あるもの探しの旅

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Solo Brunellista

Road to ネッビオーロ限定ワイン会
 ちょっと長~いプロローグ
「ブルネッリスタの会」@弘前

nebbiorista_1.jpg【Photo】晴天の泉ICから大鰐弘前ICを目指し、東北自動車道を一路北へ。安代JCTから秋田県に入る頃から、路肩の積雪が次第にふえてゆき、青森県境では雪がちらつき始め・・・

 今月初旬、弘前市某所でバローロやバルバレスコに使われるブドウ品種「ネッビオーロ」だけを飲み比べするネッビオリスタの会が開催されました。八甲田山麓の酸ケ湯温泉で日本最深積雪記録となる566cmを観測するなど、豪雪に見舞われた今年の青森。開催日直前で1m30cmという尋常ならざる弘前の積雪量に怖気づき、参加を見送ろうとしたものの、垂涎の試飲ラインナップを知り、あっさり翻意したことをまずは告白せねばなりません(笑)。
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【Photo】ネッビオリスタの会が催されたピッツェリア・ダ・サスィーノ

 忘れもしない震災当日の2011年3月11日(金)、前日から出張で訪れていた青森市から弘前に移動。昼にマルゲリータを食べて以来となる「Pizzeria DA SASINOピッツェリア・ダ・サスィーノ」が今回の試飲会会場でした。

 「食料自給率100%のレストラン」こと弘前の「Osteria Enoteca Da Sasino オステリア・エノテカ・ダ・サスィーノ」オーナーシェフの笹森通彰(みちあき)さんが主催するワイン会に参加するのは今回が2回目。前回は昨年7月に同店で行われたトスカーナで最も高値で取引されるDOCG「Brunello di Montalchinoブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」でも孤高の存在で、入手困難な生産者「Case Basseカーゼ・バッセ」をヴィンテージ違いで垂直試飲するという空前絶後の企画でした。

degstazione_soldera1.jpg ダ・サスィーノのセラーと、店の常連客である村上氏ご提供によるBrunellistaブルネッリスタの会での試飲アイテムは以下の通り。オーナーのジャンフランコ・ソルデーラが、5年のスラヴォニアンオークの大樽熟成と9~12カ月の瓶熟を経てリリースする「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ・リゼルヴァ'96・'01・'03・'04・'05」、1年だけ樽熟期間が短い「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ`99」に加え、この造り手によるVDT「Intistietiインティスティエティ`91」とIGT「Pegasosペガソス'05」の計8アイテム。ブルネッロ以外の2本は、早く飲み頃を迎えたと判断した大樽をDOCGブルネッロではなく、VDTないしはIGTカテゴリーのテーブルワインとしてリリースしたものです。

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【Photo】グラスに注いでしばらくは可憐な香りを放つも、30分を過ぎる頃から次第に酸化が進み、1時間後には儚く散ったVDTインティスティエティ`91。熟成途上の試飲で、若飲みと判断されたこの年のカーゼ・バッセの畑2haからは、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノが生産されなかった。(左上) 素晴らしいブーケが口蓋から鼻腔へと広がり、血筋の良さを感じさせ、親しみやすいスタイルに仕上がったソルデーラ・リゼルヴァ'01。(右上) 夏の低温がブドウの作柄に影響した`05ヴィンテージは、通常より早い32カ月を経た時点で熟成が進んだ樽を瓶詰めした。インティスティエティ同様のコンセプトで造られたこのワインはIGTトスカーナ・ロッソ「ペガソス」としてリリースされたが、5年の大樽熟成を経たリゼルヴァ`05も後に発売された(左下) 素晴らしい天候に恵まれた`99ヴィンテージ。4.5haの単独畑インティスティエティのブドウはリゼルヴァに、熟成期間が1年短い通常のブルネッロとしてリリースされたのが、カーゼ・バッセ区画のブドウ。強靭さと偉大なスケール感を備えた素晴らしい味わいと長い長い余韻。庄イタ的には、この日のNo.1(右下)
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 10名の多彩な顔ぶれが揃っての乾杯は、村上氏がお好きなシャンパーニュの作り手「ドメーヌ・ユリス・コラン」の「ブラン・ド・ノワール・エキストラ・ブリュット」。いわゆる自然派には興味薄な庄イタでも、その名は知っているシャンパーニュの作り手、ジャック・セロスの薫陶を受けたというビオディナミ製法を取り入れた新星が、父から受け継いだ樹齢40年のピノ・ノワールだけで仕込んだ1本です。

IMG_8503.jpg 優しい泡立ちと繊細な果実味はさすがの仕上がりでしたが、我が関心はすでに抜栓してある黒いエチケッタにローマのトリトーネの泉のようなバロック様式の噴水などでよく目にするイルカが描かれたレアものブルネッロへと移行していました。モンタルチーノの頂点に君臨する造り手をヴィンテージ違いで8種類も試飲する贅沢極まりない饗宴の締めくくりには、庄イタが持ち込んだ至高のトスカーナ産デザートワイン「ヴィン・サンジュスト'96」で参加メンバーに昇天してもらおうというシナリオを描いていました。

