あるもの探しの旅

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2012/02/25

大山新酒・酒蔵まつり part.2

これぞハシゴ酒の醍醐味!! 酒蔵めぐりスタンプラリー

大山新酒・酒蔵まつり part.1 日本酒カクテルのパラダイス@鶴岡市大山コミセン続き

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【Photo】4つの蔵元と「漬物処 本長」、休憩所「どまんなか商店街」、野鳥観察会を実施する「おうら愛鳥館」のうち4カ所以上を回るとハズレなしの抽選会に参加できる

 まだ昼前だというのに4杯のカクテルを頂き、着物女子の皆さんのお話を伺っているうち、時刻は正午になろうとしていました。この催しの存在を知ってから足かけ9年、12時から始まるという酒蔵巡りに満を持して出発です。

mappa_oyama.jpg【Photo】大山新酒・酒蔵まつり実行委が用意するこのマップ(クリックで拡大)を手に酒蔵めぐりへと繰り出す

 天領地として独自の気風が育まれた大山にある4つの酒蔵のうち、酒造りの歴史に関する資料を網羅した出羽ノ雪酒造資料館を併設する渡會本店(出羽ノ雪)は4年前に訪れたことがあります。新酒が仕上がる日本海寒鱈まつり〈2008.1拙稿「寒中に寒鱈で乾杯 庄内の美味を堪能する会《前編》」参照〉の時季限定で出回る生原酒「和田来 純米吟醸 美山錦」を気に入ったのがきっかけでした。昔の酒造りで使われた道具や資料類を見学した後は、利き酒コーナーで故事に倣った「壺中之天」と「祇王祇女」という純米大吟醸2本を買い求めたのでした。

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 今回も発売してすぐに売り切れたという500円のスタンプラリー前売券は、100枚だけが当日券として1,000円で売り出されます。そのプレミアチケットまでご用意いただいた上は、4ヵ所以上回れば参加できるという大抽選会にも挑戦したかったのですが、この日は15時までに鶴岡市羽黒町へと移動、竹の露酒造場での「鶴岡食文化女性リポーター」オフ会に混ぜて頂くことになっていたのです。

【Photo】13代当主・加藤有慶社長(写真右)が出迎えに立つ冨士酒造は安永年間の創業。今年で234年目の歴史を刻む現在の蔵は築108年。雪で厚化粧をした落ち着いた大山の町並みにしっとりと溶け込む
 
 いかに徒歩圏にあるとはいえ、4つの蔵全てを2時間あまりで制覇するのは難しそう。ここはまだ訪れたことのない蔵元から回るのが得策です。そこで向かった先は、栄光冨士の銘柄で知られる「冨士酒造」。新酒が仕上がったばかりであることを示す青々とした酒林が軒に掲げられた趣ある蔵には、既に100人ほどが列をなしていました。

 この日の鶴岡は、時折日差しがのぞくものの、正午でも気温は氷点下2℃。アペリティフのカクテル4杯でちょっぴり温まっていても、行列している間に底冷えがしてきました。1778年(安永7)創業の冨士酒造。創業者の加藤専之助有恒は、虎退治で知られる肥後(熊本)の武将・加藤清正の嫡男・加藤忠廣が改易で現在の鶴岡市丸岡に流され、そこでもうけた一男一女の女子の血筋だといいます。

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【Photo】3代前となる冨三郎の時代であった昭和初期の額(左) 昭和30年代に「栄光冨士」と酒銘を変更する前は「冨士」と名乗っていた歴代の銘柄をあしらった銀屏風(右)

 1904年(明治37)に10代目冨三郎が建てたという現在の蔵。入口では13代目当主・加藤有慶氏にお出迎え頂きました。冨三郎が1928年(昭和3)の昭和天皇即位の礼で用命を受け、全国清酒鑑評会で優等賞を受領した折の額や、加藤清正公の家紋「桔梗」と「蛇の目」が染め抜かれた暖簾、代々の銘柄を散りばめた銀屏風など、由緒正しきこの蔵の歴史を物語る品々が目を引きます。

