あるもの探しの旅

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手紙とは切っても切れない切手のハナシ Ver.2

Piatto2011_7.jpgお腹がすく切手・飲みたくなる切手

 久しぶりの「Piatto こぼれ話」カテゴリですが、本日付で更新されたWeb Piatto Mobile Piatto のそれとは異なり、コテコテにイタリアンな味付けのViaggio al Mondo 仕様ゆえ、あえて「Ver.2」というタイトルにしました(笑)。

 さて、7月号の特集テーマは、七夕に詩歌を詠じた旧習から名付けられたとする説がある「文月(ふみづき)」にちなんだ「手紙」。表紙には消印のついた3枚の外国切手が登場しています。日本国内から投函する郵便物には、外国切手は使えませんが、文面を演出する小道具としては、凝ったデザインの外国切手を使う手はあります。

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 撮影現場には、ポストカードやレターグッズを扱う仙台市青葉区一番町4丁目の「inc-tec(インキュテック)」で30枚入り525円で売られていた海外の使用済み切手が持ち込まれていました。チェコやルーマニアといった旧東欧圏やHELVETIAというラテン語の呼び名が記されたスイスの切手などです。(※左Photoクリックで拡大)

 数センチ四方の小さな切手にも、お国ぶりがしっかりと表れるのが興味深いところ。旅先で印象に残った出来事やライブな感動を、土産店で売っている写真入りのポストカードにしたため、旅日記がわりに自分あての便りとして出してみるのもまた旅の楽しみ方と言えます。

 そこに貼られた旅行先にゆかりのある切手は、旅の記憶を呼び起こしてくれることでしょう。イタリア国内にある世界で5番目に小さな国サンマリノ共和国を訪れた際、留守宅にいる幼稚園に通っていた頃の娘あてにハガキを投函しました。すべて平仮名書きの便りに貼られたのは、ティターノ山の頂きで威容を誇る崖上国家の姿がイタリアカサマツの背景として描かれた切手でした。
san_marino_2003.jpg pinus_pinea.JPG【Photo】切り立った岩肌の峨々たるティターノ山頂に築かれた空中要塞都市サンマリノ共和国(左写真)アッピア街道など古代ローマが敷設した道沿いに並木を形成し、作曲家レスピーギが「ローマの松」の題材にしたイタリアカサマツの背景にサンマリノの姿が描かれた共和国発行の切手(右写真)

 英語では7月をJulyと呼びますが、これは7月に生まれた古代共和制ローマ時代の指導者Julius Caesar ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)に由来するもの。よって7月は、混迷の世を導く指導者として歴史に卓越した足跡を残した英雄に由来する月でもあるのです。戦乱の絶えなかった地中海世界にパクス・ロマーナをもたらしたカエサルの没後、帝政に移行するも東西ふたつの帝国に分裂、AC476に西ローマ帝国が滅亡した後は、近世に至るまでイタリア半島は分離独立の都市国家として、また外国勢力による支配を受けるなど、1861年の国家統一まで長い紆余曲折を経ます。
garibaldi@poste_italia.jpg【Photo】イタリア統一運動で赤シャツ隊とも呼ばれた千人隊を率い、目覚ましい活躍をみせた英雄ジュゼッペ・ガリバルディの統一150周年記念切手

 今年で統一150周年を迎えたイタリアでは、年間通してさまざまな記念行事が行われます。Poste Italiane(イタリア国営郵便)による切手の発行もそのひとつ。祖国統一の国民的英雄、ジュゼッペ・ガリバルディや、初代国王ヴィトリオ・エマヌエーレ2世など、リソルジメント(祖国統一運動)に功績を残した10人の人物を取り上げたシリーズの切手も登場しました。
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 祖国統一150周年の祝杯を上げたくなる切手がコレ。イタリアン・シャンパーニュとも呼ばれる高い酒質を備えた北イタリア・ロンバルディア州Franciacorta フランチャコルタ地方のスプマンテ醸造元「Berlucchi ベルルッキ」が、今年設立50周年を迎えたのを記念したもの。女性の憧れ「Made in Italy」製品を取り上げるシリーズの一枚です。

farfalle.jpg ローマにある「Museo Nazionale delle Paste Alimentari (国立パスタ博物館)」の切手もイタリアらしい絵柄。世界中で愛されるパスタの歴史や製造機の変遷などを展示する世界で唯一のパスタ専門博物館の切手には、蝶の形をしたパスタ「Farfalle ファルファッレ」が舞っています。ローマが州都のラッツィオ州とアブルッツォ州の境にあるアペニン山脈に抱かれた小さな山里 Amatrice アマトリーチェの郷土料理がお馴染みの「Amatriciana アマトリチャーナ」。グアンチャーレかパンチェッタといった豚肉の塩漬けベーコンに玉ネギとペコリーノチーズ・少量の唐辛子を加え、オイルと白ワインで風味付けするトマトソース風味のパスタ料理です。
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 昨年創立120周年を迎えたローマのビスケットメーカー「P.Gentilini ピエトロ・ジェンティリーニ」創業当時のパッケージの切手も美味しそう。子どものおやつ向けのビスケットだけでなく、イタリア人の朝食には、飛び切り甘いパンやビスケットがカプチーノととも食卓に上がります。biscotti_gentilini.jpg
 今年発売されたMade in Italy シリーズで秀逸なのが、ゴルゴンゾーラ(ピエモンテ州)、パルミジャーノ・レッジャーノ(エミリア・ロマーニャ州)、モッツァレラ・ディ・ブファーラ・カンパーニャ(カンパーニャ州)、ラグザーノ(シチリア州)というイタリア各地の代表的なD.O.P(Denominazione d'Origine Protetta 原産地呼称統制)チーズを題材にした4枚。どれも美味しそうなチーズの絵柄で、見ているだけでヴィーノが飲みたくなり、おなかが空いてくる罪作りな切手ばかり。
     gorgonzola.jpg parmiggiano.jpg
     mozarella.jpg ragusano.jpg
 
 イタリアから今年届いたハガキを見て「おや?」と、思ったことがあります。以前は0.85ユーロで日本まで郵送できたPoste Italiane(イタリア国営郵便)の料金が、ほぼ倍額の1.60ユーロに今年1月から値上げされたとのこと。

amintore_fanfani.jpg ゼロがやたらと多い「Lire リラ」が通貨だったかつての時代から、ユーロが導入されて以降、桁が少なくなったのをいいことに、便乗値上げが相次いだイタリア。1ユーロ切手に肖像が描かれたアミントレ・ファンファーニが首相を務めた1950年代から'80年代のほうが暮らしやすかった、なんて声も聞かれるとか。世の東西を問わず、せちがらい世の中のようで...。


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