あるもの探しの旅

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光の魔術師 Ver.2

 今回もWeb Piatto Mobile Piatto の「こぼれ話」にアーティスティックな味付けを加えたViaggio al Mondo 仕様ゆえ、「Ver.2」です。
    Piatto8_cover.jpg Piatto7月号で特集したCover Story 「ハートを届ける手紙」の撮影が行われたのは、仙台市青葉区立町にあるレターグッズと雑貨の店「yutorico(ユトリコ)」。オーナーである高橋 智美さんのセンスが投影されたかわいらしい店内をお借りしました。

kobore7_1.jpg お店では陳列台として使っているヴィンテージもののデスクを店の入口に移動させて準備完了。そこで手紙を書き始めた場面を押さえる予定でした。モデルを務めたのは、編集スタッフのSさん。(左写真)

 特集のイメージカット(上写真)では、自然光のもとでソフトな感じの一枚を狙ったのですが、天気が良すぎて強い陽光が店内に差し込むため、光を反射するレフ板を当ててもカメラが狙う腕の内側に影が色濃く出てしまいます。そこで一計を案じたフォトグラファーH氏。まずはアシスタントを店の入り口に立たせて日差しを和らげました。

kobore7_2.jpg  次に光を吸収する黒っぽい服装だったSさんに土俵入りで力士が着ける化粧まわしのように(笑)白いシーツを巻きつけたのです。これで右から差し込む光が和らぐとともに、左手のレフ板、前面の白い壁、そして手前からの四方から光が交差し、腕の内側にできる影を消すわけです。うーむ、これぞプロの技。

Vermel-wien.jpg 話変わって、17世紀オランダの画家ヨハネス・フェルメールの作品が宮城県美術館(仙台市青葉区川内)に今年の秋やってきます。デルフトに生まれた画家の作品とは、ウィーン美術史美術館で対峙したことがあります。オーストリア・ハプスブルグ家が蒐集したブリューゲル、デューラー、ルーベンス、ベラスケスなど傑作揃いのコレクションの中でも埋没しない印象を残したのが、日本では「画家のアトリエ」ないしは「絵画芸術」と呼ばれるこの寓意画でした。自身の投影とされる画家が描いているのは、名声を表すトランペットと歴史を象徴する書物を手にした女神クリオに扮した女性です。(※左画像クリックで拡大)

Woman_reading_a_letter.jpg 仙台で開催される特別展「フェルメールからのラブレター展」(10/27~12/12)で出合えるのは、現存する真作が30点ほどしかない寡作の画家が、円熟期に描いた光の微妙な陰影をとらえた静謐な人物画「手紙を読む青衣の女」「手紙を書く女」「手紙を書く女と召使い」の3作。奇しくもPiatto今月の特集テーマ「手紙」を題材とした作品ばかり。手紙を読む青衣の女(上左写真)は本邦初上陸で、公開直前に本国オランダでの修復が完了したそうです。当時は極めて高価な顔料だった天然ウルトラマリンやラピスラズリを使ったフェルメールブルーが鮮やかに蘇ったとのこと。

"Woman in Blue Reading a Letter" ©Rijksmuseum,Amsterdam.
On Loan from City of Amsterdam(A.vander Hoop Bequest)

   Lady_Writing_Vermeer.jpg Vermeer_bestand.jpg
"A Lady Writing"©National Gallery of Art,Washington,DC.Gift of Harry Waldron Havemeyer and Horace Havemeyer,Jr., in memory of their father,Horace Havemeyer "Woman writing a Letter with her Maid"Sir Alfred and Lady Beit Gift,1987 National Gallery of Ireland Collection Photos ©National Gallery of Ireland.Photographer:Roy Hewson