 奥行きある蔵をゾロゾロと列をなして進みながら、蔵人が注いでくれる酒を小さなプラスチック製のお猪口で試飲してゆきます。後方から次々と行列が進んでくるので、1ヵ所に留まって2杯目をお願いするのは、よほど強心臓の持ち主か、すっかり出来上がったヨッパライでなければ無理でしょう(笑)。なかにはマイお猪口を持参する常連と思しき人たちも。な~るほど、この手があった。ヨシ、次回はマイ1合枡を持参、ダメもとで蔵人に差し出してみよう...。

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【Photo】純米吟醸「心鍵」は辛口のすっきりした淡麗タイプ(上左) 大吟醸「古酒屋のひとりよがり」はこの蔵の看板銘柄。庄内砂丘名産のマスクメロンのような芳醇な香りと豊かな味わいの逸品。「お代わり下さい」の一言が言いだせない小心者の庄イタなのだった(上右)
「しぼりたて仙龍」はこの時期限定のフレッシュでいきいきとした生酒(下)

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 華やかな吟醸香と深くまろやかな旨味に魅了される「大吟醸 古酒屋のひとりよがり」までも試飲でき、上々のスタートを切った酒蔵巡り。新酒瓶詰め体験コーナーで販売していた、この季節限定の本醸造しぼりたて「仙龍」1本だけを買い求めました。お気に入りの酒を箱買いする人たちも少なからず見受けましたが、蔵巡りの出だしから欲を出しては、この先荷が重くなります。

kahachiro1.jpg【Photo】午後1時を過ぎた頃、2軒目で訪れた蔵元が大山で現存する4つの蔵元では新参ながら最も石高が多い「大山」銘柄の「加藤嘉八郎酒造」。その前にも長ーーーーーい行列

 とはいうものの時刻は間もなく13時。1時間ちょっとで鶴岡駅前まで戻らねばならない身としては、それから行けるにしてもせいぜい1軒。

 冨士酒造から一番近くにあり、その親戚筋にあたる初代・加藤有元が1872年(明治5)に創業以来、「大山」銘柄の酒を醸す「加藤嘉八郎酒造」が次の訪問先で決まりです。

kahachiro2.jpg【Photo】新酒の旬ならではの青々とした酒林と注連縄が架かる加藤嘉八郎酒造の正面入口

 4代目の加藤有造氏が当主を務める加藤嘉八郎酒造。温度管理などモロミの状態を自動制御で櫂入れを行う「OS式タンク」と、麹菌を理想的な環境で培養できる「OKS自動製麹装置」を1970年代に自社で開発。杜氏や蔵人の熟練の技を活かすべきところは活かしつつ、伝統を踏まえつつ進取の気質のでより高い品質を目指すこの蔵の姿勢は、当時の酒造業界では異端児と評されたこともあったそうです。たゆまぬ工夫と努力の甲斐あって、全国清酒鑑評会で立て続けに金賞を獲得しているこの蔵の実力は確かなもの。

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 加藤嘉八郎酒造に並ぶ列の最後尾につくと、見覚えのある横顔がすぐ前に。声をかけると鶴岡在住で私の呑み友達であるTさんでした。フードアナリスト仲間と、ご自身の郷里・仙台のご友人ら数名を酒蔵めぐりに案内しており、ここが2軒目なのだとか。酒蔵めぐりに参加することはFacebookを通じて知っていましたが、延べ3,000人以上が繰り出すこの催しで出くわす奇遇に驚きつつも、類は友を呼ぶといいます。こうして出会うのも必然なのかも...(笑)。

【Photo】揃いのタグゆえパックツアー客と思いきや「日本酒 命」??

 「ご一緒しませんか」と、お誘い頂いたのですが、ほんの一瞬だけ逡巡しました。何故なら、その御一行様は"日本酒 命"という揃いのお手製タグを付けており、行列の中でも異彩を放っていたのです ( ̄▽ ̄;)。それでもあまりに日本酒命チームが楽しそうなので、心の動揺を悟られてはならずと間髪をおかずに笑顔でお仲間に加えて頂きました。

 蔵に入ると、すぐにホッカホカの湯豆腐の振る舞いがありました。ダシのコクが効いて美味しいなぁ、と感心していると、奥の方で鰹節を削って使っているのが見えました。ちょうど小腹が空いてきたところに嬉しいサービスであるばかりでなく、こうしたところも手を抜かないこの蔵の姿勢が垣間見え、一気に好感度アップです。

