あるもの探しの旅

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秋のカプチーノ

アプリコットが香る秋の一杯 @ カフェ・ドゥ・リュウバン

ryuji_kunii.jpg 毎年オーナーの國井 竜士さん(39歳)が生産地を訪れ、自分の目と舌で選んだコーヒーを提供する「Cafe de Ryuban カフェ・ドゥ・リュウバン」(仙台市青葉区)。山形県寒河江市出身の國井さんが20代の頃、当時はまだ日本でほとんど流通していなかったスペシャルティコーヒーの魅力と出合ったのが、コーヒーに関するさまざまな業務を手掛ける東京の「珈琲工房HORIGUCHI」〈Link to website 〉でのこと。

【photo】ソフトな語り口の國井 竜士さん。言葉の端々からコーヒーにかける熱い情熱がうかがえる

 カフェ・ドゥ・リュウバンでは、生産者、精製加工方法、船積み時期など履歴がしっかりした世界最高水準の生豆を、ワインで用いられるのと同じ低温管理可能なReefer コンテナで輸送し、自家焙煎したスペシャルティコーヒーを味わうことができます。これはスペシャルティコーヒーの我が国におけるパイオニア、堀口 俊英氏(珈琲工房HORIGUCHI代表取締役)のもとから巣立った人々が加盟する Leading Coffee Family の頭文字をとった団体「LCF」が中間業者を通さず直接買い付けたもの。ともすると生産者が弱い立場に置かれがちなコーヒーの生産現場が存続可能な取引条件で信頼関係を築いているといいます。

crops_st.catalina.jpg【photo】空調管理されたカフェ・ドゥ・リュウバンの貯蔵室には、世界中から船便で届く麻袋に入ったさまざまな生豆が山積みされる。國井さんが加盟するLCF向けのロットであることを示すマークの入ったサンタ・カタリーナ農園産コーヒー(写真右)

 例えば、タンザニアのブラックバーン農園。アフリカ最高峰キリマンジャロ(5,895m)山麓、標高1,600m以上の高地ゆえ、昼夜の寒暖差が柑橘系の酸と豊かなコクを生みます。そして農園内に古い礼拝堂が建つ中米グアテマラのサンタ・カタリーナ農園。その芳醇な香り+酸+コクのバランスは、火山灰土壌と1,600m~2,000mという高地性気候がもたらします。さらに南太平洋に浮かぶ赤道直下のパプア・ニューギニア西部山岳州のシグリ農園。熱帯性の潤沢な降雨量と昼夜で15℃ほどもある大きな寒暖差は、コーヒー栽培に理想的な環境です。そこで栽培され、手摘みされた顆粒は、丹念に洗浄されてから天日干しされ、特徴的な甘味のあるコーヒーが生産されます。
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【photo】9 年前の開店以来、愛用している焙煎機。廃熱効率を高めるファンを排煙部に加えるなど、独自に細部の改良・チューニングを加えてある

 こうした世界最高水準のシングルオリジンは、豆の香味をそのまま楽しむならストレートでどうぞ。個性を掛け合わせることで新たなキャラクターを生み出すブレンドは、焙煎の強い順に「イタリアン」「フレンチ」「シティロースト」といった5種類の定番ほか、春には「そよ風」冬の「こもれ日」など季節ごとにバリエーションで登場。豆の個性をストレートに表現する特徴的な円錐形をしたKONO 式ドリッパーで提供されます。ご自身はショップ奥に設置された焙煎機の前でローストやブレンド作業に割く時間が多く、仕切りのガラス越しに姿をお見かけすることのほうが多いかもしれません。堀口門下生として、師匠同様にコーヒーの楽しみを一般向けに伝授するセミナー「おいしい珈琲教室」も定期的に開催しています。

capucino_ryuban.jpg【photo】私の定番、キメ細やかなフォームドミルクを加えたカプチーノ(500円)。猫舌の方でもOKな王道のイタリアンスタイル

 コーヒーに関しては、(「も、」と言ったほうが正確か?) 完全にイタリア人的嗜好ゆえ、國井さんの店ではエスプレッソかカプチーノを頂くことにしています。その香味あふれる一杯は、仙台では数少ないフィレンツェ製業務用エスプレッソマシン、La Marzocco ラ・マルゾッコで抽出したもの。カプチーノには美しい文様を描くラテアートが施されます。その豆はミルクに負けない強さを持ったタンザニア・コロンビア・ブラジル・ケニアなどからなる味わい深いエスプレッソ・ブレンドです。

 品質低下を招かぬよう、温度・湿度を管理した保管庫でストックされた生豆は、こまめに焙煎し、新鮮な状態で店頭に並びます。カフェ・ドゥ・リュウバンでは、定番の豆やドリンクに加え、季節限定のメニューを提供しています。9月末から11月末までは「秋のカプチーノ」なるアレンジコーヒーを頂くことができます。

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【photo】ココアパウダーのモミジが秋の深まりを感じさせる秋のカプチーノ(600円)。カップの底にはたっぷりのアプリコットが沈殿している。意外な組み合わせだが、これがまたクセになる

 これは、カプチーノにアプリコットジャムとチョコレートシロップを加えた國井さん考案のオリジナル。焙煎機のかたわらにあるデスク上には、國井さんが豆の配合や味のイメージなどのアイデアを書きとめたさまざまなメモが置かれています。それはあたかも舞い降りたインスピレーションを描いた画家のデッサン画のようでありました。12月からは昨年好評を得た「ユズのカプチーノ」が登場するとのこと。こうして飲み物で季節の移ろいを実感するのもいいですね。

◆ YouTube に流出した映像を秘匿した某国政府とは違って、快く情報開示された秋のカプチーノ・オリジナルレシピは以下の通り

 1:コーヒーカップにアプリコットジャム15 g とチョコレートシロップ3~5 g を入れる
   ※相性を試した結果、ジャムはST.DALFOURが最適。チョコレートシロップはHERSHEY'S
 2:エスプレッソ(シングル・25cc~30cc)を淹れ、カップに注ぐ
 3:泡立てたフォームドミルク120ccを加える
 4:お好みでカルダモンを加える
 
Picture of Reefer by Danny Cornelissen from the portpictures.nl

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Cafe de Ryuban カフェ・ドゥ・リュウバン

住所:仙台市青葉区広瀬町4‐27‐102
Phone:022-264-4339
URL:http://www.cafederyuban.com 
営:10:00- 20:00 第2水曜定休
ブログ:Ryubanの日記
     http://blog.livedoor.jp/cafederyuban/
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