あるもの探しの旅

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だだちゃ豆食べ比べ会

Road to だだちゃ豆食べ比べ会
湯田川朝ミュージアム#6 「続だだちゃ豆」より続き

白熱の食べ比べ審査
チャンピオン・オブ・ジ・イヤーは誰の手に?

tabekurabe_1.jpg【Photo】だだちゃ豆食べ比べ会の冒頭、ご挨拶に立つ月山パイロットファーム相馬一廣氏
 
 月山山麓にある月山パイロットファームの研修施設に到着すると、すでに20人ほどが集結していました。参加者は総勢28名。顔ぶれは同社の相馬一廣氏ご夫妻と同社第二農場を預る成沢昭信氏ら生産者のほか、山形大学農学部、庄内経済連、県農業改良普及所などで、だだちゃ豆の研究や普及に関わってきた方たち。加えて歴代の荘内日報社社長、日本の伝統食を考える会(本部:大阪)〈Link to Website、税理士、医師など地元庄内を中心に、京都・新潟・仙台(⇒庄イタ)からの多彩な顔ぶれ。

tabekurabe_2.jpg【Photo】生産者が腕によりをかけた無記名のだだちゃ豆が並ぶ。参加者がこれぞと思った番号に2票を投じ、獲得投票数で順位を決める。食べ進めてゆくうちに味と香りが重複しあってくるため、見極めは容易ではない。3回食べ直しをして悩んだ挙句に票を投じた

 国内の産学関係者からなるエダマメ研究会Link to Website会長を務め、今年3月に山大農学部を退官した赤澤經也氏が恒例により冒頭ご挨拶をするはずでした。ところが、食べ比べ会に提供する天然アユを調達に行く道すがら、車で自損事故を起こし、足に重傷を負って入院されたためパイロットファームの相馬一廣さんが代わってご挨拶をされました。

 食べ比べ会に出品されただだちゃ豆は12品。これでも例年より出品者数が少なかったそうです。今年は8月26日(日)の開催でしたが、春先の寒さが響いた今年は、全体に生育が平年より1週間ほど遅れたため、出荷のピークがずれ込んだ白山だだちゃや庄内3号の出品が多かったようです。6月以降の降水量が平年の1割と極端な水不足と酷暑のもとで育った本年産だだちゃ豆。食べ比べ会は、無記名で出品された豆を試食し、「これぞ!」と思う番号を2つ記入するというもの。順位は投票数の多さで決まります。

tabekurabe_3.jpg【Photo】12種の中から2つを選ぶ審査に臨む参加者の表情は真剣そのもの

 審査に臨む誰もが真剣な表情でモグモグ。私も順番に食べてゆくうち、この審査が容易ではないことに気付きました。だだちゃ豆は香りが強いため、ともすると食べ比べてゆくうちに風味が混ざってしまいます。神経を味覚に集中させて甘さの強弱、風味の良さ、コク深さなどを確かめてゆきます。1番から12番までひと通り食べた後で、もう一度食べ直し、5点ほどに絞ったところで、再びトップの二つを決めてゆきました。

tabekurabe_4.jpg【Photo】いずれ劣らぬ秀作揃いのだだちゃ豆の中から、悩み抜いた庄イタがオレンジ色の投票用紙に記した番号は3と12。厳正なる審査の結果はいかに?

 開票の結果、最多票を獲得したのが12番の月山パイロットファーム第二農場の成沢昭信氏が山場の畑で栽培した白山だだちゃ、次点が3番の元荘内日報社編集局長 松木(まつのき)正利氏夫人の道子さんが、鶴岡市内にあるご自宅の畑で育てた庄内3号のワンツーフィニッシュ。これは奇しくも庄イタが投じた一票と同じもの。ビギナーズラックというべきか、これまで鶴岡各地の産直でつまみ食いを重ねてきた成果というべきか...(´∀`*)