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【Photo】注文を受けると、写真奥に見える充填機で新酒を瓶詰めし、客の目の前でラベルを貼る本醸造無ろ過生原酒「大山槽前」(写真左) 唯一の欠点は非売品であることぐらい。湯煎された大山の甘酒は、酒米の旨さが凝縮した左党にとっても堪らない美味しさ(写真右)

 その日の朝に醪(もろみ)を槽(ふね)で搾ったばかりだという本醸造無ろ過生原酒「大山槽前(ふなまえ)」は、キレのある鮮烈な味わいが印象的。先ほど試飲した栄光冨士の搾りたてよりも辛口なのはこの蔵らしいところ。ともにアルコール度数が18~19%と高め。すぐに気持ち良くなれそうなので(笑)、こちらも購入しました。

kihachiro7.jpg【Photo】酒造りの最後の工程で、もろみを圧搾して清酒を搾ったた後の副産物・板粕は、タンパク質・ペプチド・各種アミノ酸・ビタミンB群などの栄養素の宝庫。もはやカス呼ばわりは出来なくなる酒粕を熱した焼粕のサービスコーナー

 試飲コーナーの先では板粕を電気コンロとホットプレートで焼き目をつけた焼粕と、この日に合わせて仕上げたという甘酒が振舞われていました。湯煎して燗をつけた温かい甘酒は、麹と米だけで醸し出される上質な甘さと香りに満たされヤミツキになりそう。なれどこの甘酒は非売品。かくなる上は、さきほどの冨士酒造で、古酒屋のひとりよがりを注いでくれた蔵人に対して言えなかった一言を発するしかありません。

 「あんまり美味しいので、すみません、もう一杯下さい!

 笑顔で応えていただいた2杯目の甘酒を満喫したところでタイムアップ。「鶴岡食文化女性リポーター」オフ会に潜り込ませてもらう羽黒町「竹の露酒造場」へと移動する時間となりました。3軒目の蔵めぐりへと勇んで出発したツワモノ揃いのチーム日本酒命とはここでお別れです。

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 9年越しの念願叶って参加できた大山新酒・酒蔵まつり。訪れた2つの蔵元で、それぞれ搾りたて新酒(上写真)を入手することができました。しかし、大山最古の1592年(文禄元年)創業「羽根田酒造(羽前白梅)」と前述の「渡會本店(出羽ノ雪)」の訪問は断念し、スタンプラリーを途中離脱。ゆえに"めでたさも中ぐらいなり おらが冬"、といった小林一茶の諦念と、"I shall return" というダグラス・マッカーサーの再びここに戻って来るぜィ!!という再訪を誓う熱い思いを大山に残して来たのでした。

To be continued.


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2012/02/19

大山新酒・酒蔵まつり part.1

日本酒カクテルのパラダイス
    @鶴岡市大山コミュニティセンター

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 最上・村山・置賜・庄内の山形4地域をくまなく回る中で、人と風土の奥深い魅力に惹かれたのが庄内地方であったことは、これまで幾度となく触れてきました。足かけ9年の間、心惹かれながらも都合がつかず参加せずにいた催しが、寒造りで搾ったばかりの新酒を蔵元で味わえる「大山新酒・酒蔵まつり」です。

 酒造りに欠かせない良質のコメと水に恵まれた庄内地方にあって、鶴岡市大山地区は、450年以上もの長い酒造りの歴史を刻んできました。藩制時代は天領として幕府直轄のもとに置かれた大山。

 最盛期の明治時代には40軒以上の造り酒屋が軒を連ねていたといいます。

honcho_oyama2.JPG【Photo】歴史を感じさせる大山の佇まい。酒林を掲げる栄光冨士醸造元の「冨士酒造」(上写真) 酒粕を使った粕漬が数多いのは大山ならでは。漬物どころ「本長」(右写真)

 朝日連峰の北西端に位置する高館山を背景とする大山は、戦国時代、この一帯を支配した武藤氏が大宝寺から居城を移して発展。羽州浜街道の宿場として、また航海の安全や大漁を願う全国の漁師が信仰する龍神を祀る善宝寺の門前としての機能を大山は担うことになります。由良や酒田の港から北前船で上方へと送られた統一呼称「大山酒」は、あまねく知られるところとなり、灘・伏見に次ぐ酒どころとしての名声を築きました。

