雅さを備えたサンタ・マリア・ノヴェッラ薬局が満を持して仙台に登場します。時代の淘汰を乗り越え、熟成を重ねたイタリア文化の精華が仙台にやっと根付こうとしているようです。

 恐らく年明けにずれ込むであろう仙台店のオープンまでは、フィレンツェ本店の雰囲気を伝えるWebサイト〈Link to Website 〉をご覧頂き、イメージトレーニングをお積み頂くのが得策かと。外装工事中の覆いが取れ、端正なファサードが露わとなったばかりの仙台店は日本国内のショップと同様の内装となります。ゆえに外の喧騒から中に足を踏み入れた途端、文芸復興の時代へとタイムスリップするフィレンツェ本店の優美な佇まいには及ばぬことはお含み下さい。

saponi_SMN.jpg【photo】サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局の製品例(写真右上より時計回りに)メンズソープ・Patchouli パチューリ(古来より精油が香料として珍重されたシソ科の植物)、イリス(アイリス)ソープ、どこかオリエンタルな印象の香り「Carta d'Armenia アルメニア・カード」
photoクリックで拡大

 それでもそこに漂うのは、フィレンツェと同じ妙なる香りのはずです。17世紀、ドメニコ会修道士が栽培していた薬草やフィレンツェ近郊に咲く野の花から造られるポプリは、テラコッタの壷で独自の熟成を施し、少なくとも1年間は芳香が持続します。さまざまなラインナップが用意される石鹸やリキュール類など、品揃えは本国と同じにするそうです。

 ボッティチェリが人類の至宝である「La Primavera(春)」に描いたのは、パトロンであったメディチ家がフィレンツェ近郊に所有するヴィッラの庭に実際に咲く花々でした。近年の修復と洗浄によって、画家が描いた15世紀当時の花々が生き生きと蘇りました。ルネッサンス時代と変わらぬ香りの芸術を届けてくれる待望のショップは、杜の都仙台のシンボル・定禅寺通りにほど近い青葉区一番町4丁目に登場します。しばしお待ち下さい。

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2010/11/14

I Profumi di Capri

カプリ島の香り、
Carthusia カルトゥージア

 はや立冬を過ぎ、冬の足音がヒタヒタと近づいています。山々はすでに晩秋から冬の装いに移ろいつつあります。こうして寒くなってくると、暖かな陽光降り注ぐ南イタリアへの憧憬が募ってきます。これは私のDNAに刻まれた前世の記憶によるものに相違ありません。そんな時、ナポリ湾に浮かぶ美しい島・カプリ島へ誘う淡い白日夢に浸るのにもってこいなアイテムを今回は取り上げます。

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 フランスの作家マルセル・プルーストの自伝的色彩が強いとされる長編小説「失われた時を求めて」は、主人公の「私」が、叔母が差し出した紅茶に浸したプチット・マドレーヌを口に含んだ途端、幼ない頃に夏の休暇を過ごした街の記憶が鮮明に蘇るという書き出しで始まります。ゆえに失われた記憶が香りによってフラッシュバックすることをプルースト効果と呼ぶのだそうです。

【photo】貝殻のような文様がつく伝統的な焼き菓子、プチット・マドレーヌ

 ヒトの五感の中で、最も記憶と密接に結びついているのは嗅覚です。これは脳内における香りの伝達経路が、味覚・聴覚・視覚・触覚とは異なることが原因だといわれます。鼻から入った香りの分子は、鼻の奥にある嗅覚細胞で取り込まれ、神経を伝わる信号へと変化します。それは大脳辺縁系と呼ばれる脳で最も奥深い位置にある部位、嗅球で感知されます。

Grottazzurro_Capri.jpg【photo】パスタソースの商品名になるほど日本では有名なカプリ島の「青の洞窟」。天気晴朗で運よく小型ボートで洞窟内に入れたとしても、船頭たちは頼みもしないのに、オオ・ソレ・ミオやサンタルチアを歌い続け、数艇の船頭の唄が洞内に反響しあう。海水全体が青色発光ダイオードのように輝く世にも美しい光景を前にして、興醒めすることおびただしい