【Photo】ヴィンテージ違いのソルデーラが並ぶテーブルは壮観の一言に尽きる

 毎年変わる美女が楽しみな「Le Pergole Torte ペルゴーレ・トルテ」にも共通するサンジョヴェーゼのエレガンスを引き出す天才醸造家ジュリオ・ガンベッリとの共同作業で、並外れた嗅覚を持つジャンフランコ・ソルデーラが造り出す官能的なまでに芳しいブルネッロ。小鳥やミツバチが飛び交う畑で、化学肥料や除草剤といった人為的アプローチを排して育てたブドウ「サンジョヴェーゼ・グロッソ」は厳しく選別されます。

bicchieri_soldera.jpg 更なる高みを目指して今回は供出を見送ったセラーで眠る世紀のヴィンテージ、リゼルヴァ1997年や、優良年の'99・'01・'04は勿論、1994年のように天候にそれほど恵まれた年でなくとも、ソルデーラは素晴らしく香るブルネッロを生み出します。これは剪定や摘果などの丹念な畑仕事と、厳しいブドウの選別の結果です。

【Photo】ほとんどの醸造所がブドウの一次発酵で使用する温度管理が容易なステンレスタンクではなく、ソルデーラでは天然酵母と昔ながらの木製の発酵槽で発酵後、7,500ℓと15,000ℓ容量の大樽をもって、40年~50年は輝かしい命脈を保つとオーナーが豪語する伝説のブルネッロが生まれる。いつもながら見事な仕上がりの自家製フォルマッジョ・プロシュット盛り合わせや、ペガソスつながりの馬のビステッカとこの日試飲した(上写真右から順に)'04・'99・'96・'03ヴィンテージのブルネッロ。 綺麗な酸味を主調に調和がとれ、峻厳な一面もある`99ヴィンテージとスタイルは違えど、5年若い優良ヴィンテージ`04はよりソフトな印象(下写真)

degstazione_soldera04.jpg サンジョヴェーゼから誰よりも優美に香るヴィーノを作り出した稀代の醸造家、ジュリオ・ガンベッリが86歳で亡くなったのが昨年1月3日。同年12月2日には、9月に解雇されたことを逆恨みした元従業員が、夜陰に紛れて醸造所へと忍び込み、大樽で熟成中の`07~`12ヴィンテージ626hℓ分すべてを開栓して廃棄する蛮行に及んだ前代未聞の事件が発生しました。瓶熟中だった優良年'06ヴィンテージ以前は無事だったものの、ソルデーラはリリース時点でも2万円前後で流通していた高級品ゆえ、推定被害総額は600~700万ユーロ(6億6,400万~7億7,500万円)。これは文化的損失にほかならず、文字通り"覆水盆に返らず"な出来事でありました。

 ブドウのピュアな甘さを純粋培養し濃縮させた蜜のごときヴィン・サンジュスト'96で夢見心地へと誘われたところでブルネッリスタの会がお開きになり、二次会へと移動するまでの間、笹森シェフとともに殿(しんがり)を買って出た数名の呑み助により、4本のディジェスティーヴォ(=食後酒)が空きました。

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 何でも自作してしまう笹森シェフが満を持してワイン造りに着手、イタリア原産のブドウ数種を岩木山麓で育てています。まだ着色が思うに任せないというサンジョヴェーゼをロゼとして瓶詰めしたチャーミングな「Sasino Rosatoサスィーノ・ロザート`11」、長野の小布施ワイナリーが少量造る純米吟醸原酒「Sogga Nagano Nostalgie ソッガ・ナガノ・ノスタルジー'11」、シチリアの優良生産者「テヌータ・レガレアリ」がシャルドネ100%で作るIGT「Chardonnayシャルドネ'09」、そして地中海に面したトスカーナ州ピオンビーノの造り手、「ポデーレ・サン・ルイージ」がカベルネとカベルネフランを混醸したボルドーブレンドのIGT「Fidensioフィデンシオ'00」のまだ若々しい印象だったお味は、残念ながらうろ覚えですm(_ _)m

 こうしてモンタルチーノの至宝を極めたブルネッリスタの会に続き、12名が集った今回のネッビオリスタの会でも、ピエモンテを代表するブドウ品種ネッビオーロの多彩なラインナップが用意されました。それもイタリアワイン好きなら、泣いて喜ぶ造り手の飲み頃アイテムが顔を揃えていたのです。

その全容は次回ご紹介の「Solo Nebbiolistaソロ・ネッビオリスタ」にて!!

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Azienda Agricola Case Basse di Giancarlo Soldera
醸造所への訪問は事前予約のみで可能
(ジャンフランコは偏屈で知られる人物ゆえ時間の余裕をもって行くべし)
Localita' S. Restituta, Montalcino, Si 53024 Italia
Phone: +39 0577 848567
Mobile Ph: +39 335 7727315
Fax: +39 0577 846135
E-mail: gianfranco.soldera@casebasse.it
URL:http://www.soldera.it/


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