あるもの探しの旅

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在来作物と種を守り継ぐ人々の物語

映画「よみがえりのレシピ」仙台上映
  ・2013年4月13日(土)~26日(金)@フォーラム仙台

東海林晴哉写真展 山形在来作物の世界
  ・同4月2日(火)~21日(日)@美術カフェ ピクニカ 
  ・同6月5日(水)~7月15日(月)@レストラン パリンカ

tokairin_haruya.jpg 我がホームグラウンド・山形県庄内地方をはじめとする個性豊かな在来野菜と生産者、そして周囲の人々の姿を追った二つの企画が、仙台で同時開催されています。

 4月2日に美術カフェ「ピクニカ」で展示が始まった鶴岡在住の写真家・東海林晴哉さんの写真展「山形在来作物の世界」。在来作物をライフワークとする東海林さんとは、藤沢カブの焼畑作業が行われた2006年8月、湯田川の山中で初めてお会いして以来、折につけご一緒してきました。地中深くに根を張り、みずみずしい生命力と存在感を示す作品が仙台では展示されている「宝谷カブ」の収穫の模様を収めた写真をViaggio al Mondoにご提供いただいたことが過去にあります。

picnica_1.jpg【Photo】美術カフェ「ピクニカ」での東海林晴哉写真展「山形在来作物の世界」は21日まで。
6月5日からは青葉区霊屋下のレストラン「パリンカ」で開催

picnica_2.jpg

 写真展には、金峰山南麓の山中で伝統的な焼畑農法で作られる田川カブと生産者の姿を収めた作品20点と、「生きる」をテーマに作物の目線で捉えた平田赤ネギ・藤沢カブ・漆野インゲン・孟宗・大滝ニンジン・外内島キュウリといった在来作物15点、合わせて35点が展示されています。田川カブの生産者の中には、金峰山の北側にあたる鶴岡市藤沢集落で、藤沢カブの種を守り継いだ後藤勝利(まさとし)さんのお姉さまで、田川赤かぶ漬グループ代表を務める武田彦恵さん(予告編で赤カブを手に収穫の喜びを語る下画像のあねちゃ。今年で御歳77)の姿もありました。

 そして4月13日(土)、渡辺智史監督作品のドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」の劇場上映が仙台で始まりました。2011年11月の初公開から1年半あまり。ようやくの宮城初公開です。上映は4月26日まで。お見逃しなきよう。

 地元で上映が始まって以降、日本各地で上映が行われてきたこの映画については、鶴岡での公開初日に仙台から駆けつけた2年前の11月、Viaggio al Mondo でもいち早くご紹介していましたLink to backnumber。繰り返しになるので、ここで映画の内容について触れるのは控えます。
haruya_tokairin.jpg【Photo】ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」鶴岡での上映最終日となった2011年11月25日、上映後に講演を行った民俗研究家の結城登美雄先生を交えて懇親会が行われた。その席上、鶴岡市小真木で、育種家であった義父の武さんが1965年(昭和40)に育種した「大滝ニンジン」を唯一作り続ける大滝小菊さんが翌日収穫を行うとの情報を、同席した山形大学農学部江頭宏昌(ひろあき)准教授から入手。翌朝10時に待ち合わせした東海林さんほか、毎日新聞の長南里香記者も合流し、大滝さんの畑に伺った。月山を背景に収穫したての大滝ニンジンを撮影する東海林晴哉さん

 外内島キュウリ藤沢カブ平田赤ネギだだちゃ豆・・・。無いものねだりではなく、身近かにある地域資産に光を当てることを旨としてきたViaggio al Mondoでは、「足もとのこと」カテゴリーで幾度となく取り上げてきたワン・アンド・オンリーな地域の伝承文化を体現する在来作物。

 スクリーンに登場するのは、こうした在来作物の宝庫である庄内の事例だけではありません。今年1月にスローフード協会から絶滅の危機に瀕する保護すべき作物を指定する「味の箱舟(アルカ)」として認定された真室川町の甚五右ヱ門芋や、同じく2005年にアルカ認定を受けている米沢雪菜などが、おのおの自家採種を営々と繰り返してきた生産者とともに登場します。

frier_yomireci2.jpg【Photo】山形市北部風間地区原産の「山形赤根ホウレンソウ」がキービジュアルに登場した第一弾に続き、さまざまな山形の在来作物が並ぶ第2弾フライヤーに表情豊かな作物の写真を提供したのも東海林晴哉さん

 そこで描かれるのは、国論を二分する環太平洋経済連携協定(TPP)で、主に産業界から聞かれる推進派の論拠となるあくなき経済性の追求や、遺伝子組み換え大豆が全作付の9割を超える米国のような大規模集約型農業を志向する動きとは無縁の営み。効率性や金銭的な価値といった物差しでは決して推し量ることができない地域の宝を取り巻く人々の姿は、目まぐるしい変化と目新しさを追いかける都市生活者の目にどう映るのでしょうか。

 これまで全国各地で上映されてきた作品をご覧になった人の多くが、スクリーンに登場した作物を実際に食べてみたいと思うようです。現場主義を貫いてきた庄イタは、作り手の思いや作物が生まれる風土や歴史を知らずして、本当の魅力は到底理解できないと信じて疑わない者です。

 この映像作品をご覧になって何か感じるところがあったなら、ぜひ五感を研ぎ澄ましてそこを訪れてみてください。今まで目に入らなかった新鮮でどこか懐かしい普遍的な価値観を発見できるかもしれません。
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◆東海林晴哉 写真展「在来野菜の世界」
・2013年4月2日(火)~21日(日)
   会場:美術カフェ「ピクニカ」(仙台市青葉区一番町1-5-31)
   PHONE: 022-721-2181
   営:12:00~20:00( 土日祝:~18:00 )月曜定休
   URL: http://picnica.net/
・2013年6月5日(水)~7月15日(月)
   会場:レストラン「パリンカ」(仙台市青葉区霊屋下19-8)
   PHONE:022-213-7654
   営:11:30~14:00(土日祝14:30) 18:00~21:00 火曜定休
   URL: http://r-palinka.com/
・東海林晴哉氏ブログサイト〈Haruyaの写真日記〉http://d.hatena.ne.jp/Haruya_T/

◆やまがた発長編ドキュメンタリー映画「よみがえりのレシピ」
・2013年4月13日(土)~26日(金)
   上映:フォーラム仙台(仙台市青葉区木町通2-1-33)
   1日2回上映 ・1/10:00~  ・2/18:30~
   PHONE:022-728-7866
   公式サイト http://www.y-recipe.net/
  【今後の上映スケジュール】
   ・神奈川  川崎市アートセンター 4月20日~26日
   ・大阪   第七藝術劇場 4月20日~5月10日
   ・北海道  シアターキノ 4月27日~5月3日
   ・京都   京都シネマ  5月4日~
   ・石川   シネモンド  5月11日~5月24日
   ・兵庫   神戸アートビレッジセンター 5月18日~

 ★4/20追記
   仙台上映が1週間延長決定ッ!!!!
   ・4月27日(土)~5月3日(金・祝)1日1回上映 ・午前10時~ 
   ・東海林晴哉氏が撮影した在来作物を被写体にしたポストカード(1枚160円)や、
    アートポスター「やまがたの在来作物たち」vol.1(A2判・筒入り1,200円)を会場で販売
   ・上映実行委員会製作「みやぎ在来作物NewsPaper」を鑑賞者に無料配布


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