 大脳辺縁系は新皮質が発達したヒトへ進化する以前の原始的な部位で、すぐ近くにある喜怒哀楽や摂食をコントロールする扁桃体ともども、動物としての本能的な働きをつかさどります。その大脳辺縁系には、出来事の記憶がインプットされる海馬があることから、嗅覚と記憶にまつわる不思議は起こるのかもしれません。

via_camerelle.jpg【photo】GUCCI,FENDI,BRUNELLO CUCINELLI,D&Gなど高級ブランドが軒を連ねるカプリ島のvia Camerelle カメレーレ通り。目の保養のみならず、所有欲を激しく揺さぶるアイテムがショーウインドーに並ぶここでは、自制心と清水の舞台から飛び降りる決断力がともに肝要

 世界のセレブが集うリゾート、カプリ島を初めて訪れたのが15年前の夏。ナポリから連絡船が着く港マリーナ・グランデから、フニコラーレ(=ケーブルカー)に乗って着く先は島の表玄関となるCapri カプリの町です。観光客で賑わうウンベルト1世広場から延びるVittorio Emanuele ヴィットーリオ・エマヌエーレ通りや交差するCamerelle カメレーレ通りといったメインストリートには、高級ブランド店がズラリと並びます。その中に島に自生する花や果実などの天然由来成分を使ったフレグランスを製造する工房兼ショップが点在します。喧騒を抜け、島の南岸に面したアウグストゥス庭園からはコバルトブルーのサレルノ湾に浮かぶIsole Faraglioni ファラリオーニ岩島の奇観が望めるでしょう。

Isola_Faraglioni.jpg【photo】カプリ島からわずかに離れた群島ファラリオーニ

 高揚した心持ちで過ごした甘美な時間の記憶が蘇る香りが、カプリ島のフレグランス「 カルトゥジア」です。2年前の夏、この世で最も香(かぐわ)しい場所としてフィレンツェの「Officina Profumo-farmaceutica di Santa Maria Novella オフィチーナ・プロフーモ・ファルマチュウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラ」(=サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局)に関して述べた「典雅なイタリアの遺香 ~ i profumi di antica Italia《Link to backnumber 》」の最後で名前だけ登場しています。仙台市青葉区のセレクトショップ「Antelope アンテロープ」で取り扱うカルトゥジアは、このフレグランスの名前の由来となったCarthusio カルトジオ会派のサン・ジャコモ修道院と深いつながりがあります。

san_giacomo_capri_fiore.jpg【photo】現在は博物館と図書館としても使われるサン・ジャコモ修道院は、ブーゲンビリアやランタナといった南国の花が咲き乱れるアウグストゥス庭園に隣接して建つ

 1380年、当時ナポリ王国を支配していたアンジョ(アンジュー)家の女王、ジョヴァンナ1世がカプリ島を訪れます。3日間の滞在先となったのは、カプリに隠遁した帝政ローマ第2代皇帝ティベリウスが造った離宮跡に自身が1371年から3年を要して秘書官のジャコモ・アルクッチに建てさせた「Certosa di San Giacomo チェルトーザ・ディ・サン・ジャコモ(=サン・ジャコモ修道院)」でした。島に咲く美しい花々を生けて女王を歓待した修道院長は、女王が去った後に花器の水から妙なる甘い香りが漂ってくることに気付きます。それは夏にピンクの花を咲かせる石灰岩質を好む野生のカーネーション「garofano silvestre ガロファノ・シルヴェストレ」に由来する香りでした。

vista_Anacapri_.jpg【photo】島全体が石灰岩質の岩場からなるカプリ島最高峰のソラーロ山頂へは、島で2番目に賑やかなアナカプリの街からリフトが通っている。高所恐怖症の方にはオススメしないが、山頂からは360度のパノラマが広がる。東のカプリ方向の先にファラリオーニ岩島を望む

 キリスト教の教義に基づいた施療・投薬を行うこともあった中世期の修道院では、先述したドメニコ会のサンタ・マリア・ノヴェッラがそうだったように、信仰に生きる修道士が慈善事業として薬草栽培を行っていました。科学万能の現代人からすれば、胡散臭いイメージが付きまとう錬金術ですが、錬金術師が科学の発展に寄与した功績は看過できないものがあります。当時の最先端をゆく薬学の現場は修道院であり、そこからカプリ島では初の香水が生まれました。

carthusia_mediterraneo.jpg         carthusia_via_camerelle.jpg         carthusia_io_capri.jpg
【photo】 クラシックで端正なボトルフォルム。カプリの記憶を呼び覚ますカルトゥージアのオードトワレより3種。Mediterraneo,Via Camerelle,Io Capri (写真左より) 各50mℓ/ 12,600円(税込) 

 その後、修道院は時の変遷を経る中で改築を繰り返す一方、サラセン人による破壊やナポレオン支配のもとでは閉鎖の憂き目に遭います。1948年、修道院の蔵書の中から当時の処方が記された文書を発見した修道院長は、バチカンの許諾とトリノの化学者に協力を得て、久しく忘れ去られていた香水の復元に成功しました。修道院の前に造られた小さな工房は、修道会の名にちなんで Carthusia カルトゥジアと名付けられます。

showroom_carthusia_augustus.jpg【photo】サン・ジャコモ修道院前にあるカルトゥージアの工房兼ショップ

 島で最も高いソラーロ山(589m)で採れるローズマリーや、ジョヴァンナ1世ゆかりのガロファノ・シルヴェストレなど、島に自生する植物を主原料に天然由来成分だけで造られるフレグランスは、少量生産ゆえ希少性が高く、2002年までは島内の3ショップほか、ソレントとナポリの直営店だけで扱われてきました。アルコールの揮発性で香り立ちを高めたEau de Parfum、Eau de Toilette 以外に、植物性オイルと天然ワックス成分を練り固めた半固形タイプで香りが長時間持続するSolid Perfum もラインナップ。アルコール成分が苦手な皮膚が敏感な方でも優雅に香り立つフレグランスをお使いいただけます。

tre_carthusia.jpg【photo】強烈な陽射しを跳ね返す真っ白な漆喰で覆われたカプリのパラッツォのようなカルトゥージアのパッケージ。中央のVIA CAMERELLE はカプリ島のカメレーレ通りの陶器製の街路名表示をそのまま用いている

 カプリ島でも人気のリキュール「Limoncello リモンチェッロ」の原料となる大振りなレモンの葉とグリーンティが爽やかな「Mediterraneo メディテラネオ」は男女兼用で。カプリのメインストリートの名を冠したVia Camerelle ヴィア・カメレーレは女性用というものの、ベルガモットとビターオレンジにスパイシーなマリンノートがベース。その爽やかな香りはメンズユースもOK。完熟したイチジクと紅茶の生き生きとした活動的な香り「Io Capri イオ・カプリ」は男性向け。その日の気分で使い分けるお気に入りはこの3種類です。

 有名ブランド系の場合はことさらそうですが、フレグランスはイメージ戦略上、ボトルなどのパッケージデザインにも手を抜きません。Carthusia の製品は、香りと同様に、ニンフや人魚などが描かれたカプリ島らしいパッケージがまた魅力的です。イタリアの街では辻々の建物の壁面に、通りの名が刻まれた大理石板や白地に青い文字の陶板が埋め込まれています。
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【photo】フニコラーレを登りきったCapri の駅前で。島内の街区表示は全てこのデザインで統一されている

 カプリ島では、いかにも南イタリアらしい明るい色使いの陶製サインが使われており、リゾート気分を盛り上げてくれます。Via Camerelle のパッケージは、その陶製サインのデザインがそのまま使われており、私をカプリ島へと誘います。Carthusia は、いずれもカプリの植物をベースにしたものとくれば、思いは一層募るばかり。その香りに包まれている限り、遥か遠い美しい島への思いは決して断ち切ることができないのでしょう。

 そして今月26日(金)。現存する世界最古の薬局として知られるフィレンツェのオフィチーナ・プロフーモ・ファルマチュウティカ・ディ・サンタ・マリア・ノヴェッラ(=サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局)が、仙台市青葉区一番町4丁目にオープン予定です※追記を参照願います。この世で最も香(かぐわ)しい場所とされるショップが、遂に仙台上陸。今度は宝石箱のようなルネッサンスの街フィレンツェへの恋慕が募りそうだ...。

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antelope アンテロープ
住所:仙台市青葉区大町1-2-17-103
営:12:00-19:30 不定休
phone:022-724-1023

※ 追記11/23:サンタ・マリア・ノヴェッラ薬局 仙台店のオープンは年明けにずれ込む見込み。詳しくはコチラを参照のこと
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2010/11/06

秋のカプチーノ

アプリコットが香る秋の一杯 @ カフェ・ドゥ・リュウバン

ryuji_kunii.jpg 毎年オーナーの國井 竜士さん(39歳)が生産地を訪れ、自分の目と舌で選んだコーヒーを提供する「Cafe de Ryuban カフェ・ドゥ・リュウバン」(仙台市青葉区)。山形県寒河江市出身の國井さんが20代の頃、当時はまだ日本でほとんど流通していなかったスペシャルティコーヒーの魅力と出合ったのが、コーヒーに関するさまざまな業務を手掛ける東京の「珈琲工房HORIGUCHI」〈Link to website 〉でのこと。

【photo】ソフトな語り口の國井 竜士さん。言葉の端々からコーヒーにかける熱い情熱がうかがえる

 カフェ・ドゥ・リュウバンでは、生産者、精製加工方法、船積み時期など履歴がしっかりした世界最高水準の生豆を、ワインで用いられるのと同じ低温管理可能なReefer コンテナで輸送し、自家焙煎したスペシャルティコーヒーを味わうことができます。これはスペシャルティコーヒーの我が国におけるパイオニア、堀口 俊英氏(珈琲工房HORIGUCHI代表取締役)のもとから巣立った人々が加盟する Leading Coffee Family の頭文字をとった団体「LCF」が中間業者を通さず直接買い付けたもの。ともすると生産者が弱い立場に置かれがちなコーヒーの生産現場が存続可能な取引条件で信頼関係を築いているといいます。

crops_st.catalina.jpg【photo】空調管理されたカフェ・ドゥ・リュウバンの貯蔵室には、世界中から船便で届く麻袋に入ったさまざまな生豆が山積みされる。國井さんが加盟するLCF向けのロットであることを示すマークの入ったサンタ・カタリーナ農園産コーヒー(写真右)

 例えば、タンザニアのブラックバーン農園。アフリカ最高峰キリマンジャロ(5,895m)山麓、標高1,600m以上の高地ゆえ、昼夜の寒暖差が柑橘系の酸と豊かなコクを生みます。そして農園内に古い礼拝堂が建つ中米グアテマラのサンタ・カタリーナ農園。その芳醇な香り+酸+コクのバランスは、火山灰土壌と1,600m~2,000mという高地性気候がもたらします。さらに南太平洋に浮かぶ赤道直下のパプア・ニューギニア西部山岳州のシグリ農園。熱帯性の潤沢な降雨量と昼夜で15℃ほどもある大きな寒暖差は、コーヒー栽培に理想的な環境です。そこで栽培され、手摘みされた顆粒は、丹念に洗浄されてから天日干しされ、特徴的な甘味のあるコーヒーが生産されます。
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【photo】9 年前の開店以来、愛用している焙煎機。廃熱効率を高めるファンを排煙部に加えるなど、独自に細部の改良・チューニングを加えてある

