あるもの探しの旅

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潮騒ダー

みんな一緒に~ 「イチ,ニー,サン,シオサイ・ダー!!
海の男のサイダーはちょっぴり塩辛かった

shiosai_da1.jpg 海岸段丘の切り立った断崖が続き、このほど三陸復興国立公園に指定された北三陸では、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」に登場する「潮騒のメモリーズ」ことアキちゃん&ユイちゃんが歌う「潮騒のメモリー」で盛り上がりを見せている昨今。同国立公園の南端にあたる南三陸・気仙沼から新登場したこの夏オススメの海塩入りサイダー「潮騒ダー」にちなんだアントニオ猪木風コールにご唱和いただけたでしょうか?

【Photo】この夏、南三陸でブレイクしそうな「潮騒ダー」。そのラベルに描かれるのは、昇る朝日を背景にカツオが威勢よく跳ねる荒ぶる海。そして大漁と書かれた赤フン一丁の姿で腕組みをして仁王立ちする海の男。そんな彼が口にくわえるのが「潮騒ダー」。良い子はこんなワイルドな飲み方をしてはイケマセン

 相当にひねりの効いたネーミングとラベルが目を引くこのサイダーは、気仙沼市松川にある牛乳販売店「千葉一商事」の千葉清英さん(43)が、仙台市宮城野区の「トレボン食品」に製造を委託した新商品。シュワシュワの泡と、昭和を思い起こさせる懐かしいサイダー風味に、熱中症予防にピッタリな塩味がしっかりと加わっている点がミソ。そこに使われているのが、大潮ともなると高さ10m以上まで岩場から海水をクジラのごとく吹き上げる「潮吹き岩」で知られる観光地、気仙沼市階上(はしかみ)の岩井崎で採取した海水をろ過して作った海塩です。では何故に岩井崎の塩なのか?

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【Photo】気仙沼市観光キャラクター「ホヤぼーや」が、ギフト用途に震災の記憶を書き記せるスペースがとられた潮騒ダーのラベル

 東日本大震災で愛妻・幼い二人の娘・義父母と義妹らを揃って亡くした千葉さんは、昨年9月11日付河北新報朝刊の連載企画「これから-大震災を生きる」に、唯一無事だった息子の瑛太君とともに紹介されています。同年8月26日付の河北「3.11記憶 あなたを忘れない」では、気仙沼市階上観光協会による岩井崎での塩作り復活に向けた取り組みがスタートしたことが報じられました。この連載は、震災で犠牲となった市井の人々の足跡を偲び、生きた証を語り継ぐのが目的です。

 藩制時代には仙台藩の御塩場(おしおば)として、今回の震災で全壊した気仙沼向洋高校が建つ場所で入浜式製塩が行われていた階上。1896年(明治29)に発生した明治三陸大津波で御塩場が壊滅して以降、塩作りの伝統は久しく途絶えます。文献をもとに薪と平釜による伝統的な塩造り復活に取り組んだのが、同市波路上上明戸の遠藤伊勢治郎さんLink to Website。納得のゆく出来栄えが得られた2005年、「伊勢治郎こだわりの塩」として製品化にこぎつけるも今回の津波で帰らぬ人となりました。享年81歳。

iwaisaki_1.jpg【Photo】大津波に堪えて残った第9代横綱秀ノ山像と龍の被災松のシルエットが夕陽に浮かび上がる

seien_iwaisaki.jpg 東京目黒の名物催事「目黒のさんま祭」で提供されるサンマ5,000尾分の振り塩や、地元の菓子舗サイトウの「しぶきの舞」などに広く使われたのは、定年退職後にゼロから始めた遠藤さんの塩作りにかける情熱とたゆまぬ努力が編み出した柔らかな塩味が好評を博したがゆえ。伊勢治郎名人の遺志を継いだ観光協会の有志が伝統を絶やしてはならないと、県やNPOなどの助成を受け、レンガ造りの製塩体験施設がボランティアの協力のもとログハウス併設で整備されたのが昨年11月。

【Photo】2011年11月、岩井崎伝統の塩づくり復活の狼煙(のろし)を上げたレンガ造りの製塩施設

 人力で汲み上げた海水500kgを薪で煮詰めること丸5日。平釜からはおよそ10kgの海塩「岩井崎の塩」が得られます。天日干しをするなど、文字通り手塩をかけて塩作りをしていた遠藤さんが行っていた塩づくり体験学習も復活しています。そこは風光明媚な海原に面して銅像が立つ郷里出身の第9代横綱秀ノ山や、昇り龍のごとき形状で残った被災松のすぐ近く。

iwaisaki_2.jpg【Photo】海と共に生きる町・気仙沼。「けせもい」の不屈の気概を示すかのように、今にも海に向けて動き出しそうな龍の被災松

 「仙台・宮城デスティネーションキャンペーン」は6月末をもって幕を閉じました。荒砥沢ダム付近で山体崩落が発生し、祭畤(まつるべ)大橋が落橋、17名が犠牲となった震度6強の大地震があったことが、ともすると忘れられがちな「平成20年 岩手・宮城内陸地震」の発生から5年を経た今も客足が途絶えたままの栗駒山周辺を含め、復旧途上にある被災地を、これから先も応援してゆかねばなりません。今年の夏は潮騒に誘われて海の幸の宝庫・南三陸や栗駒周辺を訪れてみてはいかがでしょう。旅のお伴は潮騒ダーで決まり!!ですね。

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◆潮騒ダー
 340mℓ 復興祈願価格230円
 問:トレボン食品お客様相談室
 Phone:022-256-4137

◆岩井崎 塩づくり体験学習
 問:気仙沼市階上観光協会 
 Phone:0226-27-5410


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コメント

北三陸の海岸線は、海岸段丘であって、リアス式海岸ではないんだけど...

▼ 匿名さま
!!! ('jjj')/ 的確なご指摘、ありがとうございます。m(_ _)m

仰せの通り宮古以北は地盤の隆起による海岸段丘地形ですね。本文は修正しておきます。

かくなる上は、復旧が待ち遠しい「三陸鉄道 北リアス線」も、4月に復活した暁には「三陸鉄道 北海岸段丘線」に改名せねばなりますまい(-_-)。


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