  「光の魔術師」と呼ばれ、世界的に人気の高い17世紀オランダの巨匠だけでは、食に関する話題を扱う食WEB研究所としてはいささか不適切のそしりを免れません。そこで、物足りなさを補って余りあるほど食べ物がわんさと登場する絵も取り上げましょう。これは16世紀のミラノに生まれ、のちにオーストリア・ハプスブルク家の宮廷画家としてルドルフ2世などに仕えた一人の画家が描いた絵。それは食べ物が題材とはいえ、一般的な静物画などではなく、ちょっと風変わりな人物画です。

      Arcimboldo2_Summer.jpg  wassar-Arcimboldo.jpg
 
 ウィーン美術史美術館を訪れた際、しばらくその絵の前で足を止めた連作「四大元素」(上右写真:61種類の魚介類で顔ができた「水」)や、連作「四季」(上左写真:夏野菜で顔ができた「夏」。パリ・ルーブル美術館も同タイトルの連作を所蔵)などの奇想天外な肖像画で知られるジュゼッペ・アルチンボルドをご存知でしょうか。(※クリックで画像拡大。いささかシュールな作風ゆえ心の準備をお忘れなく)

kobore7_3.jpg 空気・水・火・土という当時いわれた四大元素や、四季を寓意化した要素から構成された肖像画の数々。デフォルメされない写実的なモノたちが、複雑にコラージュされることによって、肖像画へとメタモルフォーゼしてゆくさまはトリックアートそのものです。このマニエリスムの画家は、まるで視覚の魔術師のようではありませんか。

 外から差し込む光を自在に操る光の魔術師ぶりはPiattoの撮影をお願いしているわれらがフォトグラファーHさんとて同じこと。背中に挟んだ洗濯バサミがご愛嬌のSさん。フェルメールの創作意欲をかき立てるに違いない(?)不肖・庄イタのベストショットを最後にお届けします。

 題して「シーツで簀巻きになり手紙を書く女」(♥^0^♥)

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コメント

「フェルメールからのラブレター展」告知があってから、とても楽しみにしていました。
今回の震災でどうなるか心配でしたが、これは仙台市が頑張ったなぁと思っています。必ず見にいきます。
デルフトの光景はあの黄色がかった壁が印象的ですよね。

きゃぁ、宮城県美術館でしたね??
大誤算!!
えらい!宮城県!!ってとってつけたようです・・・すみません、ネット上荒らしてしまって・・・。

▼とのP様
コメント&一人漫才によるボケと突っ込み、ありがとうございます。
この天然系のギャグ、とのPさんだからこそ、面白さ倍増なのかも(笑)

本当に格調高きこのサイトを荒らしてはおりますが、庄内系イタリア人を日々尊敬申し上げております。
その健啖ぶり、神出鬼没ぶり、それになによりイル・ポスティーノ好き、いいですね、でもわが家のイル・ポスティーノ、ビデオなんです・・・とほほほ。

▼とのP様
どうかホメ殺しはご勘弁ください。VHSビデオに収まったIL POSTINOはおろか、学生時代にハマったルキーノ・ヴィスコンティ完全復元版Ludwig に至っては、レーザーディスクで調達した私とて同じです。プレーヤーが故障した今となっては、もはや無用の長物でしかありません(涙)

最近の科学技術の進歩とこの庶民(失礼、庄内系イタリア人はこのカテゴリーにはいりますまい。)の生活の実態とを併せ考えます時に、どちらを優先すべきか、あるいはどう補完するのか、大変重要な課題でありましょう。特に関係はありませんが、わがコレクションの中にもなんとベータなんてものもあり、涙涙であります。(笑)

▼とのP様
 VHSという今となっては懐かしい単語を記した時、よもや?と思いましたが、禁句のベータまで秘匿しておいでとは恐れ入りました。
 年季の入ったビデオデッキとカセットテープレコーダーともども、ドーナツ盤ことSP・LP・カセットテープに収めた昭和の音源と映像の数々…。
 根っからのアナログ人間ゆえ、いまだに捨てられません0rz

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