tabekurabe_5.jpg【Photo】栄冠に輝いた12番月山パイロットファーム成沢昭信氏の白山だだちゃ

 最多票を獲得した成沢氏は、輪作による資源低投入型月山パイロットファーム式無農薬有機農法を取り入れています。標高約300mの山場と平場にある畑から豆を出品した成沢さんによれば、気温が低い山場では平地と比べて収量が1/4しかないそうです。厳しい栽培環境がもたらす負荷がストレスとなり、糖分が増して風味が良くなったのではないかと勝因を語りました。次点の松木さんは、いつも相馬さんが優勝をさらってゆくので、打倒相馬を目指して精進してきましたと本音を披露。会場は笑いに包まれるのでした。

 和やかな中にも、この会が大真面目で行われていることを示したのが、「だだちゃ豆のおいしさ 香りについて」と題する慶応大学先端生命科学研究所の富田淳美さんによる解説。最新の研究結果に基づく未発表の内容を含むため、ここではその詳細は伏せます。湯田川温泉朝ミュージアムでお会いし、食べ比べ会にも参加しておいでだった山形大学農学部江頭宏昌(ひろあき)准教授(下写真左から2人目)の指導を仰ぎ、現在は鶴岡にある同研究所で植物に関する研究を行っているそうです。

 tabekurabe_6.jpg【Photo】慶応大学先端生命科学研究所の富田淳美さんによる科学的な分析データに基づく解説がなされた「だだちゃ豆のおいしさ 香りについて」。興味深い解説に一同興味津々

koino_kawa.jpg【Photo】出羽桜・くどき上手・東北泉・竹の露など、さまざまな銘柄の日本酒が用意された食べ比べ会は、飲み比べ会さながら(笑)。持ち帰りさせて頂いたのは、まだ飲んだことのない一本。最晩節に登場するだだちゃ豆品種「尾浦」をつまみながら、自宅で空けた鯉川酒造の純米吟醸「恋の川」生酒

 この日は所用で参加できなかった鯉川酒造の佐藤社長が、だだちゃ豆に合わせて選んだ山形各地の日本酒が並びました。それを庄イタが指をくわえて見ていたのは、塩引き鮭の調達に新潟村上まで車で移動することになっていたため。宴たけなわの酒席を中座せねばならなかったのも心残りでした。

 空気が乾燥し、強風が吹いた翌朝はだだちゃ豆の香りが弱くなるなど、興味深い皆さんの話をウーロン茶を飲みながら拝聴する私に、好きな酒を持ち帰っていいからと仰って頂いた相馬氏に後日連絡を入れました。電話口で「たまには勝ちを譲らないと」と悪戯っぽく笑ったものの、そこは「沈潜の風」を旨とする鶴岡の人だけに、来年こそはと捲土重来を目指していることでしょう。 

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コメント

だだちゃ豆食べ比べ。
私にはできないな。
どれもみんな同じでおいしいってなっちゃいそーな。
一回毎に、水で口をゆすぐとかもしないんですよね。
ところで、このサイトが閉鎖になると、
庄内系イタリア人は他に移られるんですか。それとも独立?
ユーロ圏からの脱退みたいな。

▼ 親分てーへんだ様

コメントを頂きありがとうございます。ご賢察の通り口をリセットできないので判定は容易ではありませんでした。JA鶴岡さんの産直館白山店や産直しゃきっとなどでは旬を迎えると地元の生産者ごとわんさと試食ができます。そうした機会を逃さず散々つまみ食いをしてきた成果であると考えております。

サイト管理者のお知らせにある通り、食WEB研究所は月内で閉鎖となります。かといって河北新報社のSNS「ふらっと」移住では、写真点数が多いViaggio al Mondoは居心地が良くありません。サイト管理者からはユーロ圏(⇒ふらっと)での新コンテンツ立ち上げ策も提示されましたが、庄イタはサンマリノ共和国やバチカン市国のような独立国として、「かほくブログ」の片隅で怪しく蠢くボヘミアンのように棲息して参る所存です。これからもどうぞお立ちより下さいませ。

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