 太古に噴火を繰り返した海底火山の火山灰が幾重にも堆積した凝灰質の頁岩(けつがん)層を形成後、隆起したのが大山周辺から金峰山にかけての土壌となります。頁岩が長い時間をかけて変性して赤土となり、その地層で磨かれた朝日水系の伏流水は、上質な酒造りに適した弱アルカリ性。大山地区には1592年(文禄元年)創業の羽根田酒造など4つの蔵元があり、それぞれに培われた伝統の技で酒造りを行っています。

benvenuti_a_oyama.jpg【Photo】鶴岡市街地からR112加茂街道を人面魚でも知られる善宝寺、展示数世界一のクラゲで知られる加茂水族館方向に向かい、山形自動車道の高架を抜けた先の二叉路には、庄内弁で歓迎の意を表する看板が立つ。沿岸部の庄内は、内陸と比べてあまり積雪が多くないのが普通だが、2年続きで積雪量が多い冬となった今年は、その看板もほとんど埋もれそう

 徒歩圏内に4つの蔵元があるというのも大山の魅力。まろやかで芳醇な旨味に魅了される綿屋を醸す「金の井酒造」のすぐ近くにある宮城県栗原市一迫の「金龍蔵」、趣ある木造の雪よけアーケード「こみせ」で繋がった青森県黒石市の「中村亀吉(玉垂)」と「鳴海酒造店(菊乃井)」とを除き、1661年(寛文元年)創業と宮城最古の歴史を刻む「内ヶ崎酒造店」にしろ、石高が多い「一ノ蔵」と「佐浦(浦霞)」にしろ、庄内では「東北銘醸(初孫)」や「竹の露酒造」、「鯉川酒造」にしても、これまで東北各地で見学した蔵元は、徒歩で移動できるような近くには他の酒蔵がないことが普通です。

comucen_oyama.jpg【Photo】建国を祝う休日とはいえ、この日ばかりは寝坊厳禁。午前10時から午後1時まで日本酒カクテルのパーティ会場となった大山コミュニティセンター。スクリーンにジャズ演奏の映像が流れ、レーザー光線の照明が美しい彩りのグラスを照らし出す。事前に完売した300枚限定のチケットで日本酒ベースのオリジナルカクテル4種を楽しめた

 酒蔵巡りをしながら、伝統ある酒造りの現場で仕上がったばかりの新酒が蔵人から振舞われるという呑兵衛にはたまらない趣向の大山新酒・酒蔵まつり。今年で17回目を迎えるこの催しには、地元のみならず全国各地から日本酒ファンが訪れます。そのため、近年では事前に発売される各種チケットは、すぐに完売してしまうほど。昨年12月12日に発売が始まった今回の前売チケットも、年末の忙しさにかまけているうち、すぐに売り切れたとの情報にため息をついていたのでした。

coktail2_oyama.jpg【Photo】大山にある4つの酒蔵が色違いの法被姿で酒造りの町をアピール。目の前でシェーカーを振るバーテンダーの鮮やかな手さばきも雰囲気を盛り上げる

 ところが捨てる神あれば拾う神あり。大山在住だという実行委員の方と今月上旬に知り合う機会があり、ぜひ足を運んでほしいとお誘いを受けたのです。これは昨年秋に山伏修行で滝に打たれた功徳、月山大権現のお導きに違いないと勝手に解釈(笑)。今年の開催日となった建国記念日の2月11日(土)、冷え込みは厳しいものの、運だけでなく懸念した天候にも恵まれて月山越えも難なくクリア、例年になく積雪が多い鶴岡ゆえ、長靴に履き換えてJR羽越線に乗り、勇んで大山へと乗り込みました。

