あるもの探しの旅

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水無月の森の湧水@川崎町ブドウ沢

緑したたる「ブドウ沢清水」 
  蔵王水系の湧水を訪ねて【中級編】

 二口渓谷「磐司の湧水」を芽吹きの季節に訪れた前回レポートに次ぐ今回は、同じく北蔵王山系の雁戸山(がんどさん)山麓の小屋ノ沢林道沿いにある湧水を今月初旬に訪れた探訪記です。タイトルに中級編とあるのは、初級編と銘打った前回よりもアプローチしにくい湧水ポイントであることを意味します。よってランボルギーニやフェラーリは当然のこと、車高の低いヤンキー仕様車やオンロードバイクでは今回ご紹介する「ブドウ沢清水」へは到達不能であることを最初に申し上げておきます。

budosawa_S1.jpg【Photo】R286から「新東北笹谷渓流つり」の看板を目印に小屋ノ沢林道の方向へ。橋の入口には「北蔵王登山道案内図」があるので、あらかじめブドウ沢清水の位置を確認しておきたい

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【Photo】Y字の橋を渡ると、左手に養魚場があり、すぐにこの分岐がある。そこは新東北笹谷渓流つりの立て看板のある左方向へ(上写真) 杉木立の間を進むダート道を進み、1kmほどで右手の斜面から水が湧き出している。沢水ではなさそうなので、飲用できそうだが??(下写真)

budosawa_3.jpg 宮城県柴田郡川崎町から山形方向にR286笹谷街道を進むと、「新東北渓流つり」の看板が左手に見えてきます。今回の湧水への経路となる「小屋の沢林道」の入口は、並走する山形自動車道古関PAを過ぎたあたり。山形方向からは、辛味噌ラーメンでお馴染みの「天狗山」の系列店「ラーメン渓流」を通過し、カーブの先すぐ右手に入口があります。いずれの方向から入ってもY字の橋を奥へ進み、最初の分岐を左方向に直進すると、間もなく舗装路は途切れます。R286から脇道のダートに入って1.3kmほどの山肌から塩ビパイプが引かれ水が流れ出ていますが、飲用に適するかどうか不明につき、スルーしました。

budosawa_4.jpg【Photo】謎の流水から600mほど進むと視界が急に開け、植林された杉木立に「キリンビール水源の森」の看板が立っている(上写真)。その分岐点は進入禁止の左方向にではなく、砂利道を迷わず直進。やがて新東北笹谷渓流つりの巨大な看板が登場(下写真)
 budosawa_5.jpg およそ300m先には「新東北笹谷渓流つり」の大きな看板が立っています。右手に牧草地があるそこから先は、さらに凹凸の激しい悪路となるため、路面を常に注視し、速度を落として慎重なハンドル操作が求められます。

 左手を流れる小屋ノ沢(別名「金山川」)の瀬音は耳に届きますが、崖下の流れを目にすることはできません。植林された杉林が途切れると、鬱蒼とした広葉樹林帯となります。途中むき出しの岩肌が今にも崩れそうな箇所があり、そこには転落防止のガードレールなどないので、注意して進みましょう。

budosawa_11.jpg【Photo】悪路を進むこと4.7km。マイナスイオンたっぷりの沢沿いにブドウ沢清水は突如として現れる

budosawa_14.jpg 新東北笹谷渓流つりの看板を過ぎて悪路を進むこと更に2.5km。山形県境となる南雁戸山(1486m)南面の八方平付近から流れるブドウ沢に架かる「葡萄沢橋」手前の右手のブナの森の山肌から、今回目指す「ブドウ沢清水」は湧き出しています。岩から浸み出た湧水は、塩ビパイプから2筋、苔むした石盆からも勢いよく流れ出しています。その手前には間伐材でのり面を保護された箇所があり、そこからも地下水が滲み出しているので、付近一帯に地下水脈があるのでしょう。そこは川崎町が建てた標柱があるので一目瞭然です。

budosawa_12.jpg【Photo】人の手が及ばないブナの原生林に囲まれたブドウ沢清水。付近の深山はクマ出没注意の領域につきご用心を(上写真) 岩肌から清らかな伏流水が流れ落ち、塩化ビニール製のパイプと石盆から水を汲みやすいよう整備されている(下写真)

budosawa_10.jpg 川崎町が過去に実施した水質検査では、水道用水源では3mg/ℓ以下とされる水のきれいさを示す指標のひとつ、化学的酸素要求量(COD)は1mg/ℓ。pH7.2の中性から弱アルカリ性、硬度12mg/ℓの超軟水であることがわかっています。周囲に人工的な施設がないことから大腸菌類は検出されていません。大好きなブドウ発酵液(=Vino\(^-^*))と比べるべくもありませんが(笑)、岩肌から流れ出るブドウ沢清水は、クリスタルガラスのようにひんやり爽快なもの。硬度からして、蔵王の急峻な山塊で滞留する時間は長いものではないでしょう。口に含んだ印象は、遊佐町の名水として名高い「胴腹滝」左側の伏流水に近い味でした。

 蔵王水系の湧水を訪ねて【初級編】【中級編】と続いた以上、続編があるかも。(と、思わせぶりに締めくくってみる)

     
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