あるもの探しの旅

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La felicità di una tazza di caffè (コップ一杯の幸せ)

おいしさが溢れ出すカフェ・ラッテ。
えっ? 200円なの!?  @Cafe de Ryuban

 3.11東日本大震災では、暮らしに欠かせないライフラインが軒並み大きな打撃を受けました。仙台圏の都市ガスもその例外ではありません。地元最大のガス事業者である官営の「仙台市ガス局」だけで対応するには、余りに甚大な被害ゆえ、その復旧には、旭川から宮崎まで全国51のガス事業者で編成された延べ8万人に及ぶ復旧応援隊が、昼夜を問わず作業にあたりました。
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【Photo】店頭のケースにはシングルオリジン(=単一農園)やブレンドの厳選ビーンズ〈clicca qui〉がズラリ。装いを新たにしたCafe de Ryuban

 インフラが停止した地震直後の数日に及んだ急場をしのぐ間は、苦労して確保したカセットコンロや比較的復旧が早かった電気を熱源としたため、火力が強いガスの炎で調理した料理など望むべくもありませんでした。仙台では周辺部から復旧作業が行われたため、中心部にガスの火が戻るまでには、ほぼ1ヵ月を要したのです。流出した家屋を除く復旧対象の約32万9千軒について、5月4日までに開栓作業が完了しました。駆けつけて下さった復旧隊の皆さん、本当にお世話になりました。

 到底3月とは思えぬ寒さが続き、電気も戻らぬロウソクのもとで、口にできたにしても、せいぜいおにぎりやカップラーメンだった震災発生から一週間を経た当時、営業を再開した飲食店で頂く温かい食事が、どれほど疲弊したココロを癒してくれたかしれません。ガスの停止によって、通常営業ができないまでも、一杯の香り豊かなカッフェで、ささやかな憩いのひと時を提供してくれたのが、昨年11月に「秋のカプチーノ」でご紹介した「Cafe de Ryuban カフェ・ドゥ・リュウバン」です。

ryuban_marzocco.jpg【photo】カフェ・ドゥ・リュウバンでは、ドリップコーヒー以外のエスプレッソ系ドリンクは、プロフェッショナルユースの最高峰マシン、イタリア製の「La Marzocco GB-5」で抽出する

 コーヒー豆の焙煎に使われる焙煎機(ロースター)の熱源はガスが主力です。そのため、自家焙煎を行うカフェでは、新鮮な自前のコーヒー豆がほとんど提供できなくなりました。私がコーヒー豆の調達をしているショップのひとつカフェ・ドゥ・リュウバンでも、通電後は電動のエスプレッソマシンLa Marzoccoが健在でしたが、ガスの炎が消えた間は、ショップ自ら焙煎したビーンズが提供ができない状態となりました。

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【photo】震災発生以降、紙コップで提供されるようになったカフェ・ドゥ・リュウバンのカフェ・ラッテ。ベースのエスプレッソはLa Marzoccoで抽出したスペシャルティなブレンデッド・ビーンズ、ミルクのクレマには若芽をかたどったラテアート。200円という低価格がにわかに信じ難いハイクオリティな一杯。こりゃ参りました(右写真)

 「(あらかじめ挽いたコーヒー豆がパック詰めされた)カフェポッドなど、カッフェ好きにとっては邪道のツールだっ!!」と10年以上使っているDe'Longhi の普及版エスプレッソマシン「Bar14」と共に、今や自宅カッフェのメインツールとなった「AeroPress エアロプレス《Link to back number 》」用の豆を購入するため、Cafe de Ryuban に伺ったのが3月末。

blackburn_tanzania.jpg【Photo】タンザニア・ブラックバーン農園のシングルオリジン(深煎り)1,260円/200g

 そこではスペシャルティコーヒーの我が国における草分けで、國井 竜士オーナーの師匠・堀口 俊英氏が代表を務める「珈琲工房HORIGUCHI 〈Link to website〉」で焙煎した豆を販売していました。以前は店内でコーヒーを頂けるテーブル席があったのですが、かつてのカフェスペースは豆の選別や発送などを行う作業場に。店頭はコーヒー豆とテイクアウトで提供するドリンク類(日替わりドリップコーヒー、ウインナー・コーヒー、エスプレッソ、カフェ・ラッテ)の販売カウンターというスタイルに変わっていました。

 通常はネット通販でしか入手できないホリグチコーヒーのビーンズが入手できるというので、深煎りのフレンチロースト(1,115円/200g)を購入。豆の持ち味が存分に味わえるAeroPressで淹れたカッフェの期待に違わぬ美味しさはモチロンですが、私が驚いたのがテイクアウト限定で提供されるドリンク類のコストパフォーマンスです。

 紙コップで提供される「カフェ・ラッテ」と生クリーム入り「ウインナー・コーヒー」は200円、日替わりドリップコーヒー「本日のコーヒー」とデミタスサイズの「エスプレッソ」、エスプレッソをお湯で薄めた「エスプレッソ・アメリカーノ」に至っては、缶コーヒーより安い100円という超・お手軽価格。私の定番だったふんわりとしたフォームドミルクを加えたイタリアンスタイルのカプチーノはメニューから消えていましたが、同じエスプレッソベースにミルクを加えたカフェ・ラッテをオーダーしました。

cuore_ryuban.jpg【photo】ココロなごむハート形のラテアート。ちょっと幸せになれる土曜朝のカフェ・ラッテ

 ガスが復旧した4月13日以降は、無事クオリティの高い自家焙煎に戻り、ベースとなるエスプレッソは、4年来使って扱いを熟知した2連式のエスプレッソマシン「La Marzocco GB-5」で淹れた一級品。しかもラテアートまで施されています。滑らかな陶器製カップで味わう本来のスタイルではないにせよ、豆のケース脇にはスツールも置いてあるので、イタリアの「Barバール」感覚で淹れたてを店内で頂くことも可能です。13年ぶりといわれるコーヒー生豆価格の高騰が続く中、たった1コインないし2コインで贅沢な気持ちに浸れます。 

 昨日、國井さんのブログでリリースされましたが、Open以来10年続けてきたカフェをやめ、今後はコーヒー豆のローストと小売をメインにしてゆくとのこと。しかしながら震災発生以降導入したドリンクのテイクアウトは続けるそうなので、まずはひと安心。豆のクオリティからすれば、恐らくは仙台のみならず、日本屈指のコストパフォーマンスのコーヒーを味わえるショップへと変貌したCafe de Ryuban。 決して損はさせません。お試しあれ。

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Cafe de Ryuban カフェ・ドゥ・リュウバン
住所:仙台市青葉区広瀬町4‐27‐102
Phone:022-264-4339
URL:http://www.cafederyuban.com 
営:10:00-19:00 年末年始・お盆を除き無休
ブログ:Ryubanの日記
     http://blog.livedoor.jp/cafederyuban/

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