 JR羽越本線の羽前大山駅は、普段は乗降客が多くはない駅ですが、大山新酒・酒蔵まつりが行われる日は特急いなほが臨時停車するのです。まず目指すは午前10時から先陣を切って催しが始まる大山コミュニティセンター。11時をまわって到着した会場の大ホールは照明が落とされ、ジャズ演奏の映像が流れていました。そこは日差しが射すものの肌寒い外とは打って変わった夜の大人の雰囲気。そこでは前売りの300枚がすぐ完売したというチケット(500円)でカクテル4種が楽しめました。

coktail_oyama.jpg【Photo】昨年に続き、日本バーテンダー協会庄内支部に所属するバーテンダーたちが、大山の日本酒をベースにした新作カクテルを考案した。こちらはシェーカーに大山30mℓ+リンゴのリキュール・アップルバレル15mℓ+りんごジュース同量+ティースプーン1杯のレモンジュースを加え、グラスの縁をグラニュー糖で飾った創作カクテル「雪月華(下写真右側)

 昨年の新酒・酒蔵まつりから、日本バーテンダー協会庄内支部の協力のもと、鶴岡市内のバーテンダーたちが、大山で仕込まれた酒をベースにしたオリジナルカクテルを披露しています。「冨士酒造(栄光冨士)」・「加藤嘉八郎酒造(大山)」・「渡會本店(出羽ノ雪)」・「羽根田酒造(羽前白梅)」それぞれの個性や持ち味を残しつつ、果物や植物などのリキュール類をブレンドした色とりどりの新作オリジナルカクテルが並んでいました。

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【Photo】「宵ノハナ」...出羽ノ雪30mℓ+巨峰リキュール15mℓ+スミレのリキュール・パルフェタムール5mℓ+レモンジュース10mℓ(上写真左側) 「フリージア」...栄光冨士20mℓ+リンドウの根から作るリキュール・スーズ10mℓ+オレンジジュース30mℓ+ティースプーン1杯のレモンジュース(下写真左側) 「なでしこ」...羽前白梅25mℓ+桃のリキュール・ピーチツリー15mℓ+クランベリージュース20mℓ+ティースプーン1杯のレモンジュース(下写真右側)

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 造り手の持ち味を生かしながら、日本酒の新たな楽しみ方を提案しようという2年目の創作カクテルは、大山「雪月華」、出羽ノ雪(渡會本店)「宵ノハナ」、羽前白梅(羽田酒造)「なでしこ」、栄光冨士(加藤嘉八郎酒造)「フリージア」という名前が付けられていました。これらのカクテルは、協会庄内支部加盟の各お店で提供するほか、お気に入りのカクテルは自宅でも楽しめるようにと、レシピが公開されていました。

 ほんのりとしたお酒の甘い香りが漂う会場には、地元選出の大物代議士も顔をのぞかせていましたが、何といっても女性の姿が目立ちました。その中でも目を引いたのが、「庄内着物女子〈Link to Website〉」の皆さん。鶴岡の奥座敷・湯田川温泉「甚内旅館」の大塚せつ子女将を中心に、京文化の影響を受けた庄内の伝統に根ざした和装の楽しみ・魅力を共有しようという女性たちで組織されます。踏み固められた雪で足元が滑りやすいこの日も、メンバー5人が綺麗な色合いのカクテルのようにあでやかな着物姿を披露、会場を一層華やいだものにしていました。

donnakimono_oyama.jpg【Photo】カクテルパーティー会場でお会いした庄内着物女子の皆さん。さまざまな催しに着物姿で出かけてゆくというアクティブかつしなやかな女性たちです。湯田川梅林公園で開催される「梅まつり」や、商家・武家の往時の繁栄ぶりが偲ばれる江戸・明治期の時代雛が華を競う「庄内ひな街道」でも、場にふさわしい着物姿をみせてくれるとのこと。左から佐竹 優子さん、小野寺 博美さん、諏訪部 夕子さん、佐藤 裕子さん、齋藤 三代さん

 会場に流れるジャズも上の空、いささか季節はずれな矢沢栄吉の名曲「時間よ止まれ」が頭の中で流れ始めた大山コミセンでの美酒と美女に囲まれた美味しい時間。名残惜しくはありますが、各蔵元を回りながら搾りたての新酒を楽しむ酒蔵スタンプラリーに出発する時刻となりました。

 呑み友達との予期せぬ接近遭遇のハプニングもあった酒蔵巡りについては次回part.2で。その日ダブルヘッダーで庄イタが潜入した「鶴岡食文化女性リポーター」オフ会となる女子会になだれ込んだ長ーく濃ゆ~い一日の模様はpart.3で!!