 こうした世界最高水準のシングルオリジンは、豆の香味をそのまま楽しむならストレートでどうぞ。個性を掛け合わせることで新たなキャラクターを生み出すブレンドは、焙煎の強い順に「イタリアン」「フレンチ」「シティロースト」といった5種類の定番ほか、春には「そよ風」冬の「こもれ日」など季節ごとにバリエーションで登場。豆の個性をストレートに表現する特徴的な円錐形をしたKONO 式ドリッパーで提供されます。ご自身はショップ奥に設置された焙煎機の前でローストやブレンド作業に割く時間が多く、仕切りのガラス越しに姿をお見かけすることのほうが多いかもしれません。堀口門下生として、師匠同様にコーヒーの楽しみを一般向けに伝授するセミナー「おいしい珈琲教室」も定期的に開催しています。

capucino_ryuban.jpg【photo】私の定番、キメ細やかなフォームドミルクを加えたカプチーノ(500円)。猫舌の方でもOKな王道のイタリアンスタイル

 コーヒーに関しては、(「も、」と言ったほうが正確か?) 完全にイタリア人的嗜好ゆえ、國井さんの店ではエスプレッソかカプチーノを頂くことにしています。その香味あふれる一杯は、仙台では数少ないフィレンツェ製業務用エスプレッソマシン、La Marzocco ラ・マルゾッコで抽出したもの。カプチーノには美しい文様を描くラテアートが施されます。その豆はミルクに負けない強さを持ったタンザニア・コロンビア・ブラジル・ケニアなどからなる味わい深いエスプレッソ・ブレンドです。

 品質低下を招かぬよう、温度・湿度を管理した保管庫でストックされた生豆は、こまめに焙煎し、新鮮な状態で店頭に並びます。カフェ・ドゥ・リュウバンでは、定番の豆やドリンクに加え、季節限定のメニューを提供しています。9月末から11月末までは「秋のカプチーノ」なるアレンジコーヒーを頂くことができます。

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【photo】ココアパウダーのモミジが秋の深まりを感じさせる秋のカプチーノ(600円)。カップの底にはたっぷりのアプリコットが沈殿している。意外な組み合わせだが、これがまたクセになる

 これは、カプチーノにアプリコットジャムとチョコレートシロップを加えた國井さん考案のオリジナル。焙煎機のかたわらにあるデスク上には、國井さんが豆の配合や味のイメージなどのアイデアを書きとめたさまざまなメモが置かれています。それはあたかも舞い降りたインスピレーションを描いた画家のデッサン画のようでありました。12月からは昨年好評を得た「ユズのカプチーノ」が登場するとのこと。こうして飲み物で季節の移ろいを実感するのもいいですね。

◆ YouTube に流出した映像を秘匿した某国政府とは違って、快く情報開示された秋のカプチーノ・オリジナルレシピは以下の通り

 1:コーヒーカップにアプリコットジャム15 g とチョコレートシロップ3~5 g を入れる
   ※相性を試した結果、ジャムはST.DALFOURが最適。チョコレートシロップはHERSHEY'S
 2:エスプレッソ(シングル・25cc~30cc)を淹れ、カップに注ぐ
 3:泡立てたフォームドミルク120ccを加える
 4:お好みでカルダモンを加える
 
Picture of Reefer by Danny Cornelissen from the portpictures.nl

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Cafe de Ryuban カフェ・ドゥ・リュウバン

住所:仙台市青葉区広瀬町4‐27‐102
Phone:022-264-4339
URL:http://www.cafederyuban.com 
営:10:00- 20:00 第2水曜定休
ブログ:Ryubanの日記
     http://blog.livedoor.jp/cafederyuban/
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