あるもの探しの旅

« ナシにまつわるアバタもエクボなハナシ | メイン | どうせなら真っ当な新酒を »

暮らしをデザインする「あかり」

Piatto11月号こぼれ話 ver.2 
◆Web Piatto : http://piatto.kahoku.co.jp/piatto/
Piatto201211_cover.jpg
 仙台発・大人文化を提案するマンスリーマガジンPiatto11月号は本日発行。8月号の取材現場に携わって以降は、「ジョジョ展 in S市杜王町」関連業務と編集作業の時期が重なった9月号・10月号では誌面制作に全くタッチせずにいました。ゆえにPiattoこぼれ話カテゴリーはひさびさの更新です。

 晩秋の夜長、灯火親しむの候だからこそ、見直したい照明について11月号では取り上げました。居心地の良い空間づくりに欠かせない要素のひとつが「あかり」。いつものお部屋の雰囲気をガラリと変えるプロのアドバイスを参考に、大切な人とのリラックスした時間を過ごすもよし、自分と向き合う満ち足りた時間を過ごすもまたよし。

 ほの暗いロウソクのような暖色系の白熱灯や、壁面にバウンスさせた間接照明を好み、蛍光灯のシーリングライトが発する寒色系の光を忌み嫌う傾向がある庄イタ。きっと電球が一般化する以前に前世を過ごした19世紀中葉の北イタリアでの前世の習性が抜け切らないのでしょう。震災後は不夜城のごとき歓楽街のまばゆさには、以前にも増して違和感を感じるようになりました。

monmaya_1.jpg【Photo】登録有形文化財に指定された1928年(昭和3)築の町屋造りの母屋。(株)門間箪笥店の若き6代目・門間一泰(かずやす)専務が「monmaya」と屋号を変えた現在は、伝統的な様式美を継承する仙台箪笥とデザイン性の高いイタリアの照明器具をリスペクトして誕生した「DI CLASSE ディクラッセ」の照明器具などを取り扱う伝統美とモダンが調和するショールームとして活用

 今月の巻頭特集「毎日がいとおしくなる あかりがつくる心地よい暮らし」では、あかりを軸に和洋それぞれのノウハウをご紹介しています。登場したアイテムをお勧めするのは勿論ですが、今回の取材先は、テイストは異なれど、いずれも時間を工面してでも訪れたい素敵な雰囲気をたたえた空間でした。

   monmaya_2.jpg monmaya_3.jpg
【Photo】間口は一般家屋とさして変わらないものの、奥行きがある典型的な町屋造りのmonmaya。木枠のガラス窓、表紙にも登場した雪見障子、ゼンマイ式の柱時計幾何学模様を描く象嵌細工の欄間など、随所に古き良き日本家屋の面影を残す(写真左)

 まずは表紙撮影と併せて築84年の母屋がロケ地となった「monmaya(もんまや)」。1995年(平成7)に完成したショールーム仙台箪笥伝承館を併設するこちらは、創業以来140年になる老舗です。門間箪笥店としての創業以来の地である仙台市若林区南鍛冶町は、染師町・畳屋丁・弓ノ町・石切町などと並んで、その名が示す通り藩制時代は鍛冶職人が住まった職人町。丹念な鍛冶仕事の精華である飾り金具がふんだんに用いられた芸術品のような仙台箪笥は、仙台人にとっては一竿は欲しい憧れの家具です。

monmaya_4.jpg【Photo】神棚と押し入れの下の壁面に組み込まれた明治の名工といわれた門間民冶の手になる玉杢の欅に仙台木地呂塗りを施した仙台箪笥。重厚感のある金具は、寅年生まれの民冶が、彫金の名人と称された菊地松右エ門に製作を依頼した名品

 門間箪笥店は、仙台では唯一の取り扱いとなる新潟県燕市のダイニング・キッチンウエアブランド「enn」のサービングプレートを8月号で取り上げています。その時と同様、美しい造形は、世の東西を問わず融合することを示してくれた「DI CLASSE ディクラッセ」の照明器具をメインに撮影が行われたのは、ショールームとして使われる1928年(昭和3)築の母屋。平成の初期までは実際に住まいとして使われていた町屋造りの純和風建築です。文化庁から登録有形文化財の指定を受けるだけあって、職人技が光る建具や作り付けの箪笥のしつらえは一見の価値ありです。