To be continued.

大山新酒・酒蔵まつりについては―
  鶴岡市観光連盟サイト
 http://www.tsuruokakanko.com/season/fuyu/sake.html
 または 鶴岡冬まつり実行委事務局(鶴岡市観光物産課)TEL0235-25-2111へ

◆ ご紹介したカクテルが楽しめる店は以下の8店
 ・ラウンジ志津  鶴岡市本町1-7-18 Phone:0235-24-8246
 ・vitto dining  鶴岡市本町1-8-20 Phone:0235-22-7758
 ・Rock Bar OVER DRIVE  鶴岡市本町1-8-16 Phone0235-25-1607
 ・BAR COCOLO  鶴岡市本町1-8-41 Phone:0235-22-3374
 ・High noon  鶴岡市末広町15-19 Phone:0235-25-0081
 ・華包  鶴岡市東原町24-2 Phone:0235-26-2433
 ・BAR ChiC  鶴岡市本町1-8-44 Phone:0235-22-4958
 ・lounge bar BRUT  鶴岡市昭和町12-61昭和ビル2F Phone:0235-24-8389


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2012/02/18

チョコレートの真意やいかに?

 2月14日はバレンタインデー。その起源はAmoreアモーレ(=愛)の国イタリアにあることをご存知でしょうか。

st.valentine@terni.jpg【Photo】中部イタリア・ウンブリア州テルニの街の守護聖人であり、恋人たちの守護聖人でもある聖ウァレンティヌス(ラテン語名。現代イタリア語ではヴァレンティーノ、英語でバレンタイン)。1630年に完成したバロック様式のサン・ヴァレンティーノ教会には、祭壇前に聖人の聖遺物が納められる

 時はクラウディウス2世治世下(西暦268~270)のローマ帝国。広大な帝国の平和維持のため、当時の若者は兵役に就くことが求められました。士気低下を避けるため、自由な婚姻を禁じられていた任地に赴く若者のため、禁制を破ってひそかに結婚式を執り行っていたのが、ローマの北方100kmにある街、Terniテルニの司祭Valentinusウァレンティヌスでした。その行いは、やがて人づてに為政者に知られることとなり、捕らえられたウァレンティヌスは、西暦269年2月14日に処刑されたといいいます。

 殉教後に列聖され、恋人たちの守護聖人San Valentino(聖バレンタイン)として今も広く信仰を集める聖ウァレンティヌス。教義の近代化が図られた第2バチカン公会議(1962~65)を経た現在のローマカトリックでは、史実の裏付けがないとして、1969年に典礼が見直され、聖人暦から聖ウァレンティヌスを除外しています。それでも愛と信仰に殉じた聖ウァレンティヌスを知ってか知らでか、2月14日は大切な人への感謝や思いを伝える日として、広く普及しています。

baci_pergina.jpg 【Photo】Baci(キス)の音で開くPergina社のWebサイトからBaciのトップページ。ナポリの有名な眺望スポット「ポジリポの丘」で絶景などおかまいなしに二人だけの世界に浸るカップルが登場。イタリアではよく見かける光景だが、その証拠はバックナンバー「アモーレ・カンターレ・マンジャーレ?」をご参照あれ

 その発祥となった国、イタリアではFesta degli Innamorati(=「恋人たちの祭典」の意)と呼ばれるバレンタインデー。この日はパートナーと食事をしたり相手が喜びそうな贈り物をするのが一般的で、別段チョコレートとの結びつきはありません。そんなイタリアでは珍しく、聖ヴァレンティーノゆかりのウンブリア州テルニでは、2月14日までの数日に渡ってチョコレート祭り「Cioccolentinoチョコレンティーノ」が9年前から行われています。

     

 ウンブリア州は、イタリア土産の定番チョコ「Baci バチ(=キスの意)」の製造元であるPergina社の本拠地。日本でバレンタインデーにチョコレートを贈る習慣の定着に貢献したモロゾフやメリー以上の影響力をもった大企業です。そうした大人の事情はさておき、人口11万人の街テルニで延べ9万人以上が訪れたという3年前のチョコレンティーノの模様をご覧いただき、参加した気分を味わって下さい。

 本命に贈るチョコレートや義理チョコだけでなく、同性にチョコを贈る「友チョコ」や、自分自身への「ご褒美チョコ」と称した有名ショコラティエが作る一箱ウン千円もする高級チョコが売れているのが昨今のバレンタイン事情。女性がチョコレートを添えて愛の告白をする習慣は、日本独自のものですが、独身の若い男女にとっては、悲喜こもごもの1日だったのではないでしょうか。

tartufo_2012saya.jpg【Photo】今年のバレンタインデーに庄イタもひとつだけお裾分けに預ったのが、中学2年生の娘(写真奥)が12日の日曜日に数時間をかけて手作りしたこのトリュフチョコ。女子しかいない学校で交換した友チョコの食べすぎで、翌日具合が悪くなり、医者に駆け込むというオチがつくあたりは、食いしん坊のDNAをしっかり受け継いでいるようだ

 さて、ここからが本題。思春期に経験したようなバレンタインデーをめぐるワクワク・ドキドキから遠ざかって久しい今年、"これはいかなる意味があるのか?? "と、贈る側の真意をはかりかねるチョコが届きました。それは、近所付き合いをしているかかりつけの歯科医夫人から頂いたものです。

 復興関連の3次補正予算が成立後、被災地ではさまざまな事業が同時並行で一気に加速しています。ただでさえ慌ただしい年末年始の繁忙期を挟んだこともあり、当「Viaggio al Mondo~あるもん探しの旅」の更新ペースが鈍っているのもそのため。食WEB研究所の活性化に努めるべき立場のフードライターとしては、怠慢のそしりを受けかねない状況なのです。11月上旬に歯医者に行ったきり、治療していた歯をしばらくほったらかしにしていました。

mission_sodenoshita.jpg【Photo】かかりつけの歯医者さんの奥様から頂いたチョコスフレ

 そこに届いた歯医者さんから贈られたチョコレート。ひょっとしてこれは虫歯を悪化させて早く来院させようという歯科医の良く言えば親切心、うがった見方をすれば新たな営業手法なのでは? という邪念が一瞬よぎりました(笑)。普段から何かにつけて頂き物をすることが多い方なので、他意はないのでしょうが、なんとも意味深なチョコレートです。御礼を兼ねてすぐに歯の治療を再開したのは申すまでもありません。

 う~む、まんまと策略に乗ってしまったのだろうか...。

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2012/02/04

表示不具合のお詫び

復旧までしばしお待ちください m(_ _)m

 冬から春へと季節が入れ替わる日とされる節分が明けた今日は立春。

 「鬼は外」の掛け声とともに各地で行われた豆まきで追い払われた鬼の悪戯なのか、食WEB研究所のサイト管理者によるトップページのレイアウト改変後に不具合が生じ、現在「Viaggio al Mondo あるもん探しの旅」最新作「第1回 Salone del Piatto レポート」以前のバックナンバーについて、各センテンスの行間が表示されない状態になっています。

 これにより、アーカイブから閲覧する以外のトップページ画面上では、こちらが意図したレイアウト通りに表示されず、はなはだ文章が読みにくいことをお詫び申し上げるとともに、週明けに行われる復旧作業まで、しばしお待ちくださいますよう、お願いします。

oni_no_dobu6.jpg はらはらと雪が降る土曜の夕べの一杯は、節分にちなんで「鬼のどぶろく ゆきむすび」。耕作放棄地が増える一方の中山間地におけるコメ作りに希望の灯を点したとされる「鳴子の米プロジェクト」Link to Backnumberのお米、H23年産「ゆきむすび」を受け取りに行った先月中旬、鳴子から30分ほどさらに奥地にある鬼首を訪れ、スキー客らで賑わう「ホテルオニコウベ」で購入したものです。"日本のチロル"と評される素晴らしい景観を生む禿岳(かむろだけ)など、外輪山の姿は降りしきる雪に霞み、静まり返った鬼首は深い根雪に覆われていました。純白の雪のように白濁したトロリと甘い液体の中には、ゆきむすびの米粒がしっかりと混じっています。 
 

 その一粒ずつを噛みしめるように鬼のどぶろくを頂きながら、WEBサイトの復旧と寒さが和らぐ春の訪れを待つことにしましょう。

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平成二十四年壬辰二月四日   庄内系イタリア人


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