 続いては青葉区花京院に建つビルの1Fにある「トーヨーキッチン&リビング 仙台ショールーム」。今号では照明器具を中心にご紹介しましたが、それだけではもったいないのがこちら。なぜならそこは庄イタの物欲を刺激する質の高いイタリアン・プロダクツが、数多く展示されていたのです。
toyo_k1.jpg

 毎日の料理が楽しくなりそうな機能的でデザイン性に満ちた同社オリジナルキッチンツール、遊び心いっぱいのハイセンスなイタリア家具、芸術の薫り高いモザイクに圧倒される世界遺産の街ラヴェンナに工房を構えるSICIS(シチス)社のヴェネツィアン・モザイクなどが所狭しと展示されています。

  toyo_k2.jpg toyo_k4.jpg
【Photo】壁面のヴェネツィアン・モザイクが変幻自在な光を放つ。プラスチックにクロームメッキを施し、装飾性の高さを演出するできるシャンデリア「Kilalaキラーラ」。9灯(W780×H780)と5灯(W450×H580)の2サイズ。ダイニングチェアは「AMI AMI アミアミ」。ブラックと白も展開(左写真)
 高低差をつけたダブル使いの事例を誌面でご紹介したキラキラの「Klunkerクランカー」(右写真奥)の手前は、花型のポリカーボネートが華やかさを演出する「Bloomブルーム」(W590mm×H750mm)。いずれもミラノ近郊に本拠地を構えるKartell社の製品
 

  toyo_k8.jpg toyo_k7.jpg
【Photo】スタンド型フロアライト「Satin サテン」(W400×H1995)の隣のソファに座る取材スタッフEさんは伝説の小人族コロボックルにあらず(笑)。(左写真) 重量が軽く、女性でも積み重ねが簡単にできる肘掛椅子「Louis Ghost ルイ・ゴースト」(右写真)は、一見すると"空気椅子"

 世界的に活躍するプロダクトデザイナー、吉岡徳仁氏が2008年のミラノサローネで発表したポリカーボネートで編み格子のような造形を生み出したKartell カルテル社のチェア「AMI AMI」、パリ生まれの工業デザイナー、フリップ・スタルクが、ルイ15世の時代に登場したクラシックな肘掛椅子を透明な樹脂で現代風にリモデルした「Louis Ghost」など、アート感覚溢れる機能的な生活ツールは、1脚2万円台から3万円台と手が届く範囲。
toyo_k5.jpg
 オブジェのようなシャワー水栓「BIG」を採用したアイランドキッチンから、色合いがひとつずつ異なるため、見る角度や光の当たり方によって万華鏡のような表情を見せるSICIS社製ヴェネツィアン・モザイクのコースターまで、ショールームには幅広いラインナップが揃います。

toyo_k6.jpg
【Photo】トーヨーキッチンオリジナルのシンクは樹脂製で可動式の水栓や「BIG」(上写真)だけを挙げても機能性と優れたデザイン性を両立している。  SICIS社のモザイクを用いたこのコースター(1個500円・左写真)に載せたコップの水が、季節と時間によってさまざまに表情を変える水の都ヴェネツィアのラグーナ(=潟)へと変貌しそう

 今年9月、東京南青山に絢爛たるSICIS社のヴェネツィアン・モザイクの展示スペース「SICIS TOYO KITCHEN STYLE」がオープンしました。250平米の床や壁面を埋め尽くす色ガラスを組み合わせたモザイクは、日本では他に例を見ないスケール。それはSICIS社の工房があるイタリア・ラヴェンナの至宝、6世紀の建造当時のモザイクの輝きに息をのむサン・ヴィターレ聖堂内陣や、その脇に建つ小さなガッラ・プラチディア聖堂内部を埋め尽くす天上の楽園かと思えるモザイクをも想起させるかもしれません。目の保養・心の栄養になること間違いなし。こちらも必見です。


baner_decobanner.gif

Novembre 2018
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  

archive.gif

Copyright © KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO.